431:マグネットの種類と特性
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マグネットにはいろいろな種類があり、特性も違ってきます。
特性に合った使い方でマグネット念仏しましょう。
①一般的な「フェライト磁石」
フェライト磁石は粉末冶金法による焼結品で、磁気特性が安定し高い磁場を必要としない場合に使われる安価な磁石です。
非常に幅広い用途で使われており、一般に皆様が目にされる黒っぽい磁石です。
原料の酸化鉄が安価で価格的に問題がないことです。
また耐蝕性・耐酸化性にも優れています。
磁気特性的にはネオジウム・サマコバ磁石に及ばないものの、保磁力が大きいので減磁しにくく安定しています。
熱で磁力は弱くなります(熱減磁)
フェライト磁石は熱減磁が大きい磁石です。
20℃を100とした場合、50℃で約90%、100℃で約80%、200℃で約50%に低下します。
しかし、200℃程度までなら概ね元の磁力を回復します。
現在、画像のようにバッテリーマイナス端子で念仏して効果発揮してます。
100均の強力マグネットで、表裏面で極がわかれているタイプです。
100均の通常のマグネットは左右で極がわかれていて、念仏には不向きです。
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②「ネオジウム磁石」
ネオジウム・鉄・ボロンを主成分とした成形焼結品で、非常に優れた磁気エネルギーは現有磁石最高です。
磁気特性が高いので、小さいサイズでも磁力の強い磁石が作れます。
ただ錆びやすいので、主にニッケルメッキで表面を処理しています。
熱減磁は比較的大きい磁石です。20℃を100とした場合、50℃で約95%、100℃で約90%に低下します。
また、この磁石は可逆範囲が特に狭く、標準品なら約70℃まででなければ元の磁力を回復しません。
エンジンルーム内は100℃以下なのでフェライト磁石よりは熱減率は少ないですね。
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③「マグネットシート」
ゴム素材とフェライト磁石粉末が混ざっていますので柔軟性があり、大きなサイズのシートからカッターやハサミで手軽に切り取って使うことが可能です。
また表面に様々な色彩や文字をデザインして印刷することも可能です。
厚みは0.4ミリから5ミリまでが一般的ですが、0.6ミリぐらいが主に使用されています。
他の磁石に比べて磁力が弱く、重たいものを支える等の用途には適していません。
また温度特性が低く高温域の環境での使用を続けますと、樹脂が溶け出し吸着物に張り付いてしまうトラブルが起きます。
なので、エンジンルームには不向きですね。
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④「サマコバ磁石」
ネオジウム磁石に次ぐ高い磁気特性を持っています。
温度特性に優れ、高温での使用にも比較的向いています。
また、錆びにくく、通常は表面処理の必要がありません。
原料産出国の国内状況が不安定で産出量が少なくなり、他の磁石に比べて高価になります。
貧乏チューンには不向きですね。
100均にも売ってません。
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■磁力の劣化について
ネオジウム・サマコバ磁石やフェライト磁石では年に0.1~0.3%程度で、実際に使用する環境ではほとんど変化せず、半永久的に磁石の性質を持ち続けます。
ただ、磁石の周囲の環境から影響を受けることがあります。
特に磁石のストレスとなる高温・逆磁場・衝撃・腐食等によって、大きく減磁することもあります。
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■磁石は2個重ねると磁力は2倍になるのか?
同じ磁石を2個重ねて厚みを2倍にしても磁力(表面磁束密度・吸着力)は2倍にはなりません。
概数ですが、表面磁束密度を2倍にするには、厚みを5倍程度にする必要があります。
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■磁石のN極とS極の調べ方
N・S極が不明の磁石が1個しかない場合、まず 北の方角が分かる場所を選定します。
釘を2本用意します。
そして、その磁石を紐でぶら下げて、着磁方向の向かい合った2面(強く吸着する面)に釘の頭の部分をくっ付けます。
すると、1本の釘が北の方角を指します。
その面がN極です。
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