税金が安いのはありがたいし、スバル360はカワイイ。それでいいんじゃないか?
と言えばそれまでなのだけど、もう少し突っ込んで考えてみます。
旧車好きとしては廃止反対という立場ですが、頭の整理なので、極力ニュートラルな立場で書いてみることとしましょう。
1.小型車の良さ
スバル360はカワイイ。では、普通車登録のフィアット500やパンダは?カワイイですね。
つまり小型車の良さ≒軽自動車の良さ ということ。
現代の肥大化した軽自動車が必ずしも日本の国情に合っていると言いがたいように思います。
近所に昭和40年代の建売住宅が並ぶ街区があって、玄関先にちょっと古い軽とスズキツインがズラリ、という風景が数年前までありました。
(660新規格の軽自動車が置けないサイズで設計されている模様)
2.しかし小型車が小さくない現実
親がK11マーチを買い換える、というときの話。候補車をいろいろ考えたものの、今の小型車はどれも幅が広い。最有力のデミオは全幅1,680mmと100mm近く幅広。5ナンバー枠(1,700mm)ほぼ一杯です。どこがコンパクトなのか。愕然としました。結局、諦めて中古でマーチの最終モデルを買いましたとさ。

そういう意味で、現行のK13マーチはよく出来ていると思います。
逆に言えば、軽自動車しか選択の余地が無い、という事態に追い込まれている、とも考えられます。
3.燃費
今回の話がTPPによるアメリカの外圧の一つ、ということから「軽自動車を廃止したところで、デカくて燃費の悪いアメ車が売れるわけがない」という反発をよく見ます。
アメ車好きとしては、いまだに70年代と変わらない論調がまかり通っているのが残念ですが、それはともかく、燃費の良くない軽ターボが結構売れていたりします。ついに車重が1トンを超す軽自動車が登場しました。軽は重量税額も優遇されていて、それでも1トン以下のロードスターあたりより安いです。なにかがおかしいと思いませんか?
3ナンバー車の自動車税が安くなった途端に2000ターボや2000スーパーチャージャーといった車種が姿を消したことを思うと、高コストなこれら過給機付きのモデルをメーカーが好んで作る理由はスポーツカー以外には、あまりない。
とはいえリッターカーと無過給の軽自動車の燃費を同じ条件で比較したことがないので、この件保留。
4.輸入
もし軽自動車枠が撤廃されたとして、得をするのはどこ…?アメリカでは無いでしょう。そういえば、軽自動車枠の廃止を提唱していた日本のメーカーがあった…。
これ以上書くと根拠のない陰謀論になってしまうので、与太話はさておき。軽自動車が撤廃されると日系メーカーのタイ工場製のクルマが今以上に増えることになりそうです。世界各地からAセグメントカーが日本へ輸入されることになるでしょう。
5.輸出
「輸入」という立場で言えば、海外のクルマで黄ナンバーが付く車種は皆無に近い(スマートKぐらい?)
「輸出」という点では、国内専売車種になってしまう辛さがあります。
2013年度の軽自動車市場は前年比7%減の180万台の見通し。
メーカーでは損益分岐点台数を下げるためにOEMやプラットフォーム共通化を進めています。国内専売車種を細々と作るか、輸出も見込める小型車に移行するか。しかし残念ながら、今の円高で海外に打って出る価格競争力は無いのでしょう。
そういう意味では、5mを超すフルサイズカーばかりだった80年代までのアメリカを笑えない。ガラパゴス路線で生きのびるのも一つの選択でしょう。しかし、日本の自動車メーカーは国が保護しないと生き残れない絶滅危惧種なのか…?だとしたら悲しいことです。
6.税金の問題
税金が安いから軽、という選択。結局そこに尽きるのでは。
4ナンバーの軽と5ナンバーの軽で税額を変える政策(物品税)は、軽ボンバンブームの到来で半ば有名無実化した経緯があるので、それも難しいでしょう。

「たら、れば」の話ですが、軽自動車の廃止で登録車の税金が大幅に下がるなら…?
甘いでしょうか。しかし、このような条件付きとなると撤廃にNO!と言えない自分がいます。
しかし、日本の軽廃止とアメリカのトラックの輸入関税廃止をトレードオフしても、今や全く割に合わないという悲しさ。ハイラックスもダットラも、日本にはもうありませんから(涙)
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2013/03/01 22:43:57