
このところ80年代末から90年代にかけてのバニング雑誌を読み返しています。ベース車で言えば50ハイエースとE23キャラバンの全盛期で、エアロパーツの過激さを競うようになる前夜のことです。
10年ほど前は中途半端に古く『トホホ…』と感じたクルマが、今見ると妙に魅力的だったりします。流行や価値観なんて不思議なものです。これだから古雑誌が捨てられない…。

シビリアン純正色のままバスコンバージョン。マイクロバスマニアにはタマリマセン。当時の感覚だと、内装をフルモケットのキャンピングカーにしてポト窓をつけた所で力尽きた仕様。あるいは、外装はお客様のお好みにカスタムします、ということかもしれません。でもハイルーフなんだよな~。日産車体の特装車なのでしょうか?謎です。
思えばバニング、トラッキン、ローライダーに商用車マニア。みんな仲良くアメリカを向いていて、ある意味幸せな時代でした。

230グロリアのバニング。なんとこれ、ベースはメーカー純正のハイルーフ救急車と思われます。
ボディ色にコーディネートしたBAJAが似合いそう。

まだ新車だったE24用のフルキット。素直に縦目ハイエースを選べば…なんて言っちゃダメです。ノーズの延長とカラーリングの効果で、ダッジバンへの化けっぷりはかなりのもの。アンダーシート型エンジンを採用する国産ワンボックス車の宿命とも言えそうな運転席とスライドドアの窓ガラスの下辺の不揃いも、ベイウインドーと塗装の効果で気になりません。EARO?AERO?この完成度の前には些細な事ですね。
縦目やスカイライトルーフ、その後の薄いヘッドライトへのスワップなどのバニングの流行を追うと、トヨタのワンボックス、とくにライトエースあたりはこの手のカスタムをうまく取り入れているな、と思います。残念ながら、後に各メーカーで流行った“アメリカンビレットカスタム”はNGですけれど。
掲載された写真のなかでも気になるのは、ルーチェの縦目でモディファイされたクルマたちです。
アメリカっぽさを演出しつつ、手軽に入手できるパーツとして人気だったようです。

ステップバンはライトベゼルが省略されていたり、ちょうど良さげなところでパネルが分割されていたり、カスタム欲をくすぐる顔なので、気持ちはよくわかります。

こちらはワゴンRの登場を予感させるものがありますね。
そして、アクティにもルーチェの縦目。

もしもTNアクティが先代TN-7の縦目のイメージを継承したら…?という妄想を叶えるマニアックな一台。ファントムグリルを外して縦目のまま純正風に戻した姿を想像してみて下さい。
「とりあえず縦目にしてみた」という雰囲気が残るクルマも多い中、このクルマには明確なコンセプトが見えます。

ジープワゴンのテールライトで前後とも灯火を縦に統一。
FORD Fトラックの弟分に相応しい感じです。ベース車や流用パーツの元ネタの判りにくさが見事で、まるで元からこうだった…ような納まり。

近鉄モータースのリンカーンなどでおなじみ、バンパー上の改善ウインカーが泣かせます。正解は2代目プロシード。
実は北米のフォードブランド向けに
クーリエというクルマがありますが、グレードダウン感のある2灯への変更には、あまり食指が動きません。実際に北米仕様があるにも関わらず、仮想北米仕様を設定して、それが正規ディーラー車として輸入されていたら…ということでしょうか。オーナーさんにじっくり話を聞いてみたいところ。
そして、トリを飾るのはコレ。

セルシオ顔のハイエースに匹敵する顔面スワップ。う~ん、スゴイ!!
もしもこれらのクルマに昔乗ってた、見た事がある、あるいは今も持ってる(!)という方がおられましたら、ぜひ当時のお話をお聞かせ下さい。お願いします。
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デザイン | 日記
Posted at
2013/05/13 00:06:01