2012年08月23日
スワップ協定の内容ですね、内訳3つの内にIMFを通さない物があったので、ここで訂正とお詫びを申し上げます。
Wiki
『日韓通貨スワップ協定
日本銀行と韓国銀行(中央銀行)が結んでいる円と韓国通貨ウォンを相互に融通し合う通貨スワップ協定。2005年締結。
2008年12月、リーマン・ショックにより韓国で外貨流動性問題(韓国通貨危機)が浮上したため、引出限度額を30億ドル相当から200億ドル相当に増額。
2010年4月末、為替市場が安定化したとして増額措置を終了、30億ドルとする。
2010年6月、日韓通貨スワップ協定の期限を3年延長し、期限を2013年7月までとする。
2011年10月、欧州金融市場の不安定化の中、引出限度額を30億ドル相当から300億ドル相当に増額。2012年10月末までの時限措置。』
円/ウォンのスワップ協定ですね、現300億ドル相当
何故円なのかはちょっと解りません。
問題のIMF関与なしのスワップ協定は最後の内訳です。
『チェンマイ・イニシアティブの下での財務省(外為特会)と韓国銀行間の通貨スワップ100億ドル。 2001年7月4日、上限20億ドルのドル・ウォン間の一方向スワップ取極(日本から韓国へドルを供与)を締結。』
説明したASEAN中心のスワップ協定ネットワークへの取り組みの一部です。
100億ドル。
『2011年10月、財務省(外為特会)と韓国銀行間で新たに締結されたドル・自国通貨の通貨スワップ、限度額300億ドル、2012年10月末までの時限措置。 ドル・自国通貨となっているが、実質ドル・ウォンの通貨スワップ。』
これが問題のIMF軽油でないスワップ協定ですね、わざわざ保険を外す必要のない協定です、勘違いしていました。
お詫び申し上げます。
ドル/自国通貨の300億ドル。
内訳3つの計700億ドル、内300億ドル+80億ドル(400億ドルの20%)にIMFが関与していません。
韓国経済は、現状貿易赤字が膨らんでおり、民間の債務額も危機的な水準にあります。
このスワップ協定を組んだ経緯は解りませんが、特にリスキーな内訳があるようです。

Posted at 2012/08/23 23:14:54 | |
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2012年08月23日
ブロック経済について概容をやりましょう。
例によってWikiから引用
・ブロック経済1930ー
『ブロック経済(ブロックけいざい、bloc economy)とは、自国と友好国を「ブロック」として、関税障壁を張り巡らし、他のブロックへ需要が漏れ出さないようにした状態の経済体制。』
需要の漏れだしと書いていますが、世界恐慌下での需要の捉え方に、非常に興味が出るかと思います。
当時主流の新古典主義では従来からのセイの法則→供給=需要
このベースからマーシャルが需給曲線という需給の乖離してるところまでを認めていました。
当時アメリカの取った政策からすると、
貨幣中立説に従って、金融恐慌によって大量に発生した不良債権は、需給に影響を与えないと仮定し
供給の飽和によってデフレ(物価の低下)が発生、不況が拡大してるとの診断ですね。
その診断結果こそが、アメリカの大恐慌拡大の引き金だったのですが。
※不況の世界への伝播についてはWikiでいいので世界恐慌を確認の事
現実には、発生した不良債権に相対して市場に流れ込むマネーサプライが低下、企業に影響が波及した上に、投資分野でフローがなくなり、投資のファイナンス部分と失った需要部分にさらに不良債権が発生、これを不良債権スパイラルと呼んでみましょうか。
※単純に乗数効果でよろしい
これが末端では国際的な賃金と価格競争に発展しました。(デフレ不況)
金融恐慌で食い止めなければならないのは、マネーサプライの低下と、この不良債権発生のスパイラルです。
リーマンショックでのFRBでの対応でも解りますよね、市場はサブプライムローンの関連商品で大量のフローを失い、それが不良債権になりました。
FRBはその失ったフローと不良債権の部分に、直接マネーを供給したのです。
フローが回復してないので、アメリカは未だ不況状態ですがマネーサプライの低下と不良債権のスパイラルを食い止めました。
(先々のインフレを考慮するとフローが動き始めたら、マネーをどこかで抜く事になるでしょう)
一方、世界恐慌当時のアメリカは、不良債権を無視し、飽和してると仮定した供給を削り始めます。
その結果は、世界恐慌の5年後に出ました、5人に1人の失業です。
供給を削る事によってさらに発生する賃金競争に目を向けなかったのです。
・金融恐慌の小咄といえば、昭和金融恐慌1927
Wikiから
