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2013年10月27日 イイね!

磨けば光る原石よ

磨けば光る原石よあー、ゴシゴシしたーい。とヘンな衝動に襲われることはありませんか?私はあります。

そんなわけで、今日は風呂場のタイルなんぞを磨いていたのですが

『違う!』

ということで、その衝動をぶつけるブツとして、使うアテのないホイールを磨いてました。

スペアタイヤ用に…と格安で1本だけ手に入れたものの、お蔵入りにしていたコスモAP純正アルミホイール。これはルーチェレガートのオプション品でもありました。

ホイールナットが特殊なのでスペア向きではなかった…と知ったのは入手後のこと。

このデザインは国産旧車の純正アルミの中でも美しいものの一つ、だと思います。


リムだけ磨いて光らせてみる。うっとり。

あっ、と気づいたら作業中のBGMに掛けていたCDが2周。1時間半ほど磨きに没頭していました。

知ってますか?ピカピカ光るものはカラスも好きなんです。
つまり、哺乳類以前からDNAに刻まれた、これは本能(笑)

ここまでくると綺麗にレストアしてルーチェに履かせたくなってきました。あと3本探してみましょうか。

さて、このデザインはどこから来たのかな~、とルーツが知りたくなるわけです。
ドイツのロナールにも似ていますが、私はイタリアのクロモドラっぽさを感じています。


Dino246GT純正(from wikipedia)

これはCromodora CD1というホイールで、このデザインを総称してクロモドラBタイプとも呼ばれているようです。(歴代フェラーリで定番の星型がAタイプ。これは日本だけの呼び方かも?)6本スポークですが、デザインの要素がよく似ているように思います。

このホイールには同じデザインで13インチ、PCD110-4穴、オフセット+15(らしい)のマツダ向けもあって、これはCD71という型番。以前訪問したイベントでSAサバンナが履いていました。カッコイイ!


5本スポークも発見。1969年のBMW2500の純正ホイールでペトリーニ(pedrini)製とのこと。

スポーティさと高級感を兼ね備えたいいデザインだと思います。

国産では日産フェアレディZ432純正のマグホイール(神戸製鋼製)がよく似ています。


剥離剤による塗装状況の確認

シルバーの下からガンメタリックが出てきました。再塗装されてた?

次は何色に塗るかいろいろ考えるのも楽しいです。
金?銀?ガンメタ?あるいは黒…?

世界各国の古いアルミのデザインを見て、格好よさのエッセンスを吸収しているところです。
Posted at 2013/10/27 23:11:58 | コメント(3) | トラックバック(0) | パーツ | クルマ
2013年10月17日 イイね!

赤い国から来たスパイ

赤い国から来たスパイ今日は一つ、ソ連のロータリーエンジン車の話でもいたしましょう。

まずはこちらの動画をご覧下さい。

クルマはLADA2110。おなじみのロータリーサウンドが響いています。


そして、LADA21018のエンジンルーム。

オーストラリアによくあるような13Bスワップかと思いきや、これらのクルマはソ連で作られたロータリー搭載の乗用車なのでした。

ソ連のロータリー搭載車にはいくつかありますが、たとえばこんなクルマです。

見たことがあるような、ないようなエンジン。


比較用にルーチェレガートのエンジンルームを載せておきましょう。あまり綺麗ではありませんが。

デスビの位置が全然違うほか、クラシカルな機械式リンケージによるチョークなどが付いています。また電動ファンなのは冷えすぎが心配な寒い国ならではの装備なのかもしれません。

カラーリングでピンと来た方も多いのでは?

コレですコレ。元ネタはFIAT124。ま、こちらは色々変えてあるようです。

Googleさんに聞いてみました。ボンネットの“ГАИ” は交通警察という意味とのこと。パトカー専用車ですね。

"Wankel-powered VAZ-2106s (VAZ- 411 engine with two-rotors) and Ladas, mostly to security services"とある。security servicesって警備会社じゃないですよ。

気になるスペックは2ローター1308ccで115~130馬力。オリジナルのLADA2101のエンジン(OHV4気筒1,197cc・65馬力)の倍近い出力を誇っていました。

