
先週、Def Techのレゲトンの話で思い出し、久々に河内屋菊水丸の傑作「HAPPY」を聴いています。このアルバム、91年に出たもので、当時絶頂だった「ワールドポップブーム」とFromAのテレビCM「カーカキンキンカーキンキン」の流行で大ヒットとなったものです。
菊水丸は、吉本興業の芸人で、河内音頭で「新聞読み(しんもんよみ)」というジャンルを開拓し、当時湾岸戦争中に猪木がイラクまで行ったネタなどを河内音頭にして語ったりしていました。
このアルバムは、「カーキン」以外にも数々の傑作CMを作っているプロデューサー、ジェイムズ下地がプロデュースしたもので、何と言ってもサンセッツの久保田麻琴、JAGATARAのOTO、近田春夫、さらにはディックリーなどなどの大物が参加して、河内音頭のチープな味わいと重厚なワールドサウンドとが絶妙なバランスを産み、本当に傑作アルバムになっています。
1.カーキン音頭~フリーター一代男「青春上京編」
2.本当かい?
3.花(あの喜納昌吉&チャンプルーズの名曲です)
4.ハッピーマン
5.カーキン音頭~フリーター一代男「中年望郷編」
6.HAPPY
7.祐天吉松 飛鳥山の巻
菊水丸も実にいい唄を聞かせており、どの曲も聴き応えがあるのですが、特にジェイムズ下地の1、ラガマフィンスタイルのジャマイカンラップを汲みこんだ久保田麻琴の2、相変わらず壮麗なコーラスを重ねるディックリーの3、近田&OTOのファンキーな4、そして再びジェイムズ下地とインドネシアの一流プロデューサー、アリボヴォが作ったゴスペル調の6あたりは見事です。6は本当に「HAPPY」とは何かをしみじみ歌っています。
なにしろ音頭ですから調子がよい。音頭に乗せて菊水丸の地口が続きます。2のカイカイ尽くし、6の松尽くしなどは何度聴いていてもホレボレします。ゴスペル風のコーラスと打ち込みリズムの上で延々続く松尽くしのごく一部を引用すると、こんな感じ。
♪松尾芭蕉は松島や、遠州森は石松か、九州小倉の無法松、松下さんはお金持ち、松本清張鯉の口、松本伊予は17歳、松本竜介仕事待つ、松尾和子は酔っ払い、小松政夫はシラケドリ、小松方正顔怖い、小松みどりは男待つ、松田聖子は正輝待つ、松山千春は田舎もん、松山慶子はドサ回り、松山容子はボンカレー、松坂慶子は顔白い、松崎しげるは顔黒い、、、
ついでにカイカイ尽くしもちょっと。
♪寂しくないかい待てるかい、求めているかい心かい、過ぎて一回思い出かい、心配ないかい戻すかい、気持ちはいいかいイケルかい、優しくなるかいなれるかい、約束するかいずっとかい、子供じゃないかい大人かい、歩いて行くかいいずこへかい、奇跡はあるかい起こるかい、ぼくでいいかい本気かい、、、
もう15年も前のアルバムですが、「カーキン」の一時の流行だけで忘れられているのが残念なくらいの良いアルバムです。今のライム好きの若者たちにも聴かせてあげたいですね。
オマケ。河内弁解説、おもろいです。
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2006/01/29 22:49:08