2006年08月04日
結局その夜は、伊藤さんに会う事はできませんでした。徐々にですが怒りも治まり
まぁエエかッ!って気持ちになってきました。しかしマドロスとしてはやはり、「ケリ」だけは付けておかないといけません。無人の伊藤さんの玄関先に、
タッパを置き、「カビが生えていたので食べられませんでした」・・・とメモを入れて置きました。あとは伊藤さんの出方次第って事です。
結婚準備はホボ完璧に整い、もう当日を待つのみです。社会に出てから4年。仕事に恋にと一生懸命突っ走ってきた私の、終焉です。これから先の人生はNちゃんと共に
また、やがて生まれて来るであろう子供たちと長い長い人生の第二幕が始まるのです。振り返ってみると、これまでの22年間「大過」無く??(有ったやろッ色々と)過ごしてこれたのも両親の暖かい愛情が有ればこそだったのです。
私はやがて生まれてくる子供たちに、どれ程の愛情を注いであげられるのでしょう?
翌日から仕事始めで、もう結婚式当日まではそれこそ「アッ」と言う間でした。次回は「一人神田川 第二章完結編」となります。いよいよ「結婚」致します。
Posted at 2006/08/04 17:30:00 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年07月23日
鼻に臭いが染み付いていたのか、2階にまで死臭異臭が漂ってくるような気がしました。ここで母親を見殺しにする訳にもいかず、
防毒マスクよろしく、タオルを鼻に当て階下に向かいました。恐る恐る台所に侵入し、そこで見たものは・・・白カビが浮いたようになっている「奈良漬」でした!!!
ちょっと待ってくれぃ!俺は奈良の人間なのになんで「奈良漬」やねん!!まぁ、100歩譲って「奈良漬」でもエエわいッ!!せやけど、「奈良漬」ってカビなんか
生えてるもんとちゃうどッ!!どないせぇ~ちゅうんじゃ!!
全く、伊藤さんには毎回毎回驚かされます。前回の「酢豚」は好意として受け入れられますが、今回の「奈良漬」には敵意!いや、悪意!いや、「殺意」!!まで
感じられます。俺が何したんやぁ?なぁ?伊藤さんよ・・・丁度その翌日が実家周辺の今年度最終のゴミの日だったので、幸いにも事なきを得ましたが、
アレが新年まで持ち越されたら、我が家の「正月」は台無しになる所でした。ぽんちゃん独身最後の新年を、「奈良漬」の悪臭に壊される事だけは回避できました。
今度家に帰ったら、伊藤さんに何て言ってやろうか!怒りの情念はメラメラと燃え上がるので有りました。年が変わって1992年。いよいよ結婚式まで3週間を切りました。
もう、自分自身の中にフラフラとした気持ちはなく、さしづめ「背水の陣」(ちょっとおかしいかなぁ)の心境でした。
正月三ケ日を実家で過ごし、4日には初出ですから3日の夜に自宅に戻りました。さぁ伊藤さんとの対決の時です。帰路、家が近づくにつれ緊張が襲います。
あの「魔の伊藤さん」とどうやって対決しようか?生半可な方法ではやられてしまいますから・・・やはり「先手必勝」しかありません。車を駐車場に止めた瞬間から、
伊藤さんの監視下に有りますから、ドアを開けたら猛ダッシュでチャイムを押そう!
そしてどなってやるのだッ!!「お前はカビの生えた奈良漬が好物なんかッ!!」って。イメ-ジトレ-ニングは完璧です。駐車場に車を滑り込ませ、ドアを開けました!!男マドロスぽんちゃんは鬼の形相です。さぁ勝負じゃッ!覚悟せいよ!積年の恨み!
今宵こそって感じです。ぽんちゃんはチャイム目指して駆け出しました。続く。
Posted at 2006/07/23 11:27:58 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年07月02日
いつも2人が使っていたHotelにチェック・インしたのはもう4時を廻っていました。
結構長い時間、飲んでいたのでそろそろ体力も限界でした。
シャワ-もコソコソソコソコにして、ベッドに潜り込みNちゃんが戻ってくるのを
うつらうつらしながら待っていました。その内に眠ってしまっていたんでしょう、
ハッと目が覚めたら、時計の針は8時の少し前でした。部屋にMちゃんの姿はもう、有りませんでした。速攻で着替えて会社に行かないとなりません・・・が、
どこを探しても「ネクタイ」が見つかりません。まぁ「ネクタイ」は会社にも置いて
ありましたから、どうせどっかに忘れたんだと思い、会社に向かいました。
もう12月の25日を過ぎると余り仕事も有りません。最終の回収集金程度です。
外回りに出ても、寝不足の身体がイマイチ冴えません。喫茶店に入り熱いオシボリで
顔を拭うと少し頭が冴えてきました。「Mちゃん・・・どうしたんやろぉ・・・
あれ程一緒に居たいって言ってたのに・・・ 」「何か有ったんかな?言いたい事とか・・・」 まぁエエわ!気にせんとこッ!91年も残す所あと6日。ぽんちゃんの結婚式まで、25日です。28日には仕事納めをして実家に戻りました。実家に戻る前に
一度家に戻り、数日分の着替えなんかを用意して戸締りをしていると、
背後に焼けるような視線を感じました。(◎_◎;) ドキッ!!振り返ると、ニコニコと
「タッパ」を持った、伊藤さんが立っていました。
「今日から実家に帰るの」「ハイ・・・」「じゃ、コレ持って帰って頂戴!!」
(*゜Q゜*)ドキィー(また・・・酢豚なの???)「いやぁ~いつもすいません」
「有難う御座います。それでは良いお年を!」「ハイ、貴方もね・・・」
「そうそう年賀状、届いてたら盗って取っておこうか?溜まると無用心だし・・・」
「いえ、結構です。多分大半は実家に届くと思いますし、新聞も止めてますから」
・・・なんで伊藤さんはそんなにチョッカイ出すねん!ほっといてくれッ!!
