2006年04月29日
その夜はMちゃんの店で暫くの楽しい時を過ごし、日付が変わる頃に
家に帰りました。鍵を開けようとモソモソしてると、何かが目に付きました。
しゃがんでよく見ると、タッパのような物が置いて有りました。
家に入って見て見ると「レンジで暖めて食べて下さい・・・伊藤」!!!
おいおい!なんでやねん!なんで「酢豚」が置いてあんねんッ!!
伊藤さん!!もうエエてッ!俺・・・風呂に入って寝たいねん!!
なぜそこまで僕を苦しめるの???風呂に入っているあいだ中も、「酢豚」
が、頭の中を支配しています。今日のMちゃんとの甘ずっぱい思いでも、
「酢豚」の甘酢に同化されてしまいそうです。風呂から上がり、夜の夜中に
1人「酢豚」と対峙していました。明日、このまま返したら気ぃ悪いやろなぁ~とか、
いっそ捨ててしまって、笑顔でご馳走様でした!と、タッパを返そうか?
(でも・・・またゴミチェックされたら・・・)、などとウツラウツラと
考えていました。ここは一発!食べてしまおうか?そしたら問題は無いし!!
でも・・・食べて「美味しかった」なんて言ったら、また「酢豚」が我が家に
運ばれてくる可能性も有るし、ニヒルなマドロスが「好物は酢豚!!」って
近所で評判になるのも、絶対避けたい・・・どうすればいいんだッ!!
もう、泣けてきそうでした。「酢豚」に翻弄される男ぽんちゃん!
いやはや・・・近所付き合いって難しい・・・皆さんどう思います?続く。
Posted at 2006/04/29 10:23:36 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年04月16日
12時20分前に四条河原町に着きました。そこには早くもMちゃんが
待っていてくれてました。通常「飲み屋」のおねぇ~ちゃん達は、
2時~3時まで仕事をして、人にもよるのでしょうが帰宅して寝ちゃう人や、
ママやお店の女の子達で飲みに行ったり、ご飯を食べて帰ったりして、
帰宅するのは明け方近くやもう朝になってからって言うのが多いみたいです。
当然Mちゃんの行動も同じで、いつもお店が終わるとご飯を食べに行き、
マンションに帰るのは朝の7時頃です。それからシャワ-を浴びて寝るみたいです。
起きるのが昼過ぎで、それから買い物や美容院に行ってから一旦部屋に戻り、
お客様に電話での営業をかけたり、本を読んだりTVを見たりして過ごします。
となると、10時に電話で叩き起こされ、更に12時に待ち合わせって言うのは、
かなり辛いと思うのですが、私が着いた時にはもうMちゃんは
そこに待っていました。ホントに随分と久し振りです。素ッピンに近い
ナチュラルメイクの顔や、ケベケバの服を着ていないMちゃんを見るのも、
神田川荘で半同棲生活をしていた時以来です。久し振りに胸が高鳴りました。
Mちゃんも嬉しそうに私を見ていました。
「悪いのぉ~急に呼び出して」「今日は時間エエんか?」
「うん、時間はエエよ・・・それよりどないしたん?今日は平日やんか?」
「仕事辞めたん?・・・まさかなぁ~(笑)」「今日はどうするの?」
って会話をしながら河原町通りを歩き出しました。ピッタリと腕を組んで
寄り添ってくるMちゃんが、たまらなく可愛いと思えました。
通りのアチコチに有るお店のウインドゥショッピングを楽しみながら、
「どや?久し振りに??」 「エッ!!何が??」「せやから久し振りにどやねん?」
少し俯きながら「うちは・・・エエよ」「よっしゃ!ほな今から行こか!!」
「せやケドまだ・・・お昼やよ」「エエやないか昼間でも」
「夜やないとアカンのけ?」「そやないケド・・・折角久し振りにおおたんやから
もうちょっとデ-トらしい事がしたいわぁ・・・(顔真っ赤)」
「デ-トらしいて、お前何考えてんねん??」「だって・・・Hの事やろ??」
「アホか!お前は!!久し振りに映画観に行こって言うてんねん!!」
「何、勘違いしとんねん!!」「もう・・・知らんッ!!ぽんちゃんのあほッ!」
