2006年03月12日
「For You・・・」
涙を拭いて あなたの指で
気付いたの はじめて
あの頃の私 今日までの日々を
見ててくれたのは あなた・・・
わがままばかりで ごめんないね
恋人と別れて
あなたの部屋で酔いつぶれてた
そんな夜もあった・・・
思い出せば 苦笑いね
寂しさも悲しみも
あなたのそばで 溶けていった
いつもいつの日も・・・
もしも 逢えずにいたら
歩いてゆけなかったわ
激しくこの愛つかめるなら
離さない 失くさない きっと・・・
あなたが欲しい あなたが欲しい
もっと奪って 心を
あなたが欲しい あなたが欲しい
愛が すべてが欲しい・・・
もしも 傷つけあって
夜明けに泣き疲れても
激しくこの愛見つけた日は
忘れない 失くさない きっと・・・
あなたが欲しい あなたが欲しい
もっと奪って 私を
あなたが欲しい あなたが欲しい
愛が すべてが欲しい・・・
この唄を、どう受け止めれば良いのか、
当時の私には理解出来ませんでした。伝わってくるのは
私を「心から愛している」と、言うことだけでした。
店の中に居る誰もが、この異様な光景を黙って見ていました。
男と女の別れ・・・好きな者同士が別れる・・・
なんて酷い事なんでしょう。誰か1人を愛してしまった瞬間から、
もう、他の誰も愛してはいけないのでしょうか?
結婚をしてしまったら、もう生涯・・・恋愛はしてはいけないのでしょうか?
それは罪な事なのでしょうか?広い世界に男と女が半分づつ居て、
誰がその中の1人を選べるのでしょうか?
もう、Mちゃんを愛する事すらしてはいけないのでしょうか?
それが・・・大人のしての「ケジメ」と言うのでしょうか?
もの凄い憤りを感じつつも、今日、この店にやって来た意味を考え
最後の言葉をMちゃんに送りました。
「俺が初めてした、本当の恋愛やったと思う・・・」
「お前と出会う迄にも、色々な女と出会ってきたケド・・・」
「こんなに人を大切に思えた事は1度もなかった・・・」
「有難う。すごく幸せな3年間やったよ・・・」
「幸せになれよ・・・」ついに言ってしまいました。振り回してバカリの3年間、
色々と有ったケド、よくついて来てくれました。
この時は、「もう恋なんてしない」って心境でしたね!
この時はね!!季節は秋。ぽんちゃん結納の日まであと3日!
男としてのケジメはちゃんと付けられたのかなぁ??続く。
Posted at 2006/03/12 10:27:53 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年03月06日
今度こそって「心」に誓いました。もうMちゃんには逢わないって・・・
これからはNちゃんと共に、新しい未来を歩いて行こうって・・・
かなり「堅い?」決意でした。仕事中もどうやってきりだそうか?・・・とか
いつ言おうか?・・・今夜?・・・明日?・・・かなり悩みました。
心の奥底では1日でも先に延ばしたい!その方がMと長く居られる!・・・
でも、1日も早く別れた方がそれだけMを苦しめずに済むのか???
(もう充分苦しめてるやんけ!)。もう、己の欲望は切り捨てないと・・・
分かっているのに。なかなか実行出来ずにいました。会社からの帰り道、
カ-ラジオから流れてきた1曲が私の心を激しく揺さぶりました。
ただただ止め処なく涙が溢れ、風景が滲んで行くのが良く分かりました。
どうしようもない程センチメンタルな気分に流されて行きます。
かつてこんな気持ちになった事は、無かったように思います。
家に帰り、灯りも点けずにじっと蹲っていました。どれ位時間が経ったのでしょう?
弾き飛ばされるような衝動に駆られ、祇園に向うタクシ-に飛び乗りました。
途中の花屋で少しのバラの花を買い、何かの力に背中を押されるがまま、
Mの待つ店へと向いました。何気ない顔をして店内に入り、いつもの席に座り
Mが水割りを作ってくれるのを待ち、気持ちの中では最後の乾杯です。
いつも通りの内容の薄いバカ話を続け、別れ話を切り出す頃合を計っていました。
そんな時、帰り道で聞いたアノ曲が脳裏をかすめました。
Mちゃん、「・・・」ってカラオケ有る??有ったらかけてくれるか?
