2012年08月18日
安住財務相の発言からスワップ協定の延長破棄が叫ばれていますが、意外と国際的には旗色の悪い論点になるようです。
微妙なニュアンスの違いを説明してみましょう。
・スワップ協定を理解しきれていない民主党
スワップ協定とは?
通貨防衛のための、多国間(二国間)による外貨準備金の持ち合い制度の事で、大事な論点があります。
その論点とは『スワップ協定は金融の安定が目的であり、一時的な外貨準備金の融通は、直接援助にはあたらない。』
ここですね、公的な見解からスワップ協定は、長期的に韓国の通貨を日本政府が支えるという構図にはなりえません。
スワップ協定は援助には該当せず、国際金融システムの維持を目的としています。
ですから国際的にご法度である二国間の直接援助には該当しません。
領土問題への対抗措置で、国際金融を犠牲にして良いのかという事になります。
この大事な論点を民主党は理解できていません。
仮に対抗措置を出すなら、他を持ち出すべきというのが私の意見です。
まあ端から対抗措置なんかに期待していませんけれど(笑)
・仮に韓国発のアジア金融危機が起こった場合に、日本政府はどうするのか?
韓国経済というのは住宅バブルが今まさに崩壊中で、放っておいても金融危機の発生しかねない状態です。
中国とEUが経済を建て直しきれない状態の中で、当の韓国ではなく、『何故か国際金融システムへの攻撃を示唆している日本政府』ですが、仮に韓国発の金融危機が起きて国際的に波及した時にどう責任を取るのでしょうか。
これは、『国家による金融テロ』に当たるのではないでしょうか。
スワップ協定の定義から考えれば、他国からはそう映って当然ですよねという話です。
与党なんですから、スワップ協定の概容くらいは理解して欲しい物です。
韓国でバブルが崩壊するにあたって、スワップ協定が直接援助に当たらないような調整は、これからもちろん必要になりますが、
『竹島上陸の対抗措置で、国際金融システムへの攻撃を示唆してはならない』
『特に今は時期が悪い』
この二点は非常に大事な論点になります。
この件では、民主党は外交をするにも、少し馬鹿過ぎるなと感じています。
・スワップ協定の延長破棄で実際に韓国経済は困るか?
スワップ協定の目的は、外貨準備金の多国間による都合です。
この協定により出来た外貨準備金の余裕を財政にファイナンスしたり、得られる信用をファイナンスして悪用する事は確かに理論上は可能ですが、今の公的な見解としては通貨危機以外での影響はありません。
竹島の対抗措置としては不適格ですよね。
では、まとめましょう。
民主党は日韓通貨スワップの延長破棄を竹島上陸への対抗措置として考えているが、
これは、国際的なスワップ協定の定義からして、日本政府による国際金融システムへの攻撃の示唆に当たる可能性が大きい。
そのリスクの割に、韓国経済への影響は、不明確である。
国際的に金融が安定していない今は時期が非常に悪い。
一連のスワップ協定破棄の主な問題はこの3点ですね。
故中川さんの口癖、今、日本が危ないを思い出させる、瀬戸際というか、まあここまでいくと本当にキチガイのレベルと個人的には感じます、キチガイ外交ですが、まとめてみると政治アピールにしても本当に凄い事をするなあと、思った次第です。
国民も、元が危うい政府のする事なんですから、韓国憎しよりも批評の視点を広げないといけませんね。
難儀な話です。

Posted at 2012/08/18 12:40:27 | |
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