
山岳地帯の道路で濃霧に遭遇して、方向音痴に近い感覚
を経験すれば、すこしは御理解して頂けるのではないかと
妄想するも、文章で表現するのは、むずかしい^^;
視界良好で見晴らしのいい上天気の春山なら、残雪地形
の罠に騙されることは滅多に起こらない。横着して地形図
を見なくとも、森林限界上の稜線上では、およその現在地
は見当がつくものです。 しかし・・・ (以下「~である」調)
(↑春山の尾根を下る 越後山脈にて)
問題なのは、悪天候による視界不良、しかも、途中のピークを越えて下っているときである。
登山者の方向感覚をダマす残雪地形のワナ・・・
ここで登場するキーワードは
「視界不良」「尾根下り」「雪堤地形(雪庇の名残り)」
この三拍子が揃ったとき、豪雪の山岳地帯特有の積雪地形に騙されてしまうことがある。
豪雪山脈の南側や東側は、季節風と地形によって吹雪の吹き溜まりになりやすく
多量の雪が積もる傾向がある尾根の風下側には、大きな
「雪庇」が張り出すことが多い。
この雪庇が崩れることで春さきの残雪に覆われた山脈の尾根は
片側が壁のように崩れた独特の地形を呈するが、これが
「雪堤」地形である。
山脈の尾根が、綺麗に東西方向、もしくは南北方向に走っている場合を考えると
この
雪堤地形の尾根を辿ってゆけば、多少視界が悪い状況であっても
ほぼ縦走(山脈上の山から山へと伝う)ルートを外すことはない。
ところが、実際の山岳では尾根の方向も一様ではなく、山脈の尾根を縦走する登山者を思いがけぬ方向へと導いてしまうことがある。多くの場合、山脈が走る方向と、雪堤地形が連続する方向が一致しているのだが、実は、ここにルートを間違ってしまうワナが仕掛けられているのだった。
(後編につづく)
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Posted at
2010/04/30 14:51:54