2006年04月06日
2階のゴミをゴミ袋に詰め込んで、再び伊藤さんの待つゴミ置場に向かいました。
ゴミ袋を持って角を曲がった瞬間、私は凍りつきました。
伊藤さんがウチのゴミ袋を開けていたのです。
何分にも覚悟出来ていない(誰も出来ひんて!)状態での、不意打ちですから
私はモットモですが、伊藤さんも顔面の化粧にヒビが入る程、引きつってました。
「あのぉ~何してるんですかぁ?」「あらヤダぽんちゃん」・・・って
(こっちがヤダやッちゅうの!!)「いやね、この辺りはゴミ、ウルサクってね」
「変な物が入ってたら持って行ってくれないのよ・・・」
「私が当番だからゴミが残ると嫌だなぁ~って思ってね、ちょっと調べてたの」
(おいおい!!それってプライバシ-の侵害とちゃうんケ?)
「はぁ~そうなんですか?ご苦労様ですぅ」(まだまだ気がアカン男なんです)
って、ゴミを置いてソソクサと家に帰りました。よくよく考えてみると、
かなり腹が立ってきました。「くそぉ~伊藤のババアめッ!!」
でも・・・一体私のゴミから何を探していたんでしょう?(皆様、考えて下さいね)
まぁ今度見たらちょっと怒ってやりましょう!!程度の決意をしました。
それから行くあての無い「外出先」を考え始めました。
最初はパチンコでもって思ったのですが、以前に一度近所のパチンコ屋で、
伊藤のババアに遭遇しているので、これは却下です。時間はまだ9時前ですから
これから軽く10時間は潰さないといけません・・・これも考えてみると
伊藤のババアのせいです!!かなり腹が立っていました。
その時・・・よくマンガで閃いた時に書かれるアノ「電球の絵」が私の頭に
浮かんできました!!そうやッ!!それしかないやんけッ!!
それやったら10時間でも1日でも潰せるがな!!思い立ったが「吉日」やッ!!
オモムロに電話の所まで走って(そんなに広くないど!!)行き、もう100回は
ダイヤルしているであろう、掛け慣れた番号をプッシュしていました。
1コ-ル・・・2コ-ル・・・3コ-ル・・・10・・・20・・・???
おらへんやんけッ!!・・・良く考えてみます。考えられる可能性を・・・
①まだ帰ってない・・・②まだ寝てる・・・③風呂に入ってる・・・④・⑤・⑥・・・
と、色々と考えてみて1時間後にまた受話器を取りました。
1コ-ル・・・2コ-ル・・・3コ-ル・・・4コ-ル・・・ガシャッ!!
「もしもぉ~し」!!!おったがな!!おったがな!!「あぁ~俺や!!」
「今日、今からヒマけ?」・・・「よっしゃ、ホナ12時に四条河原町でのッ!」
やりました!今日1日の予定が出来てしまいました。
スグに風呂に入り、身支度を整え、ぽんちゃんは「羽」が生えたかのように
飛び出して行きました。伊藤さん有難う!!って叫びながら・・・。続く。
Posted at 2006/04/06 18:28:59 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月28日
無事?に引っ越しも終わり、ホッっと一息と言った所でしょうか。
新しい家、近所の新しい環境。どこにでも居るおせっかいなオバサン・・・
そう・・・ここにもそんなオバサンが生息していました。
私の家の隣の住人・・・「伊藤さん」がその人です。引越しの時から
そのオバサンの存在は気になっていました。「ジロジロ」と私を見ています。
「向こう3軒両隣」って事で、早速洗剤を持って挨拶回りに出掛けました。
「こんにちは、今度向いに越してきましたぽんちゃんと言います」って
感じで・・・嫌な気配がムンムンしていたので「伊藤さん」は最後に
しました。後の4軒はまぁ、当り障り無くって感じでしたね。いよいよ
「伊藤さん」宅に突入する時がやってきました。「伊藤さん」は、ぽんちゃんが
挨拶回りしているのを窓から見ていた(怖いっちゅうねん)らしく、
チャイムを鳴らすやいなや、ドアが開きました。開口一番!!あぁ~
お隣の「ぽんちゃん!!」(何で知ってんねん!!)、まぁ上がって!!
