
バス…普通免許で滑走路を走行
鉄道…廃線など利用
出発前点検も大型バスや列車など
普段は運転できない乗り物を実際
に動かしてみるツアーや観光施設
が登場している。
公道や営業路線ではない場所を使うことで、特別な免許などがなくても
体験できる仕組みだ。長年のあこがれだったバスや電車の運転が実現
できたと喜ぶファンも多いようだ。
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読売旅行は先月30日、バスファンの情報誌「バスラマ」(ぽると出版)
の協力を得て、日帰りの「観光バス運転体験ツアー」(昼食付き1万500円)
を山梨県内で実施した。使用車両は日野自動車の大型バス(全長12メートル)。
全国から57人が参加した。
甲府市内に集合した参加者は、現役のバス運転手からクラッチ操作などの講習を
受けた後、山梨県甲斐市の日本航空学園に移動。同学園には840メートルの
滑走路があり、参加者は運転手のアドバイスを受けながら15分間で2往復した。
滑走路は公道ではないため大型免許は要らず、普通免許(AT限定を除く)が
あれば運転できるというわけだ。参加者からは「子どもの頃の夢がかなった」
「ギア操作が大変で、運転手の大変さがわかった」などの感想が寄せられた。
企画した読売旅行の大石展滋さんは「個性的な内容のツアーを企画し、新しい需要
を掘り起こしたい」と言う。同社では第2弾として8月30日、「大型トレーラー
運転体験ツアー」(昼食付き1万5000円)を開催する。
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列車を運転する夢をかなえてくれるのが、北海道陸別町の「ふるさと銀河線りくべつ鉄道」。
廃止された「ふるさと銀河線」の駅舎と線路500メートルを利用し、2008年に出来た
観光鉄道だ。鉄道事業に当たらないため、免許は要らず、18歳以上なら参加可能。
「気動車運転体験Lコース」では、元運転士からマンツーマンで80分間、ディーゼル車を
運転したり、出発前の点検などを体験したりできる。
火曜と水曜を除く平日と第1、3土曜・日曜日に実施。予約制で、料金は2万円。
中学生以上が対象の15分コースもある。
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茨城県常総市の関東鉄道常総線の車両基地では月1回、ディーゼル車体験イベントが
開かれている。運転士が同乗し、基地内の線路150メートルでディーゼル車を運転できる。
中学生以上が対象で、1人昼食付き5000円。
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群馬県安中市の「碓氷峠鉄道文化むら」では廃止された旧信越線の線路を使い、電気機関車の
運転を体験できる。対象者は、毎月第1・3土曜日に実施する学科実技講習(3万円)の合格者。
休園日を除く毎日、30分単位(3000~5000円)で運転できる。
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交通ジャーナリストの鈴木文彦さんは「大型2種免許を取得するのは可能だが、個人がバスを
所有したり運転するのは難しい。鉄道は事業者に就職しない限り事実上、不可能だ。体験型の
観光が注目される中、自分の手で列車やバスを運転したいと願うファンの気持ちをとらえた、
ユニークな試みだ」と話している。
(2009年6月17日 読売新聞)
Posted at 2009/06/19 23:26:32 | |
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