2012年11月27日
ちょっと話題になってるデフレの話ですが、
自然利子率の低下による日本のデフレは、産業の空洞化による物です。
日本の経済問題の主題は産業の空洞化である、これはイギリスから指摘されていますね。
金融緩和云々の前に、先日行われました、G20の通貨安競争に歯止めという協議。
何故、この協議が行われたか説明出来る人は、恐らく私と国外の知識人以外には皆無なんでしょう。
欧米の中央銀行の市場への介入の結果、これはバブルの処理のための量的緩和ですが、貨幣数量説ベースによる基軸通貨の希薄化という構造的な世界の通貨安をもたらしました。
量的緩和自体はバブルへの対応で、必要不可欠な部分もあったでしょう、問題は、側面的に中央銀行による通貨の担保問題に引っ掛かった事です。
通貨高による産業の空洞化問題というのは、日本以外では常識です。
構造的なデフレを、とにかく産業の空洞化のせいにしたくない理由が私には解らないのですが、
理論も糞も、世界恐慌による経験則から、実態に見合わない過剰な通貨高を維持した国は、とにかく工業部門がボロボロになるんだと、これを日本以外の各国は知っています。
現状の通貨安競争の流れの反発である通貨高に対して、スイス、オーストラリアは国内産業の防衛として、無制限の介入を行いました。
通貨高を容認する国家はもはや日本、ただ一国なのです。
この事への反論に、日本の知識人は実効実質為替レートを持ち出し、産業の空洞化が今の為替問題の論点であるのに、
歴史的に見て、今の円の水準が統計から適正であるのかを、議論しはじめたのです。
為替レートや通貨の価値が、どう決まっていくのかという構造さえも無視してですね(笑)
最終的にその国の産業に依存する通貨価値は、製造業が完全に空洞化してしまえば、貿易収支の悪化から低下し続けてしまいます、つまり、今の局面で通貨の価値がどうであろうと、円高を放置したなら、産業の空洞化からやがて円安悪性インフレが止まらなくなる。
これらの事を棚上げにして先日、日銀総裁の白川さんまでが、金融緩和に対して、中央銀行の独立性というのは通貨の担保であると、宣いました。
通貨の担保問題、これと全く同じ問題を取り扱ったのが、
先日のG20の通貨安競争の問題です。
不況の今、各国が中央銀行の独立性を担保にしないで、通貨安に走ることをやめる方向で一致させましょうね。
このG20の通貨安競争の抑止案は、CO2の排出問題を取り扱った、京都議定書と全く同じ結果をたどっています。
欧州は表面的に緊縮方向ですが、米中は経済の建て直しのために、裏付け担保のない財政政策、金融政策→通貨安に意欲的ですし、途上国もそれは変わりません。
現に先日、韓国は、それほど高いレートでもない状態で、通貨安方向に介入を行いました。
今、通貨の担保に危機が迫っているとしたら、それは他国を原因とした問題で、現在進行中の大きな話題なのです。
何故他国を批判しないで、対応が、国内政策のバッシングに繋がってしまうのか、日本の不思議な所ですね。
しかも出す結論が、不思議を通り越す低レベル。
今の通貨高を容認したら、少子高齢化で社会保障がさらに大きく問題になる時に、通貨安による悪性インフレと戦わなくてはならなくなります。
流石に、手のつけようがないのでは。
これがいたって普通の結論になるハズです。
何故、他国のファンダメンタル無視の通貨安競争を容認して、自国の金融緩和を批判するんでしょうね。
低レベルと言えば野田首相は先日、WW1後のドイツの混乱、ハイパーインフレは政府が中央銀行の独立性を侵害したからとおっしゃったらしいですね。
歴史認識を180°間違って覚えるなんて、何を考えたらこうなるのか、これまた流石に頭を抱えてしまう程の、低レベル発言です。
せめて自国の首相に、低レベルなツッコミを入れさせない世の中になって欲しいものですね。

Posted at 2012/11/27 20:40:05 | |
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