(いや・・・上がりたないねん・・・洗剤やるから!!)って、心の中では
思っていたのですが、若輩ぽんちゃんじゃ「伊藤さん」の迫力には
勝てません・・・居間に通されるとナナなんと「お茶」まで用意されて
いるじゃないですか!!(お前いつから見とったんじゃッ!!)
それから刑事のような「事情聴取」が始まりました。若そうに見えるケド
何歳なの?(関係ないやろッ!!)とか、どんな仕事してるの?(ほっとけやッ!!)
とか、奥さんは何処の人?とか、から始まって「ゴミの出し方」に至るまで、
ついには「伊藤さん」が後家になった理由まで(知らんがな!関係ないやん!)
を、延々1時間位マシンガンの如く喋り狂ってました。またこのババアが
え~歳こいて臭いんだ・・・香水の匂いプンプンさせて、すんごい厚化粧して・・・
(お前は八代 亜紀か?)って感じのババアです(推定年齢は55~8)。
ぽんちゃんですらこの有り様ですから、気の弱いNがこのババアに捕まったら・・・
まぁ半日は解放されへんやろなぁ~って、一緒に暮らす前に早くも不安のタネが
出来たような気持ちです。しかしお隣さんの事ですから邪険にも出来ませんし、
私も伊藤さんから見たら「息子」程度の歳ですんで、仕方有りません。
いまのように「付かず離れず」の距離の措き方をまだ学習していなかったのが、
敗因(何の敗因やねん?)でした。そんなこんなで生活が始まり、ある日・・・
とうとう・・・見てしまったんです。その日私は「代休」だったのですが、
タマタマ火曜日のゴミの日だったので、結構早起きしてゴミを出しに行きました。
自治会で当番制になっているらしく(ゴミ置き場の清掃)、その日は伊藤さんが
当番でした。ぽんちゃんがゴミを出しに行くと伊藤さんが立っていました。
「おはようございます!ご苦労様です。」「あら?今日はお休み?」
「そうなんです。休みです。」「そしたらお昼ご飯食べにいらっしゃいよ!!」
「・・・」「いやぁ・・・ちょと出かける用事が有りますんで・・・」
「じゃ、晩御飯は?」「・・・」「はぁ多分遅くなりますから・・・」実際出かける
用事もヘッタクレも有りません。しかし伊藤のババアはきっと俺が出かけるのを、
どこかの窓から確認するに違い有りません。こうなってしまった以上、
親が死んでも出かけないと収集がつかない状態(どんな状態やねん?)です。
なんであのババアの為に、貴重な休みを潰さんなあかんねん!!
「フゥ~」落胆しまくった溜息が漏れました。そうそう!見てしまったのは
この後で、一旦家に戻ったのですが、2階にもゴミが有ったのを思い出し
(神田川荘じゃゴミ箱は1つだったんで)、再びゴミを持って「戦場」に
戻りました。その時ぽんちゃんは自分の目を疑わざるを得ない、衝撃的な光景を
見てしまったのでした!!あぁ・・・もう・・・引っ越そうかな・・・続く。
Posted at 2006/03/28 17:52:40 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月18日
色々と有りましたが、自分なりに「身辺整理」をして、結納の日を
迎える事になりました。平成3年10月10日。独身貴族を謳歌していた
ぽんちゃんにっては、ある種「鎖」に繋がれた、いや!キバを抜かれた狼と
なってしまいました。両親と共にNちゃんの実家に出向き、
結納飾りを親父が始めました(あれって飾り付けが終わって、目録や何かを
渡し、先方が受け取るまで喋ったらダメなんですかね?)。1時間程度で、
無事に結納を交し、まぁ婚約成立となった訳です。帰りの道中で母親が、
「あんた、これからは気ぃつけなアカンで!!」「結納が収まってから
婚約解消は倍返しやで!!」とか、色々と五月蝿い事をいいました。
(判ってるがな!もう覚悟は出来とんねん!やいやいうるさいんじゃッ!!)
