2012年03月05日
ナイトライダーの製作総指揮者である,グレン・A・ラーソンは脚本を書くにあたって,車の選定を行うわけですが,実は彼の中でトランザム以外の選択肢は無かったそうです。ポンティアックが好きで,デザインも極めてスッキリとしていたその車は,彼の思い描く未来の車にピッタリでした。
当時,まだ発表されたばかりで市場に出回っていなかったトランザムを使用するために,彼はGMの代理店(ビスタ・グループ)に話を持ち込んだそうです。すると彼らはすぐにその話しに乗ってきて,実際,最初の数台は生産ラインに乗っているものを降ろして,番組に寄付をしたほどだったようです。
また,最初の数台を納品した直後に,32台のトランザムがディーラーに列車で運ばれる途中,脱線事故を起こしてしまったのですが(車自体は軽い凹みや,かすり傷程度)そういった個体は万が一トラブルがあってはいけないとの事で,新車としての販売も,公道での走行も許可されないという法律がありました。そこでGMは「スクラップにするのには,あまりにももったいないので番組に寄付します」と申し出たそうです。ただし,使い終わった後は確実にスクラップにする事,決して通常の公道撮影用には使用しないようにという条件付きでしたが。
ラーソンは,その32台のうち半分をナイトライダーに使用し,残りは別の番組のスタントカーとして使ったようです。
そうして,車が決まるとラーソンはすぐにマイケル・シェッフェという人物にカスタマイズの依頼をします。シェッフェはマテル社というところで玩具製作を専門に行っていましたが,外装から内装まで,実際に我々がテレビで見ることになるナイト2000の基本デザインは,なんとラーソンが依頼してからたったの一週間で作ったという逸話が残っているほど才能とアイデアを持ち合わせた人物でした。
こうして,着々と撮影に向けての準備が進められていくのでした。。
Posted at 2012/03/05 23:21:09 | |
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KNIGHT RIDER | クルマ