詳しいバリエーションについては以下のサイトをご覧ください。
ソビエト宇宙征服「ソ連 ロータリーエンジン乗用車」
AUTOVAZ (Lada) rotary powered cars from Russia/USSR
LADA EVOLUTION Wankel motoros Lada
ユーノスコスモより先に実現した3ローターエンジン車、しかもKGB専用、など興味深いクルマが色々あります。ここで個別に紹介するとキリがないので、詳しくは上記サイトをご覧下さい。

これらの存在を知って以来、私の興味の対象は西ドイツのワンケル社で開発され日本のマツダで実用化されたロータリーエンジンがいかにして『鉄のカーテン』を越えてソ連で生産されたか、という点でした。もちろん、ワンケル社から正式にライセンスを購入したわけではありません。

ソ連の崩壊まで、西側諸国には「対共産圏輸出統制委員会」という制度があり、軍事に転用できる技術の輸出は厳しく制限されていました。これをココム規制と言います。日本から工作機械が輸出されたおかげでソ連の潜水艦のスクリューの加工精度が上がり、米軍のソナーに掛からなくなった「東芝機械ココム違反事件」も記憶に新しいところです。

自動車のエンジンがこの規制に該当するかどうかは調べがつきませんでしたが、東西冷戦下において正規ルートでの技術導入は難しかったはずです。

そんなことで、ソ連のロータリーエンジンについてアンテナを張っていたところ、一冊の本にこんな記述が見つかりました。

軋んだ車体―ドキュメント・東洋工業 (1978年)梶原 一明

P170 昭和51年春、東洋工業のロータリー・エンジンにソ連陸軍が目をつけるのである。(略)高速で移動できる戦車があれば、きわめて大きな戦力になる。それに振動が少なければ照準がつけやすい。

P172 東洋工業を訪れた五人のソ連のスタッフは、モルザホフ中央技術局次長をはじめ、トリアッチ・ボルガ自動車工場の技術次長、工業所有権輸出入公団の副総裁といった専門家で、三日間の研修を東洋工業で受けるのだが(略)

ソ連のロータリーエンジン購入の申し出に対して、当時の松田公平社長が直々にソ連側の技術者を工場見学に案内するなど、篤くもてなしています。輸出ビジネスになる、という思惑から日本の自動車メーカーには秘密にしていたような実験施設なんかも見せてしまった可能性がありますね。

当時のソ連は日本に対し核爆弾を搭載できる戦略爆撃機Tu-95“ベア”による偵察・示威行動を行っていました。これは毎週のように行われ、米軍からは通称“東京急行”と呼ばれています。また、昭和51年9月にはミグ25が函館空港へ強行着陸する“ベレンコ中尉亡命事件”もあり、東西間の緊張が高まっていた時期です。

おそらくソ連側は「マツダは俺たちを見くびっているのか、あるいは単なるお人よしか、どちらだろうか?」と戦々恐々としながら来日したのではないでしょうか。

対してアメリカの反応はハッキリしていました。『ニューズウィーク』誌 1976年2月2日号では次のように報じています。「マツダのロータリー・エンジンは、石油ショック以来、アメリカで急速に魅力を失いつつある。しかし、マツダはそのかわりに共産主義者たちに大もてである」

結果として東洋工業がソ連にロータリーエンジンを販売する“商談”は消え去りましたが、ソ連側は技術とノウハウをバッチリ吸収して、昭和53年にはLADAのロータリー車が登場した、と言うわけです。

そもそもエンジンの購入は期待せず、技術を盗みに来たんじゃないか…と思います。
むろん真相は闇の中でしょう。
Posted at 2013/10/17 21:26:44 | コメント(1) | トラックバック(0) | 海外 | クルマ
2013年10月13日 イイね!

めくるめく“優良部品”の世界

めくるめく“優良部品”の世界一般に「旧車は純正部品の供給が止まったらおしまい」なんて言いますが、私の師匠は

「純正部品が終わってからが旧車」と言います。

その心は……大枚はたいてショップ経由で部品を買ったり、クルマ1台分の部品をストックすることではありません。もちろんそれも大事なことですが、その前にやるべきことがあるのです。

それが“優良部品”。

ラビットスクーターのパーツは執拗なまでに富士重工のまるフのマークやウサギのマークが入っていますが、ユーザーに純正部品を使ってもらおう、優良部品ではなく、という狙いがあります。それだけ、当時はアフターマーケットパーツが多かったということなんですね。

