
昔のネタをお蔵だし。
バスガイドさんのどや顔がカワイイ昭和43年の「はとバス」パンフレットと、ちょっと関係あります。
私のクルマを実際に見た方はお気づきかと思いますが、買って早々にハンドルを交換しました。
元はコレなんですが

この頃のマツダ車の内装は欧州車を意識したのかファミリア(323)、カペラ(626)からルーチェ(929L)までどれも似たような感じなんですね。よく見ると細かい部分で差を付けているのですが、高級車のデザインをたくみにスケールダウンしたベンツ190Eあたりを思うと、マツダは大衆車のデザインありきのようで、どうも安っぽく見えるきらいがあります。
そこで、スペシャリティなコスモAPのウッドステアリングを選択。
どうやらルーチェレガートのオプション扱いでもあったようで、整備書やパーツリストにも「Aタイプ」という名前でその姿が見られました。パーツリストによるとAタイプには38パイと40パイがあったようです。
入手したものはコスモAP用の38パイ。元が40パイなので少し小さいです。
中古品はよく触れるスポーク部分が皮脂で錆びたものが多いです。耐水ペーパーで塗装と錆びを落として修正。

リムは木製に見えて、実のところプラスチックなのでダメージは特になし。角目の117クーペやマークIIなど昭和50年ごろのクルマにはよくある素材です。洗剤とスポンジで洗って完成。木製だったならニスの塗り直しなど色々大変だったと思います。
マスキングしてつや消し黒に再塗装。使用感がなくなってサッパリしました。
そして…スポーク部分にセメダインのメタリックカラーテープ「ラピー」を貼って、いにしえのバンジョーステアリング風にしてみました。再塗装部分は隠れてしまいますが。施工してから4年ほど経ちますが、今も剥がれず耐久性は高いです。
ついでに、ベージュ内装に真っ黒なホーンパッドの組み合わせがコアラの鼻のようで違和感があったので、元のものに交換。サイズは同じでした。というかこの黒いホーンパッド、ポーターキャブ550も同じです。それどころかステアリングコラムのコンビネーションスイッチも共通。高級車と軽トラに同じ部品を見つけて萌え~。いや、萎え~。
さて、ここで冒頭のバスガイドさんの写真に戻ってみましょう。

おそらくふそうのバスじゃないかな、と思いますが、よく似てますね。
このデザイン、実は1930年代に大流行したアール・デコ様式の流れを汲むものなんです。
こちらは1936年式のスチュードベーカーの美しいダッシュボード。

from
flickr.com
MGやワーゲンなど戦後にもその流行は続き、ひいては日本のトラック・バスにまで及びました。スポークが弦に見えることから「バンジョーステアリング」と呼ばれます。
こちらは
東武博物館の1951年式日産180キャブオーバーバスのバンジョーステアリング。
独立グリルを備えたルーチェレガートのデザインテーマは、古きよきクラシックッカーの雰囲気を現代(70年代当時)に再現、というモダンクラシックだと思うんですね。独特のピラードハードトップも、1941年式キャデラックのBピラーがアイデアとなっています。(マツダやトヨタの思惑は不明。元ネタの1971年式キャデラックがピラードHTで登場した時にはそう説明されていました)
そんなわけで、バンジョーステアリングはピッタリだと思っています。反射光が運転手の視界を幻惑する、ということでダッシュボードからメッキパーツが排除された時代のクルマですが、ここはあえて先祖帰りさせてみました。

プラスチックの嘘木目ではありますが、運転のたびに細かな凸凹を手のひらに暖く感じ、なかなか良いものです。
Posted at 2013/11/17 00:09:52 | |
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