と、心の中で言い返してました。でもすごく変な気持ちで、今更ながら、
「俺・・・結婚するんや?」「結婚ってどんなんやねん?」「妻帯者って??」と
様々な妄想や、言い知れぬ不安に包まれる思いでした。
新居の方も決まりつつ有って、第一章ではあれ程「市内」に拘った私が、
とうとう「都落ち」する方向です。京都市内の2LDKクラスだと、
共益費や駐車場代で約10万円は覚悟しないとダメみたいでした。
とても10万円は無理!!って事で、妥協案として会社まで乗り換え無しで
行ける事。急行停車駅で有る事。駅までは最高でも徒歩10分圏内。
出来れば「一戸建て」。無理なら「築浅のマンション」(ハイツは不可)。
ハイツはやはり「音」の問題が気になりました。「新婚」で「音」と言えば・・・
そう・・・アレしかないでしょう!!
って事で、不動産屋が持って来た物件が、JR京都線「大久保駅」徒歩8分
(ギリギリセ-フやなぁ)、の一戸建て。家賃が78.000円の駐車場込み
(なかなかヤルやんけ!!)。早速現地に案内して貰いました。
築浅とはいかないまでも、キレイにリフォ-ムしてあるし、中々の物です。
1Fが6畳が2間と台所。2Fは6畳が2間です。当面2人で暮らすには
充分過ぎる間取りでした。買い物至便で駅近ですから90%満足しました。
大久保からだとJR竹田駅で市営地下鉄に相互乗り入れしているので、
丸太町の会社までは、乗り換え無しでOKです。通勤時間は約50分。
「神田川荘」から比べると5倍!!遠いですが、この辺りで妥協しないと、
もうそうそう良い物件もないやろうし、第一「荷入れ」にも
間に合わなくなってしまいます。
2人でちょっとダケ話し合い、もうここに決める事にしました。
いよいよ「一国一城」の主となる訳です。
10月の末に契約をし、空家賃を払うのもモッタイナイので私が先に
入居する事になりました。電化製品や家具も「神田川荘」から
運び込み、思い出一杯の「神田川荘」ともお別れです。Mちゃんと出会い、
半同棲生活をした部屋。夜になるとMちゃんやNちゃんの事を考えた部屋。
本当に色々な思い出が詰まった・・・部屋。こんなドラマは次の家では
無いでしょう・・・(有ったら困るがなッ!!)。住み慣れた京都市内を
後にして、1人寂しく(何で寂しいねん!アンタ結婚するんちゃうん?)、
新居に移り住みました・・・(ここからじゃ祇園も遠いなぁ)。・・・未練・・・
結婚式まであと3ヶ月。こころは固まったかに?見えますぅ?皆さん?続く。
Posted at 2006/03/18 11:57:37 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月12日
「For You・・・」
涙を拭いて あなたの指で
気付いたの はじめて
あの頃の私 今日までの日々を
見ててくれたのは あなた・・・
わがままばかりで ごめんないね
恋人と別れて
あなたの部屋で酔いつぶれてた
そんな夜もあった・・・
思い出せば 苦笑いね
寂しさも悲しみも
あなたのそばで 溶けていった
いつもいつの日も・・・
もしも 逢えずにいたら
歩いてゆけなかったわ
激しくこの愛つかめるなら
離さない 失くさない きっと・・・
あなたが欲しい あなたが欲しい
もっと奪って 心を
あなたが欲しい あなたが欲しい
愛が すべてが欲しい・・・
もしも 傷つけあって
夜明けに泣き疲れても
激しくこの愛見つけた日は
忘れない 失くさない きっと・・・
あなたが欲しい あなたが欲しい
もっと奪って 私を
あなたが欲しい あなたが欲しい
愛が すべてが欲しい・・・
この唄を、どう受け止めれば良いのか、
当時の私には理解出来ませんでした。伝わってくるのは
私を「心から愛している」と、言うことだけでした。
店の中に居る誰もが、この異様な光景を黙って見ていました。
男と女の別れ・・・好きな者同士が別れる・・・
なんて酷い事なんでしょう。誰か1人を愛してしまった瞬間から、
もう、他の誰も愛してはいけないのでしょうか?
結婚をしてしまったら、もう生涯・・・恋愛はしてはいけないのでしょうか?
それは罪な事なのでしょうか?広い世界に男と女が半分づつ居て、
誰がその中の1人を選べるのでしょうか?
もう、Mちゃんを愛する事すらしてはいけないのでしょうか?
