オバケが出るか出ないかは、あなたの度胸しだい(嘘)ここは関東地方北部県境にある深夜のトンネル・・・・・さて、ココはどこでしょう?というクイズにするつもりは毛頭ございませんので、御安心くださいませ (X_x☆\周囲の山も全く見えない闇夜、時間的にも通りすがる車両は1台もなかった。しばし、路肩にクルマを寄せあたりの気配をうかがっていた。すると・・・遠くの方から、いやトンネルの奥のほうから、何かの唸りが聞こえてきた。どうやら対向車のようだ。トンネルに入ったゴォ~~~~~という音響とともに、やがてHID特有の青白いヘッドライトが、こちらを照射する。 しだいに近づく走行音、そして、こちらをチラリとうかがうこともなく、かなりのスピードで通過した。赤いテールランプが闇の中に消え、眼下山間のヘアピンにそれらしき光がうごめきながら遠ざかった。再び深い闇と峠の静寂・・・第一話、終わり(暴)別話スタート(殴)会津西街道から桧枝岐を通り、尾瀬北方の玄関口でもある御池へ向かって、深夜クルマを走らせていた。 時期は尾瀬のミズバショウが盛りの梅雨入りだが土日の混雑を避けるため平日深夜未明の登山口到着を狙ってのアプローチである。スノーシェッドのある坂道を潜って桧枝岐入口の『よくきらった』と書かれた歓迎の看板がヘッドライトに反射して、しばし民宿街を通り抜ける。 ここまでは、東北道インターからもかなり長い道のりだが、 ようやく尾瀬の福島県ルートに入ってきたことを実感する。 深夜とはいえ、村灯りが煌々と灯る集落を抜けると、あたりは再び真っ暗闇の道路が続く。登山口の御池まで距離にして、あと10km以上はあろうか。雨上がりの深夜である。七曲りとよばれるヘアピンが連続するブナ林帯には、うっすらと霧がかかり、さすがにフォグランプを点けたが白いベールは深まるばかりだ。幸い対向車もなく幾つかのヘアピンの坂を登っていたそのとき!・・・道路の中央に何かが立ちふさがっている!それも、かなりデカイぞ。一瞬『何だ、このバケモノは!』と思ったが、よく見ると、それは野生のカモシカであった。夜霧の中に見る不気味さも手伝って、それは異様なほど大きく見えた。いや、実際に大型だった。パッシングしても動じない。まるで、この森の主のような貫禄だ。しばし睨めっこしていたが、やがて悠然と霧の中へ消えていった。完(汗)