『日本経済は第一次世界大戦時の好況(大戦景気)から一転して不況となり、さらに関東大震災の処理のための震災手形が膨大な不良債権と化していた。一方で、中小の銀行は折からの不況を受けて経営状態が悪化し、社会全般に金融不安が生じていた。3月14日の衆議院予算委員会の中での片岡直温蔵相の「失言」をきっかけとして金融不安が表面化し、中小銀行を中心として取り付け騒ぎが発生した。一旦は収束するものの4月に鈴木商店が倒産し、その煽りを受けた台湾銀行が休業に追い込まれたことから金融不安が再燃した。これに対して高橋是清蔵相は片面印刷の200円券を臨時に増刷して現金の供給に手を尽くし、銀行もこれを店頭に積み上げるなどして不安の解消に努め、金融不安は収まった。
昭和金融恐慌は、後年起きた昭和農業恐慌(1929年の世界恐慌の影響を受けて主に農業に経済的打撃を受けた)と合わせて昭和恐慌と言われることもある。』
これも無理矢理マネーサプライを増やして、危機を回避していますよという話ですね。
対応はリーマンショックと同じです。
日本の高橋是清さんは、この当時ケインズの主張した有効需要を越える知識でしか出来ない数々の政策をしています。
・新古典ベースの需要に目を向け始めた各国→ブロック経済へ
世界恐慌の当時の経済学者は焦ったでしょう、何故だから解らないが需給がバランスしないんですから(笑)
※貨幣中立説前提のせいなんですが
この結果、なんだか解らないが需要が他国に逃げ出しているという結論に達しました。
※一方で通貨安競争による賃金競争をしていますから、なにをしてたんだって話。
金融恐慌の伝播自体は金本位制による他国のマネーストックの低下でしたが、この需要の低下部分は、価格競争を介した賃金競争でした。
もう一回Wikiから
『一般に、自由貿易の下では、自国の内需が拡大する場合、輸入も拡大する。しかし、関税障壁を高くすると、輸入を通じて外国へ漏れる需要が減少し、国内生産を保護・増大させる効果がある。ただ、輸入の減少は、他国にとっては輸出の減少となり国民所得を減少させる。国際分業がおこなわれている状況で、特定国がこの政策を採用すればそれ以前の国際分業体制が崩れるため、世界経済全体が非効率になる可能性があり望ましい状態ではない。』
この国民所得自体が賃金競争によって低下し続けたのです。
ブロック経済を説明するマクロ数式モデルもWikiから
『マクロ数式モデル
国民所得:Y=C+I+G+(EX-IM)
総消費:C=0.8Y
総投資:I=10
財政投資:G=20
総輸出:EX=10
総輸入:IM=0.3Y
の場合、Y=80でIM=24となるが、関税障壁を高めて、輸入を阻害し、その場合でも輸出などその他が変化しないと仮定して
総輸入:IM=0.2Y
とした場合、Y=100でIM=20となり、国民所得は増大・輸入は減少する。』
これがブロック経済の説明ですが、輸出も当然減少しました。
ブロック経済では全世界のの貿易額3分の1以下になっています。
では、賃金競争でもある通貨安競争が害悪であったか?
これもWikiから
『なお、このようなブロック経済圏とともに同時期の通貨安競争が景気の後退要因になったと語られることが多いが、ブロック経済と通貨安競争では経済への影響が大きく異なる。ブロック経済は国際分業の解体を通じて経済に大きな悪影響を与えた。一方で通貨安競争については、全ての国において通貨切り下げのために拡張的金融政策がとられた場合、外需拡大の効果は相殺されあう事となったものの、世界中の国においてマネーサプライが増加することになることから、その結果として各国で内需の拡大がもたらされたという面があり、近隣窮乏化的な需要の奪い合いという文脈からのみ評価することには問題がある。アイケングリーンとサックスによれば
[1]
、1930年代に発生した通貨安競争は世界の貿易や経済を縮小させた原因ではなく、むしろその世界的な拡張的金融政策が世界恐慌からの離脱の契機になったと分析している。』
世界同時の通貨安競争は、賃金競争にはならずに実質的にはインフレだけを引き起こしました、インフレによって不良債権が目減りし、マネーサプライが増加したとありますね。
通貨安競争の放棄による、近年の日本の製造業の凋落からしても、非常に興味深い分析になるかと思います。
金融恐慌に対する論点は、マネーサプライと不良債権のスパイラルです。
ここまでがブロック経済の基礎知識となります
では、今なにが問題なのか、応用してみましょう。
・ひとつの問題として、日本のマネーサプライは問題のある状態にはない
このマネーサプライに問題がないとする提起に通じる論理は、賃金競争、スタグフレーションの波及効果(不況の輸出)しかありません。
ブロック経済は土台が世界同時の金融恐慌からの賃金競争になっていますが、
日本の不況で参考にすべきは
WW1の後にあったドイツ賠償によるデフレの波及不況と書きましたね。
※ドイツ国内はスタグフレーションでした
要はWTOのような第3者の世界貿易機関が、スタグフレーションの波及を防がなければならないという結論になるんですが
うーん、長くて集中が続かないので、ドイツの恐慌からの立ち直りなどですね、次の記事に分けます。
クルーグマンが本を出しましたね、今回の記事の予想通りになるか楽しみです。

Posted at 2012/08/23 20:34:28 | |
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