Mちゃんは本をパラパラ捲り、手際よく番号を押しました。
やがてイントロが薄暗い店内に流れ始めました。もう胸が詰まりそうです。
「CLOUDY HEART」
作り笑いが歪む 長い月日が終わる
胸にしみるのはイヤネ こりゃ何?
軽いはじまりだけど 割と長くなったし
お体だけはどうぞ大事に・・・
そうネ終わりは あたり前の様にくるものだし
しかたないゼはしゃいでた あの日にサラバ
バカバカしいけど俺 周りの奴に言われ
オマエと居るの悩んでたもの
あんな風でつづくなら きっと皆 そう幸せ
今頃気づいちゃって つらいぜ
気の向くまま 過ごしてた二人だから そう
終わる事感じてた 割りにミジメネ
いつも一緒 何をするにでも 二人だった
あんな日は もう二度と来ない様な気がして
HONEST LOVE 傷つけてばかりだったけど
HONEST LOVE オマエだけを愛してた
CLOUDY HEART 傷つけてばかりだったけど
CLOUDY HEART オマエだけを愛してた
もう涙が溢れて、顔中クシャクシャでした。Mちゃんも泣きじゃくっています。
最後に数本の「バラの花束」を渡し・・・
「いままで、有難う」「すごく楽しかった」・・・って言うのが精一杯でした。
今、これを書いていても涙が滲んできそうで怖いです。
泣きながらMちゃんが、「私も歌う」ってマイクを取りました・・・
そう・・・あの唄です。もう涙腺が壊れてしまったみたいです。続く。
Posted at 2006/03/06 17:21:05 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年02月25日
またしても、夜な夜なの祇園通いが始まりました。この頃はもう・・・
「どうでもいいけんねぇ~なるようになるけんねぇ~」のけんね状態でした。
時期的にも大阪の長期出張が終わり、京都の仕事がメイン。終業時間は結構早く、
一昔前のように、19時頃には「神田川荘」に帰っていました。一人で部屋に
居ても、考えるのは「結納金」や「披露宴」・・・「仲人」、「招待状」・・・と、
考えるのが嫌になります。そこで現実逃避が大好きな私は、夜の街へと
出掛けて行くのです。Mちゃんと居るとホント癒されてイイ気持ちでした。
難しい事考えなくてイイし、只々飲んでイチャイチャしていたら、
気持ちのイイ時が流れていきました(そら癖になるわッ!!)。
そうして数週間が過ぎようとしていた頃、毎度ながらお酒に酔っていた私は、
Mちゃんに聞いてみました。
ぽ「なぁ・・・俺の事どない思てるんや?」
M「ぽんちゃんこそ、ウチの事どう思てんの?ウチ解からへん・・・」
ぽ「どないって・・・好きやで!メッチャ!!」
M「せやかて・・・ぽんちゃん・・・結婚するやんか・・・」
ぽ「結婚はするケド、お前の事は好きなんや!あかんのケ?」
M「あかん事あれへんケド、最後は結局・・・ウチ一人ぼっちやんか・・・」
ぽ「何でやねん!結婚したって飲みに来るやんケ!!」
M「そんなん・・・今までみたいに、泊まったり出来ひんし・・・ウチ・・・」
M「ぽんちゃんの奥さん知ってしもたから、そんな事ようしやん・・・」
ぽ「ほな、俺が結婚したら終わりか?もう、会わへんって事か?」
M「・・・うん・・・そのつもりやよ・・・」
ぽ「エエやんけ!結婚したって関係有らへんがな!(そら有るでッ!!)」
ぽ「結婚しても、俺の女でおったらエエんじゃ!!なんでアカンねん!(そらあかんて!)
