
只見川水源の豊かな水流。ミズバショウ咲く高層湿原。初夏残雪の至仏山を遠景にして 広々とした空を感じる
尾瀬ヶ原は保水力の高い豊穣の森が周囲にあってこそ途絶えることのない悠久の水流として流れ続けるものなのです。
標高が高い場所にあるから
「高層湿原」だと誤解されている方も多いと思いますが「高層」とは湿原特性(層構造の厚み高さ気候栄養特性など)に由来する用語でありますね。
尾瀬は自然保護の原点とも言われ、 かつてダム計画の底に消えゆく危機を乗り越えた歴史があり
ラムサール条約にも登録されている
尾瀬の貴重な自然は、後世へ伝えたい自然遺産の一つです。
水田稲作文化の遺伝子を受け継ぐ我々日本人の血でしょうか、こういう水っぽい
湿原風景はとても日本的だと感じます。
湿原保護のための長大な木道設置など、積極的に自然保護活動に取り組むTEPCO東京電力にも賞賛したいほど、大変な労力を費やしているのも凄いことです。
しかし、木道周辺では湿原内の水の流れが阻害される環境負荷が起きるジレンマもあるらしい。さりとて、木道撤去と尾瀬入山全面禁止などの究極の策は現実的ではないでしょうし、どの程度の規制が妥当なのか専門家でも頭が痛いところかも(汗)
日本の代表的な山岳観光地というと、富士山 立山 白馬八方 上高地 尾瀬などなど・・・いろいろとありますね。 尾瀬も水芭蕉シーズンとあらば木道渋滞なんてものあるくらいですから・・・ シーズン特定期間に人間が集中することで自然治癒力をはるかに上回る環境負荷問題、自然保護と観光地としての存在理由、 これこそ相反するジレンマでしょうか(汗) 短期間に人が集中する負荷というと日本が誇る名峰富士もなかなか
世界遺産になれない理由、そんなところにあるとも言われていますが、難しい課題ですね・・・
Posted at 2010/06/15 13:51:25 | |
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