ってな、可愛らしい(どこが可愛いねんッ!)会話をしながら2人で映画を観に
行きました。ハッキリ覚えていませんが「稲村ジェ-ン」だったように思います。
映画館を出て、お昼ご飯を食べていない事に気づき(何時や思てんねんッ!)、
軽めの昼食を取りました。「ぽんちゃん、これからどないすんの??」
「どないしょうか?お前、店は何時に入るねん?今日やったら同伴出来るで」
「どないしょう・・・今日は休んでもエエよ。今から2人でどっか行こか?」
こんな事は今まで有りませんでした。Mちゃんが店を休んでもエエやなんて・・・
以前、一緒に住んでた時も「たまには休めやぁ!」って私が言っても、
店だけは絶対に休む事は有りませんでした(度々行方不明にはなってましたが)。
その頃、ぽんちゃんの脳裏では例の「天使と悪魔」が囁き始めました。
天「結納も交したんやから、悪いことしたらアカン」
悪「かまへんかまへん!据え膳喰わぬは男の恥じやッ!!」
天「いや!強い意志を持ってこの難局を乗り越えるのが男ぞッ!」
悪「なにぬかしとんねん!お前もスキなくせに・・・」
天「そら・・・スキやけど・・・」
悪「自分に嘘は付いたらアカン!ワレ天使やのに嘘付くんけッ!!」
天「そらそうや・・・」
って感じで、頭の中で天使が悪魔に丸め込まれそうになっていました。
さて、どうしたもんでしょうね?このまま帰ったら(伊藤さんに捕まりそうやし)、
ぽんちゃんは随分と悩むのでした。続く。
Posted at 2006/04/16 16:43:14 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年04月06日
2階のゴミをゴミ袋に詰め込んで、再び伊藤さんの待つゴミ置場に向かいました。
ゴミ袋を持って角を曲がった瞬間、私は凍りつきました。
伊藤さんがウチのゴミ袋を開けていたのです。
何分にも覚悟出来ていない(誰も出来ひんて!)状態での、不意打ちですから
私はモットモですが、伊藤さんも顔面の化粧にヒビが入る程、引きつってました。
「あのぉ~何してるんですかぁ?」「あらヤダぽんちゃん」・・・って
(こっちがヤダやッちゅうの!!)「いやね、この辺りはゴミ、ウルサクってね」
「変な物が入ってたら持って行ってくれないのよ・・・」
「私が当番だからゴミが残ると嫌だなぁ~って思ってね、ちょっと調べてたの」
(おいおい!!それってプライバシ-の侵害とちゃうんケ?)
「はぁ~そうなんですか?ご苦労様ですぅ」(まだまだ気がアカン男なんです)
って、ゴミを置いてソソクサと家に帰りました。よくよく考えてみると、
かなり腹が立ってきました。「くそぉ~伊藤のババアめッ!!」
でも・・・一体私のゴミから何を探していたんでしょう?(皆様、考えて下さいね)
まぁ今度見たらちょっと怒ってやりましょう!!程度の決意をしました。
それから行くあての無い「外出先」を考え始めました。
最初はパチンコでもって思ったのですが、以前に一度近所のパチンコ屋で、
伊藤のババアに遭遇しているので、これは却下です。時間はまだ9時前ですから
これから軽く10時間は潰さないといけません・・・これも考えてみると
伊藤のババアのせいです!!かなり腹が立っていました。
その時・・・よくマンガで閃いた時に書かれるアノ「電球の絵」が私の頭に
浮かんできました!!そうやッ!!それしかないやんけッ!!
それやったら10時間でも1日でも潰せるがな!!思い立ったが「吉日」やッ!!
オモムロに電話の所まで走って(そんなに広くないど!!)行き、もう100回は
ダイヤルしているであろう、掛け慣れた番号をプッシュしていました。
1コ-ル・・・2コ-ル・・・3コ-ル・・・10・・・20・・・???
おらへんやんけッ!!・・・良く考えてみます。考えられる可能性を・・・
①まだ帰ってない・・・②まだ寝てる・・・③風呂に入ってる・・・④・⑤・⑥・・・
と、色々と考えてみて1時間後にまた受話器を取りました。
1コ-ル・・・2コ-ル・・・3コ-ル・・・4コ-ル・・・ガシャッ!!