M「ウチ・・・奥さんの所に帰る・・・ぽんちゃん見とうないもん・・・」
M「せやけど、ぽんちゃんが結婚するまではウチ・・・ぽんちゃんの女で・・・」
M「いさせてもらっても良い??ウチ・・・ぽんちゃん大好きやし・・・」
ぽ「・・・すまん・・・いらん事聞いてもたなぁ・・・堪忍してや」
M「ええんよ。今はウチだけのぽんちゃんやし・・・ぽんちゃんが結婚したら・・・」
M「ウチも誰かエエ人見つけるし(笑顔)!!(でも憂いが有るんだなぁ~)
ホンマにアホな男です。優柔不断一直線で気のアカンアホな男です。
結構この頃は自分でもミジメな気持ちになっていました。いつまでも踏ん切りが
付かないどないしょうもない男やなぁ~って自分でも解かっていました。
休日になるとNちゃんがやってきます。新居探しや家具を見に行ったり、
結婚式場に足繁く通ったりと、結構忙しくなってきていました。
余り気乗りがしていない私でしたが、本当に楽しそうなNちゃんを見ていると、
またもや己がミジメになって来るのが分かりました。このままではアカン!!
自分に打ち勝たんと、Nちゃんを幸せに出来ひんわ。ちゃんとしょう!!
もう、9月も終わり季節は秋。結納を迎える10月に突入していました。
今度こそ終わりにしやんと・・・今夜が・・・最後の夜やな・・・最後の・・・
(ホンマに最後かいなッ!!あんたにそんな甲斐性が有るの???)って、
違う自分の声が聞こえてくるようでした。でも、多分・・・いやッ!!きっと!!
コレで終わりにしよう・・・Mにサヨナラを言わんと・・・Mに・・・続く。
Posted at 2006/02/25 09:15:06 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年02月18日
Nちゃんのご両親と挨拶をして、翌週には今度は私の両親とNちゃんを
引き合わせる事になりました。場所は今度も大阪で、私達が良く行っていた
ミナミの宗右衛門町に有った(今は無いのですが)、「荒磯料理 ろっこん」を
予約しました(ここの鯛飯が最高!)。その店でNちゃんを両親に紹介し、
近い将来一緒になりたい旨を伝えました。反応はマズマズといったところで、
気分良くまた4人でスナックに呑みにいきました。ここまで準備が整えば
後は両家の顔合わせをして、いよいよ縁談もクライマックスを迎えます。
話はトントン拍子に進み、その僅か10日後には両家が京都にて初顔合わせを
し、翌月には結納をする事になり(オイオイ!そら早過ぎるやろッ!)、
結納の日取りが10月10日と決定しました。序に言うと結婚式も3ヵ月後!
に決まり(間違っても出来ちゃった婚じゃないよ!)1992年(平成4年)
1月19日に決まりました。両親の引き合わせから僅か4ヶ月のスピ-ド結婚
と言う訳です。慌しい事この上なく、Nは直に会社を辞めて実家に戻り
「花嫁修業」とかをしなくてはならないみたいです。私もニワカニ忙しくなり、
いつまでも「神田川荘」に住んでいる訳にもイカズ、新居探しを始めました。
とは言え入社3年目の私には贅沢な場所に住めるハズが有りません。
正味の話、当時の給料が手取りで18万円程。このまま「神田川荘」に
住めば何とか暮らして行けるかな?って程度でした。Nちゃんのご両親の
手前いつまでも「神田川荘」って事も言えず、ハテサテどうしたものか・・・?
ん?・・・まてよ・・・金が無いなら有るようにすればイイじゃん!!
どうするの?決まった事よッ!!賃上げ交渉やッ!!不言実行!男マドロス
(好きやなぁこの言葉)ぽんちゃん、翌日には社長に直談判に乗り込みました。
ぽ「社長!お話が有ります。宜しいでしょうか?」
社「なんや?どないしたんや?」
ぽ「はいッ!実は私、結婚をする事になりまして・・・」
社「おう!そらおめでとう~さん。なにや?仲人の話か?」
ぽ「違いますねん!」
社「ほんなら何や?」
ぽ「給料を手取りの23万円に上げて下さい(キッパリ!男前やなぁ)」
ぽ「ダメでしたら、会社・・・辞めます!!(しかしいきなり5万円の賃上げ)」
社「・・・(約1~2分の沈黙)」
社「よっしゃ分かった!来月から上げたろ!そのかわりキバッてやッ!!」
ぽ「有難う御座います。目一杯キバります!ほんま有難う御座いました」
って、感じで実にスム-ズに賃上げ交渉が成功し、新居探しに拍車が掛かり
ました。何でも言ってみるものですねぇ。
この頃は「結婚準備」に忙しかったものの、Nちゃんは実家に帰っている為、
週末や平日でも夜は、圧倒的に自由です。「独身の神様」は、束の間の自由な
時間を私に与えて下さったのです。翼の生えた小鳥になったぽんちゃんの
行く先は、読者の皆様なら先刻承知の事と思います。
そう!!Mちゃんの所で有ります(いつまでやるんやッ!!)。
結婚と独身最後の悪あがきは、まだまだ続きます!ぽんちゃんとMちゃん!!
