
「コヘレトの言葉」とはソロモンが書いたものとされる書です。ソロモンは紀元前10世紀にイスラエルを統治した王で、その知恵は東西に知れ渡り、彼の統治下でイスラエルは大いに繁栄しました。どれだけ繁栄したかというと、周辺国からの献上金や貢物が絶えず、金(ゴールド)がありふれていたため、銀にはまったく価値が無かったそうです。
ありとあらゆる快楽をむさぼり、考え付くあらゆる事業を行ったソロモン王ですが、「コヘレトの言葉」の中で、彼はあれも空しい、これも空しいと書いています。それで何とも現世的な人生の過ごし方を勧めています。
人間が才知を尽くして労苦するのは、仲間に対して競争心を燃やしているからだということも分かった。これもまた空しく、風を追うようなことだ。(4:4)
知恵が深まれば悩みも深まり知識が増せば痛みも増す。(1:18)
善人すぎるな、賢すぎるな どうして滅びてよかろう。(7:16)
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確かに考え過ぎると精神を病んでしまいます。また、完璧な善人であろうとすると、あら不思議、もっともたちの悪い「偽善者」になってしまいます。
食事をするのは笑うため。酒は人生を楽しむため。(10:19)
人間にとって最も良いのは、飲み食いし自分の労苦によって魂を満足させること。(2:24)
太陽の下、与えられた空しい人生の日々愛する妻と供に楽しく生きるがよい。それが太陽の下で労苦するあなたへの人生と労苦の報いなのだ。(9:9)
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単純に言ってしまうと、「食べて、飲んで、仕事して、寝る」という事でしょうか。
ちなみに、人気がありましたが気まぐれで、仕事をあまりしなかった指揮者、カルロス・クライバーも、「私は庭の野菜のように太陽を浴びて成長し、食べて、飲み、眠りたいだけ」と書いていました。
ただし、ソロモン王はこうも書いています。
千人に一人という男はいたが千人に一人として、良い女は見いださなかった。(7:28)
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ソロモンには、700人の王妃と、300人の側室がいたと書いてありますので、実体験に基づく言葉なんでしょう。(^^;) それにしてもソロモンには一体何百人の子供がいたんでしょうか…。
ちなみに、現在、もっとも多い子孫が確認されている有名人は、チンギス・ハンだそうですね。彼のY染色体を受け継いだ男性は少なくとも世界で1600万人に及ぶそうです。存命中は、数百人から数千人の子どもをもうけた可能性があるとのことです。殺した数も凄まじいですが、作った子供の数もすさまじいですね。(^^;
最後に、上に書いたカルロス・クライバーの指揮する、歌劇「こうもり」の序曲を紹介しておきます。最初のほうだけでも分かると思いますが、何とも楽しそうに、ダンスでもするような優雅な指揮ぶりです。彼流の人生の楽しみ方が表れているような指揮と音楽です。(^^)
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Posted at
2013/04/17 16:54:35