「もしもぉ~し」!!!おったがな!!おったがな!!「あぁ~俺や!!」
「今日、今からヒマけ?」・・・「よっしゃ、ホナ12時に四条河原町でのッ!」
やりました!今日1日の予定が出来てしまいました。
スグに風呂に入り、身支度を整え、ぽんちゃんは「羽」が生えたかのように
飛び出して行きました。伊藤さん有難う!!って叫びながら・・・。続く。
Posted at 2006/04/06 18:28:59 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月28日
無事?に引っ越しも終わり、ホッっと一息と言った所でしょうか。
新しい家、近所の新しい環境。どこにでも居るおせっかいなオバサン・・・
そう・・・ここにもそんなオバサンが生息していました。
私の家の隣の住人・・・「伊藤さん」がその人です。引越しの時から
そのオバサンの存在は気になっていました。「ジロジロ」と私を見ています。
「向こう3軒両隣」って事で、早速洗剤を持って挨拶回りに出掛けました。
「こんにちは、今度向いに越してきましたぽんちゃんと言います」って
感じで・・・嫌な気配がムンムンしていたので「伊藤さん」は最後に
しました。後の4軒はまぁ、当り障り無くって感じでしたね。いよいよ
「伊藤さん」宅に突入する時がやってきました。「伊藤さん」は、ぽんちゃんが
挨拶回りしているのを窓から見ていた(怖いっちゅうねん)らしく、
チャイムを鳴らすやいなや、ドアが開きました。開口一番!!あぁ~
お隣の「ぽんちゃん!!」(何で知ってんねん!!)、まぁ上がって!!
(いや・・・上がりたないねん・・・洗剤やるから!!)って、心の中では
思っていたのですが、若輩ぽんちゃんじゃ「伊藤さん」の迫力には
勝てません・・・居間に通されるとナナなんと「お茶」まで用意されて
いるじゃないですか!!(お前いつから見とったんじゃッ!!)
それから刑事のような「事情聴取」が始まりました。若そうに見えるケド
何歳なの?(関係ないやろッ!!)とか、どんな仕事してるの?(ほっとけやッ!!)
とか、奥さんは何処の人?とか、から始まって「ゴミの出し方」に至るまで、
ついには「伊藤さん」が後家になった理由まで(知らんがな!関係ないやん!)
を、延々1時間位マシンガンの如く喋り狂ってました。またこのババアが
え~歳こいて臭いんだ・・・香水の匂いプンプンさせて、すんごい厚化粧して・・・
(お前は八代 亜紀か?)って感じのババアです(推定年齢は55~8)。
ぽんちゃんですらこの有り様ですから、気の弱いNがこのババアに捕まったら・・・
まぁ半日は解放されへんやろなぁ~って、一緒に暮らす前に早くも不安のタネが
出来たような気持ちです。しかしお隣さんの事ですから邪険にも出来ませんし、
私も伊藤さんから見たら「息子」程度の歳ですんで、仕方有りません。
いまのように「付かず離れず」の距離の措き方をまだ学習していなかったのが、
敗因(何の敗因やねん?)でした。そんなこんなで生活が始まり、ある日・・・
とうとう・・・見てしまったんです。その日私は「代休」だったのですが、
タマタマ火曜日のゴミの日だったので、結構早起きしてゴミを出しに行きました。
自治会で当番制になっているらしく(ゴミ置き場の清掃)、その日は伊藤さんが
当番でした。ぽんちゃんがゴミを出しに行くと伊藤さんが立っていました。
「おはようございます!ご苦労様です。」「あら?今日はお休み?」
「そうなんです。休みです。」「そしたらお昼ご飯食べにいらっしゃいよ!!」
「・・・」「いやぁ・・・ちょと出かける用事が有りますんで・・・」
「じゃ、晩御飯は?」「・・・」「はぁ多分遅くなりますから・・・」実際出かける
用事もヘッタクレも有りません。しかし伊藤のババアはきっと俺が出かけるのを、
どこかの窓から確認するに違い有りません。こうなってしまった以上、
親が死んでも出かけないと収集がつかない状態(どんな状態やねん?)です。
なんであのババアの為に、貴重な休みを潰さんなあかんねん!!