ウサギは長らくウチで寝てます

古くからの愛好家の中にはこの手のパーツを「まがいものの社外品」として蛇蝎のごとく嫌う方もおられますが、うまく付き合っていくのが旧車に長く乗るコツだと思います。

では、“優良部品”とは何か。日本自動車部品協会では次のように定義しています。


自動車メーカーが自社のブランドと流通ルートで供給する補修用部品を「純正部品」というのに対し、自動車部品メーカーが純正部品と同等以上の品質と性能を保証して提供する交換補修用部品を、優良部品といいます。



しかし、優良部品をインチキなものと決め付けるのは早計です。たとえば戦前のトヨタA型のエンジンは1933年式シボレーをスケッチした直6OHV、日産トラック80型のエンジンはグラハム=ペイジのライセンスによる直6サイドバルブ。これらを国産化したわけで、戦前に興った日本の自動車部品工業は、すなわちアメリカ製パーツの互換品の生産から始まったといえます。

グラハム=ペイジのライセンスで生産された1951年式ニッサンN180キャブオーバーバスのA型エンジン、直6サイドバルブ3,670cc85馬力

当時の逸話として、車屋四六氏の書いた名著『進駐軍時代と車たち』にこんな話がありました。昭和30年代、氏が手に入れたボロボロの1941年式シボレーでガール・ハントに勤しんでいた頃。田舎の凸凹道を走ったショックでバッテリーが外れデスビに直撃、部品割れてエンコしたものの、近くの部品屋で手に入れた「日産トラックの部品」で無事復旧。当時の日産トラックのエンジンは戦前のシボレーをコピーしたもので互換性があり、地方で外車の部品は手に入らないが、日産の部品なら全国どこでも入手することができたのである、というお話。

優良部品は昭和22年に商工省令第19号にて公布施行された「自動車優良部品認定制度」で明文化された古い制度です。戦後の窮乏期の外貨不足、物資不足の中で、なんとかしてまともな部品を供給するために、国の認定制度が取られました。

当時の国産車といえばトラックとダットサン、それ以外の大多数のクルマは外車でした。(空襲を逃れた横浜製フォードや大阪製シボレー含む)戦時中の輸入途絶、そして戦後の窮乏状態の中で海外から部品を輸入するわけにもいかず、何とか国内で部品を生産する必要があったわけです。

この「自動車優良部品認定制度」の背景には、米軍の軍用車を日本国内修理する再生工場があったようです。「フジキャビン」の富士自動車(後の日産自動車追浜工場)や、トヨタ自動車挙母工場、モノコックバス「ふじ号」を生んだ富士産業(後の富士重工伊勢崎工場)など多くの工場がその舞台となりました。

昭和33年、富士自動車が生産した国産初の水平対向6気筒エンジン、7,700cc213馬力。ただし自動車用ではなく、セスナL-19 バードドッグに搭載された航空機用(交通科学博物館にて展示)

米軍車両の補修部品は当初アメリカから輸入していたようです。しかし朝鮮動乱の勃発などの影響により、在日米軍は日本国内での部品調達を目論むこととなりました。そして、米軍の自動車部品の仕様書を元にパーツの国内生産が進められています。

これらの部品のいわば保障として“優良部品”という制度が働いていた、という側面もあるはずです。

これは昭和20年代の話ですから、その後のヒルマンやオースチンのライセンス生産以前の話。そして、三菱ジープはこの時代の申し子というわけです。


さて。“優良部品”って使えるよ、という話をするはずが、ずいぶん深くなってきました。あんまり書くと日本自動車部品工業史を書き起こすようなことになりかねないので、手短に。


自動車の国産化、と言っても単に製造ラインを整備しただけはクルマは完成しません。自動車メーカーは沢山の部品メーカーから調達したパーツを組み立ててクルマを作っています。

部品メーカが完成車メーカーにパーツを卸し、それがサプライチェーンに乗って供給されると“純正部品”。全く同じ部品でも、部品メーカーが自前の商品として販売すると“優良部品”の扱いになります。

この線引き、たとえば「用品店で買った小糸のシールドビーム」「工具商で取り寄せたNSKのベアリング」「デンソー品番で取り寄せたオルタネータのブラシ」…どの線から“優良部品”の扱いになるのか?と言うと良くわからないところでもあります。これらはあまりそう呼ばない気がします。

