先だって、964ターボ3.3で、中速域から強めのブレーキングした時、カウンターを当てるほどでも無い程度ですが、タイヤがよれる様な感じで、お尻を右左に振りました。930ターボ時代でも、何回か、急制動したときに、お尻をフリフリすることがありました。
理由を考えてみました。以前、首都高で、930カレラの助手席に乗せてもらったことがありました。9号線下りの、S字カーブの手前にクルマがいたので、ドライバーが強めのブレーキを踏んだのですが、直進していたにも関わらず、お尻が大きく飛び出し、カウンターをあてるも、左回りのスピンとなり、左側のガードレールに右後輪をヒットして止まりました。
930カレラは、そのドライバーの父上が、新車で買って、大事に保管していたものを、譲り受けたものでした。事故暦はなく、ただ古いだけです。この経験から、どうやら、911は、リアショックがへたっていると、ダイブした時に、後ろの荷重が抜け、スピンし易くなるのではと思いました。
自分の930ターボも、リアショックを新品に変えてからは、ピタリと、お尻をフリフリするのを止めてくれました。
なぜ、ポルシェが直進でもスピンし易いのか。もちろん、リアが重い、ホイールベース/トレッド比率が悪い(ターボ)、リアがトーアウトに変化する(930や964)というのも要因でしょうが、前に比べて後ろのトレッド幅が大きいのも、理由のひとつであるように思います。図で説明致します。

図1 911がブレーキングした時のイメージ

図2 後ろのトレッドが狭いクルマがブレーキングしたイメージ
トレッドの幅の違いを、極端に誇張した図です。図1は、911のイメージです。図2は、実際にはこんなクルマは無いでしょうが、後輪のトレッドが極端に狭いイメージです。上の図が三角形、中の図が、逆三角形とシンプルに捉えれば、上のほうが、ブレーキングした時に、ちょっとしたきっかけで、尻を振り出すのが分かると思います。
比較として、MR2(SW20)の初期型の例を出します。なぜ、いきなりトヨタMR2なのかというと、自分が乗ったクルマで、911に似たクルマが、これしか無かったからです(笑)。MR2の初期型は、非常に危険なクルマで、コーナー立ち上がりでアクセルを踏むと、ズルズルとお尻を振り出し、コーナー手前のタックインやブレーキングで、ズドンとお尻が出るクルマでした。

図3 MR2がブレーキングしたイメージ
そんなMR2に何年か乗っていましたが、そのMR2でさえ、直進のブレーキングでお尻が振れた事は一度もありません。MR2は後ろのほうがトレッドが狭いのです。
911ターボのリアの幅広さと、太いリアタイヤ、一見、頼もしく見えますが、後ろのトレッドが広いというのは、あまり良いというわけではなさそうです。
実際、930ターボから964ターボになった時点で、横幅は、大きくなっていますが、フロントのトレッドは広くなり、逆に後ろのトレッドが狭くなって、前後のトレッドのアンバランスは多少、改善しています。
930ターボ 全幅: 1775mm Fトレッド: 1432mm Rトレッド: 1501mm
964ターボ 全幅: 1780mm Fトレッド: 1434mm Rトレッド: 1493mm
よくポルシェのブレーキは素晴らしいと言いますが、それはきちんとバランスの取れた整備がされているのが前提なんですね…。
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ポルシェ | 日記
Posted at
2012/06/10 16:28:53