2012年11月13日
さて第三回目、円高特集です。
三回目は金利平価説から、円キャリートレードの仕組みまでやりましょう。
・金利平価説
wikiから
『金利平価
仮にドルと円があり、ドルの名目金利が1年5%、円の名目金利が1年1%だとする。また現在の為替レートを円/ドルでe、一年後の為替レートをfとする。
このときに、通貨Aの国の債券は一年後に1.05倍に増える、一方で通貨Bの国の債券は、通貨Aから見た場合、((1×e)×1.01/f)倍に増える。
投資家から見て、この二カ国の債券の一年後の価値に差があれば、どちらかを売り、どちらかを買うはずである(裁定取引)。そのようにして一年後の価値が等しくなるとすると
1.05=(1×e)×1.01/f
f=1.01/1.05×e
となる。現在のレートが1ドル=100円だとすると一年後は1ドル=96.18円となり、円高ドル安が進むことになる。
この為替レートの求め方は、通貨先物取引において先渡レートの計算に応用されている。
このように名目金利が高い国の通貨は先々、減価する傾向にある。これは、名目金利が高い国が一般に物価上昇率も高いことと関係しており、購買力平価説とも関連が深い。
現実には、名目金利が引き上げられると当該国の通貨が増価するため、整合性がないように思われるが、この説は現在の為替レートに対して将来の為替レートがどう動くかというものであり、名目金利引き上げによって増価した通貨は、やがて減価することになる。』
通貨の話は意外と難しいですね、購買力平価(生活水準)が上がると→輸入が増えるハズ→通貨安だと勘違いされる方も居ますし、
※経常収支との兼ね合いにもよる
金利においては、金利を上げた方が、(インフレするハズなので)減価するという、内容になっています。
この金利平価説の内容は購買力平価が変わらないのに、インフレするからと見れば良いかと思います。
通貨トレードである、FXでお馴染みのスワップポイント(金利差額分の払い戻し)から
この減価には時間差か他の力学がかかるであろうという事が理解出来るかと思います。
・円キャリートレード
これもwikiから
『概要
円キャリー取引(円キャリートレード)は、円資金を借入れて様々な取引を行うことを指す。国際的にみて円が低金利の際に借入れて、円を売ってより高い利回りとなる外国の通貨、あるいは外国の通貨建ての株式、債券などで運用して「利ざや」を稼ぐ行為は、円キャリー取引と呼ばれている。
2000年代に活発だった円キャリー取引では、内外の機関投資家のほか、多くの個人投資家も参加した。個人がこの取引に入る形として注目されているものに外国為替証拠金取引(FX)がある。証拠金取引では、証拠金に比べて大きな取引をすることが可能だが、それは資金を借入れているのと同じ状態である。このような円キャリー取引の拡大もあって、本来は経常収支の黒字によって円高が進行するはずの日本で、円売りが多いために逆に円安が進行した。背景には日本の金利が2006年7月の日本銀行によるゼロ金利政策の解除以降も、なお絶対的にも国際的にも相当に低い水準にあったことがある。しかし、日本の金利が上昇したり円高が進行したりすると、円キャリー取引を継続することで為替差損が拡大するリスクが高まり、取引を解消(手仕舞い)しようと早めに円を買い戻す動き(巻き戻し)が出て円高が加速され急激な円高となることが懸念された。そのため、円キャリー取引は日本銀行の金融政策の新たな制約要因となっていた。実際には、20
07年のサブプライムローン問題をきっかけとした世界同時不況により円キャリー取引の解消が始まり、円は買い戻しによって他の通貨に比べて急速に高くなった。また、2008年のリーマン・ショックによって顕在化した世界的金融危機で金利差が縮小、円高に拍車をかけた。対ドルについては、2007年に1ドル110円台後半から120円台前半だったものが、2009年11月には一時84円台まで上昇した。
円キャリー取引の資金の多くは日本の金融機関が用立てしている。そのためアメリカの株価が急落すれば、日本の金融機関は円キャリー取引の清算に失敗した海外の投資家達の不良債権を一気に抱えることになり、最終的なババを引かされる可能性があるため、円キャリー取引の行方は日本経済にとっても重要な問題である。』
さて、円キャリートレードは非常に面白い内容になるかと思います。
金利平価説から説明すると、金利による減価を円キャリートレードはスワップポイントで受けとるという内容。
この減価により、本来円キャリートレードはゼロサムに収束するハズです。
では、仮にゼロサムに収束するなら、なぜヘッジファンドは円キャリーに群がったのか。
損益分岐点である非対象性を円キャリートレードではどこに探すかという話になります。
一つ考えられるのはバブルの存在が、金利の高い方の通貨の購買力平価を上げ、減価分を帳消しにするという話。
バブルなら金利は上がることになりますから、購買力平価の上昇にしたがって、通貨の価値に差が生じる事になります。
これがキャリートレードの損益分岐点になる可能性はありますね、
そして、新興国の通貨、これは経済成長さえしていれば、バブルでなくとも金利は高く、購買力平価もあがって行くと予想されます。
リーマンショック後の極端な円高は、このキャリートレードのポジション解消による所が大きいという事を覚えておきましょう。
このキャリートレードを通して通貨の価値を考えてみると、面白い内容になります。
なぜ、円高が進み続けたか、実態として円安には進んでいなかった2000年代の円の話と、0金利政策の裏で進み続けたキャリートレードの話を次回ではしてみましょう。

Posted at 2012/11/13 16:14:12 | |
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