また“優良部品”を中心に製造している部品メーカーもあります。よく知られたブランドではPIAA。ワイパーブレードを純正パーツとして取り寄せる人は滅多に居ないとおもいます。旧社名エバエースと言い、かつては純正互換の補修用フェンダーミラーのメーカーとして知られていました。

とある事情で純正品のワイパーを買いましたが、値段が高くてビックリしました。

旧車乗りの中でよく知られたSeikenのブレーキ部品も“優良部品”になります。しかしこれら優良部品は、原則として自動車ディーラーでの整備で使われることはありません。

最近ではトヨタが用品販売に乗り出し、この壁を崩そうという動きもあります。系列のタクティーがDJ(ドライブジョイ)ブランドでオイルフィルターやブレーキ関係の消耗品を販売しており、用品店JMS(ジェームス)とディーラーで同じ部品を扱っています。しかし、大多数の優良部品は自動車メーカーが品質を保証する純正部品ではありませんから、メーカーからの部品供給が終わればディーラーではお手上げ。

たとえどこかのメーカーがそのパーツを製造していたとしても、そしてそれが純正部品を製造している部品メーカーであったとしても、自動車メーカーの供給網に乗らなければ端末に「セイサクフノウブヒン」と出てきて一巻の終わり…部品が出なくて車検が通らないので廃車にするしかありません…つきましては当ディーラーで次の新車のお見積もりを、というわけです。

では、優良部品を使ってクルマを修理できるのはどこか?というと、町のモータースさんなんですね。ディーラーで直らなくても旧車ショップなら直る、という背景には、単にそういう事情があったりもします。“優良部品”の話題は、なぜか旧車雑誌で見かけない話ですが、場合によっては旧車ショップでなくとも普通の整備工場で十分に対応できる場合も多いのです。


(つづく)
Posted at 2013/10/13 23:01:03 | コメント(2) | トラックバック(0) | パーツ | クルマ
2013年10月09日 イイね!

三発殴って円盤を止めろ!ソリッドステートは永遠に

3回にわたって引っぱったフルトラ取り付けシリーズも今回がラスト。

第1話ひびけぼくらに電子のちから
第2話はじけ火花!燃やせ!!炎のイグニッションスパーク!

コンタクトブレーカの上にシグナルジェネレータ(SG)を取り付けたら、デストリビュータのシャフトにチョッパーと呼ばれる円盤を取り付け、その上に元のローターを取り付けます。


このローターの勘合がかなり固く、デスビキャップが閉まらない!
仕方がないのでアテ板を当てて3mmのクリアランスが出るまでプラハンでコンコンコン…と、殴る!!
シャフトが曲がったり、ギヤに悪影響が出たらやだなぁ、と思う小心者なのでした。

実車での取り付け状態を横から見たところ。

なんということでしょう。匠の技によって具だくさんなデストリビュータの完成です。
(匠=永井電子の設計の人)

アンプはエーモンステーとタイラップでなんとな~く仮固定。


あとは配線をパチパチと繋いで、フルトラでエンジン始動!

短時間のクランキングでエンジンが掛かり、感動の一瞬です。

喜ぶのは程々にして、続きの作業に入ります。
(1)ポイント点火と両立できるよう、緊急用ソケットを結線

コンデンサへ接続するギボシ端子が曲者で、配線の長さに余裕がない上に一つは緑青を吹いて完全に固着。

結局切れてしまい、新たに端子を付け直しました。圧着ペンチでくわえる余地もなく、ロータリーハウジングを金床がわりにマイナスドライバーでカシメるという暴挙…。

一瞬で終わるような端子のカシメに、エンジンの吊り金具を外したり何やら、結局1時間ぐらい掛かってしまいました。デスビを抜いてしまえばいいのですが、点火時期をずらしたくなかったので手間取りました。

しかるのち緊急用ソケットに繋ぎ換えてエンジン始動。あぁ、いつもの感じ…。

(2)フルトラアンプの固定
今回一番悩んだのがアンプの固定場所でした。できればエンジンルームに穴をあけたくない。空中に浮いたような状態の仮付けは精神衛生上も宜しくないので、t1.0のアルミ板からステーを作り、きちんと取り付けます。振動で回路のハンダ割れが起きないよう、ゴムワッシャを入れて簡易なフローティングマウントとしましたが、効果の程は…?


