以前乗っていた930ターボと、今乗っている964ターボ3.3を、上まで回してみて思ったのは、964ターボは、トルクがフラットな感じで乗りやすいという事でした。でも、盛り上がりに欠けると感じる人もいるかもしれません。
そこで、930ターボ、964ターボのエンジン性能曲線を比較してみました。
まず、3リッター、260馬力の、インタークーラーなしの初期の930ターボです。写真の中の右下のグラフになりますが、トルク、パワーとも、1000回転から指数関数的に立ち上がっているのが分かります。これが、4速ギアとあいまって、930ターボの息の長い加速感の気持ちよさに繋がっていたのでしょうね。

次は、インタークーラーが付いて、300馬力になった3.3リッターの930ターボの、エンジン性能曲線ですが、基本的に初期型と同じような曲線を描いています。

ところが、930と同じエンジンを使っている964ターボ3.3ですが、ここでエンジン性能曲線は大分変わります。下の写真の右上がそれですが、トルクが台形になっています。2000回転から、2500回転にかけて、ターボらしく急激にトルクが上がっていますが、自分の場合、エンジンへの負担を考えて、3000回転過ぎくらいからフルスロットルにしますので、この部分の恩恵はあまり感じられません。でも930と比べて発進が容易になったのは確かです。3000回転からは、パワーは普通の1次関数的な上がり方をしています。しかも5000回転近くで伸びが鈍くなっています。これが、964ターボ3.3の大人しく感じられるパワーの出方の理由かもしれません。

自分は乗ったことはないのですが、964ターボ3.6(上の写真の右下)になると、再び、指数関数的な盛り上がり方をしていますね。特に4000回転あたりで、トルクがグイッと上がる部分があります。下のほうも、2000回転ちょっとで、十分なトルクが出ていますね。これが、3.6は街乗りしやすく、それでいて、凄みのある加速感を得られるという理由なのかもしれません。
ちなみに、930ターボから、964ターボ3.3になってエンジン周りで変わったのは、以下の3つだそうです。
(1)ブーストを0.8から、0.7にダウン
(2)インタークーラーの容量アップ
(3)ターボチャージャーの変更(コントロールユニットによるきめ細かい制御?)
以上のように見てきて、964ターボ3.3は、あまり良くないのかというと、そんな事はないと思います。930ターボと比べて確かに速くなっているし、踏めないところが踏めるようになっているように感じます。特に高速で乗ると、それを強く感じます。スペックにある、20馬力以上の差を感じます。それでいて、安定感があり、乗り心地が良く、ノイズも少ない。エアコンも効く。
ポルシェは964になってから、誰でも扱いやすく安心して運転できるポルシェターボを作ろうとしたのかもしれません。それでも確実に速くなっているのは、さすがポルシェですね!
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ポルシェ | 日記
Posted at
2012/08/23 14:58:05