などと考えながら実家に戻り、母親と2人で恐る恐るタッパを開けてみました。
トランクに放り込んで帰ってきたのですが、なぜか車中にも異臭が漂っていました。
ホントに怖かったっす!私にはその蓋を開ける「勇気」が有りませんでしたから、
母親に全権委任し、私は気の弱い「爆弾処理班」気取りで、遠巻きにタッパを
見つめていました。やがて・・・ゆっくりとその「全容」が明らかになるにつれ、
台所にはもはや「異臭」としか言いようの無い臭気が立ち込めていました。
「ギャァァァァ臭いィィィィ」・・・母親が叫び、同時に私は母親を見殺しにして、
ハヤブサのように、2階へと駆け上がりました・・・続く。
Posted at 2006/07/02 13:17:54 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年06月03日
1991年12月24日PM7:00
その男は、グレ-のス-ツに少しばかりくたびれたトレンチコ-トを
はおり雑踏の中に居た。人込みに身を任せるように歩く男の背中には
疲れ果てた男の哀愁が漂っている。しかし表情は明るく、その視線の先には
真っ赤なコ-トに身を包んだ、顔立ちのハッキリとした美しい女性が、
微かに微笑みながら、その男を見つめていた・・・
少し足早にその女性に駈け寄り、男は口を開いた。
「Merry X‘Mas」・・・女は黙って男の胸に飛び込んだ・・・
粉雪が舞い散る、京都「四条大橋」の上で・・・
そう、このアヒルニヒルな男こそ、「マドロスぽんちゃん」その人だったのです。
相手は当然Mちゃん。Nちゃんはどうしても都合が付かないので、前日の23日に
Mちゃんに電話を入れておきました。「Iveに逢いたい」・・・と
少し戸惑った様子のMちゃんでしたが、結構アッサリとOKしてくれました。
これで・・・本当に最後です・・・(何回言うてんねんッ!!)。
誤解の無いように言っておきますが、独身最後のクリスマスって事ですよ!
ぽんちゃんの「女好き」はお医者様でも草津の湯でも治りません!!(キッパリッ!)
でも、心の底では、「H」は止めておこうって思っていました。(出来るの??)
長年連れ添った2人には、クリスマスだからって特別なセレモニ-は不要です。
一緒にご飯を食べて、飲んで歌ってバカ騒ぎしているだけで充分なんです。
いつも良く行く先斗町の料理屋に行き、お互いに知り過ぎている好みの料理を
注文して、二人で乾杯です。いやぁ~楽しいですねぇ!ほろ酔い気分でお店を
出て、腕を組みながら先斗町を歩きます。一筋向こうの木屋町は概ね、
若者の通り(オイオイあんたも若者やってッ!)で、反対の先斗町は
アダルトな雰囲気が漂っています。後々もこの「先斗町」には、お世話に
なる事になります。先斗町から河原町通りに出て祇園方面に向かいました。
そう、同伴です。Mちゃんと供にお店に入り、ゆっくりと飲み始めました。
12時丁度位だったでしょうか、ママがシャンパンを抜いて持って来て
くれました。改めて乾杯をし、ラストまで店で飲んでいました。その後
またまた2人で飲みに(なんぼ飲むねんッ!)行き、アレコレ話をしていると、
「今日は帰らへんよ」「一緒に泊まろうね」って、不意にMちゃんが言い出しました
(かなり酔った感じでした)。「泊まってもエエけど、Hはせ~へんでッ!」
「一緒に寝るダケやで」・・・「それでも、ウチはええから・・・今日は・・・」
「一緒に居たい・・・」時間にして4時頃だったでしょうか。Hotel街へと、
2人は消えて行きました・・・続く。
Posted at 2006/06/03 17:33:50 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年05月28日
美しく洗ってやりました
Posted at 2006/05/28 14:46:56 | |
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