どうなって行くのでしょう・・・
Posted at 2006/02/18 15:09:47 | |
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一人神田川 第二章 | 日記
2006年02月10日
「神田川・・・第二幕」そして結婚へ
Mちゃんと別れ、暫くは茫然自失な状態が続きました。本当に好きなのは
どっちだったんだろう・・・って。Mちゃんと別れたのは正しかったんだろうか?
って・・・。今更ながらどちらの女性も素晴らしい女性でした。別れてから
暫くはきっと泣いているであろうMちゃんを思うと、胸が張り裂けそうな思いでした。
泣いている顔や、仕草、無理に作っている笑顔・・・全てが判るような気がしました。
それとは逆にメチャメチャご機嫌なNちゃんも可愛らしく、生涯守ってあげるのは
この娘しかないんだ!!と決意に似た思いが胸の中で増幅されていました。
とは言え2人共にまだ両親の許可が出るも何も、双方1度も会っていないのですから、
そこから始めないといけません。Nちゃんのご両親には大筋で話はして有るらしく、
予定していた9月の「御堂筋パレ-ド」が目前に迫っていました。緊張しまくり
ですが、やはり「キチン」としなければならない問題です。その日の昼間に合わせ、
「ホリデ-in南海」の和食の店もリザ-ブしました。あとはご両親にちゃんと
ご挨拶が出来るかどうかです。弱冠21歳のぽんちゃんには「荷」が重い話
ですが、これをする為にMちゃんとも別れたのですから、やらねばなりません。
当日、初めてお会いしたNのご両親もやはり緊張されているご様子で、無言の状態が
更にぽんちゃんにプレッシャ-を掛けたのは言うまでも有りません。
何の話からか、突然「家の娘の事、どう思っているのか?」と、急に核心を
つかれ、しどろもどろしながら「今、お付き合いをさせて頂いてます。」
「私もまだ若いのですが、今後交際を続けいずれは結婚も考えています」と、
我ながら「キッパリ」と言えた?かも知れません。食事をしながら約2時間程
お話をして、反対されるでもなく賛成されるでもなくって感じで、
最初の顔合わせが終わりました。極度の緊張状態から解放された私は、
そのままNちゃんを送り、フラフラと京都に戻り有ろう事か・・・!!
Mちゃんに会いに行ってしまいました。約1ヶ月振りでしょうか?
何を考えてたのかも判りません。多分 無性に誰かに会いたかったのでしょう。
何もよりによってMでなくてもいいのにね。でも、癒されるって言うのは、
こういう事なのかも知れません。その夜は随分とお酒を飲み、色々と話を
していたみたいですが、余り覚えてはいません。只、Mちゃんは
私に何を言うでもなく、聞くでもなく、黙ってソバに座っていてくれました。
結局家には帰らず、その夜は朝になるまでMちゃんの胸に抱かれて、
眠っていたらしいです。18歳でMと出会い、何もかもをさらけだせたMの傍が
私にとっては一番居心地の良い場所だったのだと思います。
ケジメもケジメですが、別にMとは「別れなくてもいいんじゃないのか?」って
邪念が私の脳裏を霞め始めました。Mは私にとって「都合の良い女」として、
このままの状態を保てないものだろうか?「Mの気持ちはどうなんだろう?」って
思いが、益々募ってきました。危ない兆候です。
長らく連載を休止しておりましたが、時間の許す限りまた書き始めたいと思います。
これから先は若干の脚色が入るかも知れませんが、宜しければまたご愛読
頂ければ幸に思います。・・・作者談
Posted at 2006/02/10 17:42:59 | |
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一人神田川 第二章 | 日記