「フゥ~」落胆しまくった溜息が漏れました。そうそう!見てしまったのは
この後で、一旦家に戻ったのですが、2階にもゴミが有ったのを思い出し
(神田川荘じゃゴミ箱は1つだったんで)、再びゴミを持って「戦場」に
戻りました。その時ぽんちゃんは自分の目を疑わざるを得ない、衝撃的な光景を
見てしまったのでした!!あぁ・・・もう・・・引っ越そうかな・・・続く。
Posted at 2006/03/28 17:52:40 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月18日
色々と有りましたが、自分なりに「身辺整理」をして、結納の日を
迎える事になりました。平成3年10月10日。独身貴族を謳歌していた
ぽんちゃんにっては、ある種「鎖」に繋がれた、いや!キバを抜かれた狼と
なってしまいました。両親と共にNちゃんの実家に出向き、
結納飾りを親父が始めました(あれって飾り付けが終わって、目録や何かを
渡し、先方が受け取るまで喋ったらダメなんですかね?)。1時間程度で、
無事に結納を交し、まぁ婚約成立となった訳です。帰りの道中で母親が、
「あんた、これからは気ぃつけなアカンで!!」「結納が収まってから
婚約解消は倍返しやで!!」とか、色々と五月蝿い事をいいました。
(判ってるがな!もう覚悟は出来とんねん!やいやいうるさいんじゃッ!!)
と、心の中で言い返してました。でもすごく変な気持ちで、今更ながら、
「俺・・・結婚するんや?」「結婚ってどんなんやねん?」「妻帯者って??」と
様々な妄想や、言い知れぬ不安に包まれる思いでした。
新居の方も決まりつつ有って、第一章ではあれ程「市内」に拘った私が、
とうとう「都落ち」する方向です。京都市内の2LDKクラスだと、
共益費や駐車場代で約10万円は覚悟しないとダメみたいでした。
とても10万円は無理!!って事で、妥協案として会社まで乗り換え無しで
行ける事。急行停車駅で有る事。駅までは最高でも徒歩10分圏内。
出来れば「一戸建て」。無理なら「築浅のマンション」(ハイツは不可)。
ハイツはやはり「音」の問題が気になりました。「新婚」で「音」と言えば・・・
そう・・・アレしかないでしょう!!
って事で、不動産屋が持って来た物件が、JR京都線「大久保駅」徒歩8分
(ギリギリセ-フやなぁ)、の一戸建て。家賃が78.000円の駐車場込み
(なかなかヤルやんけ!!)。早速現地に案内して貰いました。
築浅とはいかないまでも、キレイにリフォ-ムしてあるし、中々の物です。
1Fが6畳が2間と台所。2Fは6畳が2間です。当面2人で暮らすには
充分過ぎる間取りでした。買い物至便で駅近ですから90%満足しました。
大久保からだとJR竹田駅で市営地下鉄に相互乗り入れしているので、
丸太町の会社までは、乗り換え無しでOKです。通勤時間は約50分。
「神田川荘」から比べると5倍!!遠いですが、この辺りで妥協しないと、
もうそうそう良い物件もないやろうし、第一「荷入れ」にも
間に合わなくなってしまいます。
2人でちょっとダケ話し合い、もうここに決める事にしました。
いよいよ「一国一城」の主となる訳です。
10月の末に契約をし、空家賃を払うのもモッタイナイので私が先に
入居する事になりました。電化製品や家具も「神田川荘」から
運び込み、思い出一杯の「神田川荘」ともお別れです。Mちゃんと出会い、
半同棲生活をした部屋。夜になるとMちゃんやNちゃんの事を考えた部屋。
本当に色々な思い出が詰まった・・・部屋。こんなドラマは次の家では
無いでしょう・・・(有ったら困るがなッ!!)。住み慣れた京都市内を
後にして、1人寂しく(何で寂しいねん!アンタ結婚するんちゃうん?)、
新居に移り住みました・・・(ここからじゃ祇園も遠いなぁ)。・・・未練・・・
結婚式まであと3ヶ月。こころは固まったかに?見えますぅ?皆さん?続く。
Posted at 2006/03/18 11:57:37 | |
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一人神田川 第二章 | 日記