アルミ地のままでは目立つので黒く塗ろうと思いました。

【インプレ的なもの】
(1)低回転・高負荷時の回転の安定
これまで交差点での右折などアクセルを抜いてハンドルを切ると、エンジンの力がパワステに食われてエンスト…という現象が起こっていました。ポイント接点のメンテナンスを怠っている時の症状ですね。お恥ずかしい限りですが、これがなくなりました。

(2)エンジン回転の均質化
始動時にややバラつき感のあったエンジンもスムースに回り、高級車らしい静粛性とロータリー車らしいメリハリのない連続なした排気音になりました。火花が強くなっているのが実感できます。

(3)始動性向上
2週間ほど乗らないとエンジンの掛かりが悪く不安になる事がありましたが、交換後はセル一発。
これもポイントの調整が悪い時の症状ですが…。ポイントヤスリの出番も減ることでしょう。

プラグの焼け具合の変化は、もう少し走ってから確認しようと思います。

今回のフルトラ化は『 ロータリー旧車ミーティング 2013 in 淡路 』に向けて作業でした。
しかし、イベント当日は台風来襲でボンネットを開けることすらままならない状態に…。
Posted at 2013/10/09 22:26:15 | コメント(1) | トラックバック(0) | パーツ | 日記
2013年10月08日 イイね!

はじけ火花!燃やせ!!炎のイグニッションスパーク!

チェーンジ、イグニッション!!
スパーク!ソリッドステートサーキット!

「ソリッドステートサーキットとは、バッテリの電流を磁力パワーで断続し、電子回路の力でコイルを働かせることで2万ボルトに増幅、燃焼室に爆発を生み出す新世代の点火方式である」

ということで引き続き特撮ノリで始まりましたこのシリーズですが、さて。

今回使った「ウルトラのフルトラ8000R」No.8320は、ポイントの上に二階建てでシグナルジェネレータを取り付ける構造になっています。


デスビ内にポイントが残りますが、普段はここには通電しません。つまり、セミトランジスタ方式ではありません。

シグナルジェネレータの取り付け。

狭いデスビの中にコンタクトブレーカーからの既存配線に加えてフルトラ用の配線を収めます。さらに、T側(写真では右側)の部品が時計回りに動くため、配線が動作を妨げないよう手で動かして取り回しを確認します。

これは「進角」言い、エンジンの回転数や負荷に応じて点火時期を早くしたり遅くしたりする機能です。

ルーチェの場合

1.アイドリング回転数ではピストンの最大圧縮点から点火時期をわざと遅らせてあります。

・混合気が薄い状態で点火することでガソリンの燃え残り=炭化水素(HC)を減らす。
・エンジンの燃焼温度を下げることで窒素酸化物(NOx)を減らす。
・代わりに排気ガスの温度が高くなり、エキマニやサーマルリアクタ内で燃え残った炭化水素(HC)を燃やし切る。

2.エンジン回転数が高くなると、遠心力でスプリングが伸ばされ、コンタクトポイントを点火時期を進める方向へ動かす。(ガバナ進角)

・回転数が上がっても燃焼スピードは一定なので、早めに点火して圧縮比が落ちないようにする。

3.エンジンの負荷が高いとき=インマニで発生した負圧がダイヤフラムを動かすことで、点火時期を進める方向へ動かす。(バキューム進角)

・点火時期がピストンの最大圧縮点に近づき、混合気が濃くなる=馬力が出る。

二種類の進角方式を併用している理由
(1)エンジン回転数が高くてアクセル開度が小さい  =高速巡航時=ガバナ進角の出番
(2)エンジンの回転数が低くてアクセル開度が大きい=急加速や登坂時=バキューム進角の出番
片方だけではアクセルの動きにパワーが付いてこない、ということになります。

この辺り、今回勉強しながら書いていますが改めて凄い機構ですね。もし間違っていたら直しますのでこっそり教えてください。

ちなみに今のクルマでは、この辺りの制御をすべてセンサと車載コンピュータで行っています。フルトラから少し話がそれてしまいましたね。

全体の配線はこうなります。

元のコンタクトブレーカーは緊急用として残し、フルトラアンプのパンクなどのトラブル時にコネクタを差し替えると、即座にポイント点火式に戻すことができます。

これは便利!と思う反面、当時はフルトラ方式の信頼性があまり高くなかったのでは…?という心配も少し。

(つづく)
Posted at 2013/10/08 23:43:18 | コメント(2) | トラックバック(0) | 日記

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