それが・・・大人のしての「ケジメ」と言うのでしょうか?
もの凄い憤りを感じつつも、今日、この店にやって来た意味を考え
最後の言葉をMちゃんに送りました。
「俺が初めてした、本当の恋愛やったと思う・・・」
「お前と出会う迄にも、色々な女と出会ってきたケド・・・」
「こんなに人を大切に思えた事は1度もなかった・・・」
「有難う。すごく幸せな3年間やったよ・・・」
「幸せになれよ・・・」ついに言ってしまいました。振り回してバカリの3年間、
色々と有ったケド、よくついて来てくれました。
この時は、「もう恋なんてしない」って心境でしたね!
この時はね!!季節は秋。ぽんちゃん結納の日まであと3日!
男としてのケジメはちゃんと付けられたのかなぁ??続く。
Posted at 2006/03/12 10:27:53 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月06日
今度こそって「心」に誓いました。もうMちゃんには逢わないって・・・
これからはNちゃんと共に、新しい未来を歩いて行こうって・・・
かなり「堅い?」決意でした。仕事中もどうやってきりだそうか?・・・とか
いつ言おうか?・・・今夜?・・・明日?・・・かなり悩みました。
心の奥底では1日でも先に延ばしたい!その方がMと長く居られる!・・・
でも、1日も早く別れた方がそれだけMを苦しめずに済むのか???
(もう充分苦しめてるやんけ!)。もう、己の欲望は切り捨てないと・・・
分かっているのに。なかなか実行出来ずにいました。会社からの帰り道、
カ-ラジオから流れてきた1曲が私の心を激しく揺さぶりました。
ただただ止め処なく涙が溢れ、風景が滲んで行くのが良く分かりました。
どうしようもない程センチメンタルな気分に流されて行きます。
かつてこんな気持ちになった事は、無かったように思います。
家に帰り、灯りも点けずにじっと蹲っていました。どれ位時間が経ったのでしょう?
弾き飛ばされるような衝動に駆られ、祇園に向うタクシ-に飛び乗りました。
途中の花屋で少しのバラの花を買い、何かの力に背中を押されるがまま、
Mの待つ店へと向いました。何気ない顔をして店内に入り、いつもの席に座り
Mが水割りを作ってくれるのを待ち、気持ちの中では最後の乾杯です。
いつも通りの内容の薄いバカ話を続け、別れ話を切り出す頃合を計っていました。
そんな時、帰り道で聞いたアノ曲が脳裏をかすめました。
Mちゃん、「・・・」ってカラオケ有る??有ったらかけてくれるか?
Mちゃんは本をパラパラ捲り、手際よく番号を押しました。
やがてイントロが薄暗い店内に流れ始めました。もう胸が詰まりそうです。
「CLOUDY HEART」
作り笑いが歪む 長い月日が終わる
胸にしみるのはイヤネ こりゃ何?
軽いはじまりだけど 割と長くなったし
お体だけはどうぞ大事に・・・
そうネ終わりは あたり前の様にくるものだし
しかたないゼはしゃいでた あの日にサラバ
バカバカしいけど俺 周りの奴に言われ
オマエと居るの悩んでたもの
あんな風でつづくなら きっと皆 そう幸せ
今頃気づいちゃって つらいぜ
気の向くまま 過ごしてた二人だから そう
終わる事感じてた 割りにミジメネ
いつも一緒 何をするにでも 二人だった
あんな日は もう二度と来ない様な気がして
HONEST LOVE 傷つけてばかりだったけど
HONEST LOVE オマエだけを愛してた
CLOUDY HEART 傷つけてばかりだったけど
CLOUDY HEART オマエだけを愛してた
もう涙が溢れて、顔中クシャクシャでした。Mちゃんも泣きじゃくっています。
最後に数本の「バラの花束」を渡し・・・
「いままで、有難う」「すごく楽しかった」・・・って言うのが精一杯でした。
今、これを書いていても涙が滲んできそうで怖いです。
泣きながらMちゃんが、「私も歌う」ってマイクを取りました・・・
そう・・・あの唄です。もう涙腺が壊れてしまったみたいです。続く。
Posted at 2006/03/06 17:21:05 | |
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一人神田川 第二章 | 日記