
梅雨が明けた地域、まだの地域、日照不足や雨量の多い
地域、豪雨災害や竜巻被害などがあった地域、いろいろ
の7月でしたが、この先、どんな夏休みになるのか心配
ですね。南の海から膨大なエネルギーをひめて日本列島
を進路として狙い撃ちする台風のシーズンも、そろそろ。
先月7月の不安定な天気は
異常気象だったのか?という
疑問では「イエス」といえる要因は、あったようですね。
フィリピン沖の熱帯収束帯の上昇雲の発生度合と、対流に伴う下降気流が太平洋上の中緯度
に気圧の高圧部を作る。それが小笠原気団(
太平洋高気圧)を作り出す原動力になっていると
いわれていますね。(もともとは、太陽からの熱エネルギーが根源ですが)
今年はその勢力が弱くて、日本の暑い夏を支配して南海に居座る
太平洋高気圧の張り出しが
イマイチのため、 高気圧の西のフチを廻りこむ海洋性の
暖湿流が、東シナ海や太平洋側から
日本列島に入り込みやすい状態が続いたこと、 そして、大陸側の気団とが拮抗する境目には
梅雨前線ができ易い状態だったこと、中国東北部上層には
気圧の谷が居座り、そのため上空
に
寒気が南下しやすい状態だったこと、それによって寒暖気団がぶつかる
梅雨前線周辺では
積乱雲が局地的に発達し、雲の連続した通り道にあたる地域では
大雨災害になったり、
竜巻
などの気象災害も発生、また、北日本や日本海側では
日照不足が続いたことなどがあげられ
『何かいつもと違う』と感じてしまう7月でした。
変則的な
エルニーニョ現象(一部温度の高い海域もあり)も関係しているとの指摘もあります。
さらに、
梅雨前線と
ジェット気流は深い関係があるといわれ、今年は平年より南方に偏移蛇行
したことも、不安定な気圧配置が長続きした7月の異常気象の元凶の一つだった、との分析も
されているようです。
気候の変動に大きな影響を与えるという
太陽活動にも、ちょっとした異変(?)が起きているらしい。
太陽表面の
黒点の活動期と弱活動期(黒点が多いと活動が活発)は、通常
11年周期の規則的
な変動が繰り返されてきており、今年は弱活動期を終え活動期に入るはずのステージにあたる。
にもかかわらず、黒点の活動が弱い状態(太陽活動が弱い状態)がまだ続いているそうです。
この11年周期とは別に、過去の太陽を調べてみると「
マウンダー極小期」という黒点活動が非常
に弱い時期があったとされ、1645~1715年頃の英国では、テムズ川が全面的に氷るほどの、プチ
氷河期的な気候変動が起きていたらしいことが記録されています。
この「
マウンダー極小期」のような気候変動をもたらす次の大周期がやってくる可能性もゼロでは
ないのですが、これとは別に、もうすこし短い周期の
黒点極小期が過去に存在しており、ひょっと
したら太陽活動の弱さが続く今が、その周期に当たっているのではないか? という研究者もいる
そうで、今後の太陽観測が注目されるところです。
人間活動による地球温暖化とか、地球規模宇宙規模での諸説色々の研究が進む気候変動ですが
専門家によっては、上記のようなプチ極小期状態が続けば、いずれ気候変動によって作物の不足
による高騰や食料不足など、世界的な経済活動にも影響する可能性もあるとのこと。 経済紛争や
や自国の防衛のために戦争に突入するなどというのは悪夢のシナリオ。まさかねぇ。(大汗)
先日の
皆既日食では、 まさに地球が宇宙の一員であることを 誰しも実感できる天体ショーでした。
いずれにせよ太陽活動で見たマクロ的宇宙視点での気候変動、 大気や海洋規模で見た地球視点
での気象分析、 極東や日本列島周辺で見る気象現象、 それらは複雑に絡み合って関係している
のでしょうねぇ。専門家でさえ、予測は一筋縄ではいかないのだから、ワタシらのような一般人から
すれば、三面記事的に傍観するほかありませんが・・・(^^;)
しかし、ウンチクぶろぐは疲れますねぇ。(倒)
Posted at 2009/08/04 12:29:44 | |
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気象歳時記 | 日記