2012年12月18日
地理前提の、産業リソースからお送りしたいと思うー、日本の歴史観。
さて、日本の地理です。
・降雨量
季節風(モンスーン)、これは様々な理由による高気圧や、低気圧の発達がありまして、大気は高気圧→低気圧へと流れて風となります。
※経度帯ごとの大気大循環と、海陸風を参照の事
その間、海が有りますと、湿度を伴った風になり、湿度を伴った風は、雨をもたらします。
この風が山脈にぶち当たりますと、そこに、雨が降り、以降の地域は乾燥地帯となります、日本海側の豪雪地帯と関東地方の冬の乾燥なんかは、この原理。
このモンスーンによる降雨量と経度による温暖な気候により、島国日本は農業、豊富な人口を支えられる稲作が出来ますよと。※多くの地域では一毛作が限界
時代によって変わるんですが、条件付きの資源の活用ですね、水田による稲の栽培なんてのは重要。
稲の前なんかはサトイモやドングリ、粟(植林)を栽培してた可能性もあるらしいですね。
そして開墾の必要条件である鉄器。
さらには、日本の最たる地理的条件は、大陸貿易から穀倉地帯である畿内、九州、瀬戸内、琵琶、伊勢、山陰、日本海ルートから東北を結ぶ、巨大水運と、国土の約70%を占める山岳地帯になります。
平野がほとんど無いんです。
※黒潮に逆らい条件の厳しい遠州灘と親潮に逆らう九十九里で関東は、江戸時代になるまで、他所の水運から孤立(回船を参照の事)
えーと、水運なんてのは、とにかく文明にとって必須の物でして、道の整備されて無い所で、大量輸送に際して船は都合の良いものでした。
特に大河なんてのは、交易と農業両面の産業リソースになり、そして、水運は必ず海に通じています。
生存そのものに必要だったり、食料の長期保存に必須の塩ですね、海はこの塩も産出します。
地理的条件から陸運が難しかったのもありますが、江戸幕府は、陸運(馬車)を規制し、河川水運による物資の出入の検査のため、船番所を設けています。
特に重視されたのが、米、酒、鮮魚、野菜、硫黄、塩で、
この内、塩は戦略物資として、重要視されています。
中国の内陸部では、今でも政情不安などの問題があると塩の買い占めが発生するというNEWSを見ますよね。
中以降ヨーロッパの飢餓を救った塩ダラや、アメリカの南北戦争を左右した塩なんてのも、聞く話。
※キリスト教が肉食を禁止したとか、火薬作るのに塩など
これらの前提、つまり、農業、塩製造、交易(水運)、3つの産業(資源)リソースが、日本の文明の源流と言っても過言ではありません。
水稲耕作の開始により、余力の生まれた地方に、勢力が育ち始めます。
その前に、人類の大きな転機は、定住でした。
現代の遊牧民を見れば解りますね、彼らは必要以上の財産を持ちません。
縄文時代に始まった、漁業や土器による調理といった、安定したリソースの確保が、定住を可能にし、定住が蓄財を可能にした、縄文土器の不必要なまでの発展は、この蓄財によるところが大きいかと思います。
・弥生時代日本の4つの勢力
北九州、吉備、出雲、畿内
出雲は水運内にあり製鉄技術を持っていた。
他の3大勢力は、先に示した水運の範囲にあり、広大な平野(日本国内でね笑)を有する地域です。
弥生時代の戦闘の痕跡には北限があり、稲の生産量が関係したようです、食料の余力がない地域へは、戦争をする必要がないという話。※青森に稲作が伝わった痕跡があるという事は、水運を裏付ける根拠になると思います。
これらの条件を満たす地域を他に言えば、南九州は鬼介カルデラの噴火で一度壊滅しましたが、狗奴国の可能性として示唆されています、他にも狗奴国として指摘されてる伊勢と名古屋近辺、こちらは大規模集落が見つかっていて、案の定、琵琶の周辺の滋賀にも古墳があります。
水運内は予想通り。
余剰食料の無い地域へは、戦争を仕掛ける必要がない、ここは注目ですね。
・この人らは、何を交易してたの?
縄文土器の発展とかを見れば解りそうな物ですが、弥生時代には銅と鉄が通貨の代わりになっていたようです。
縄文時代は土器などでしょうが、通貨として使われたのは、国単位の大雑把なやり取りだったようです。
※援助の見返りに、銅の器機など。
・過剰供給が戦争を産み出す
これは面白い仮説。
戦争を交易の亜種と考えた時に、吹っ掛ける側は、過剰供給分の生産品が欲しい訳です。
考えてみれば、植民地の奴隷制度なんかも、過剰供給分の生産量を増やす行為。
交易は、過剰供給した分の生産品のトレードです。
あえて余剰と言わない所がミソですね。
デフレ不況の解決策も多くが戦争になりますし関連がありそうです。
まあ、投資して、何かを手にいれる、過程に何があるにせよ、戦争も生産活動の一種です。
やがて、マーケットが収束するように、古代戦争ビジネスも収束、政情も安定、日本でも、貨幣経済が発達していきます。
・どこもかしこも、過剰供給したら、トレードが成立しない。
この論理に比較優位を使うと、国際分業で人類が豊かになる根拠にもなります。
結果、グローバル化によって欧州で分業を受け持てない地域がグダグダになってるんですが。
・古代日本の中心になった勢力は、製鉄技術のあった出雲と、水運上で大陸貿易の拠点であった北九州である可能性が高い
俗に言う邪馬台国ですね、どこにあったのか、
この頃の日本というのは、朝鮮半島の南端も含んでいたようです。
※朝鮮半島の古墳を参照
これも優位性の問題。
畿内、吉備に確たる優位性があるかどうか、鉄と銅の出土品で言えば、北九州が多いようですがどうでしょうか、朝鮮半島の日本の勢力が当時の中心でもおかしくは無いですよね、水運の中心と言えますし、半島の南端には穀倉地帯があります。
重要なのは、中国が当時の資料を残していたという事で、邪馬台国は朝鮮半島ではなく、今の日本のどこかという話で決まってる以降は諸説分かれる所らしいです。
そして古事記は、当初出雲が中心だったと示唆させる内容。
地理と歴史で言えば、以降の日本の中心は、東北地方、関東地方の発展によって、伊勢、琵琶湖、東北の日本海側の水運がより強力になり、
中央政権は東に向かって行きます。
ここから、私は北九州が大陸貿易もあいまり、水運上で最もバランスの取れている所だと思います。
・疲弊した北九州勢力と台頭した大和朝廷
さて、朝鮮半島への出兵というのは、大和時代にも数多くされてまして、大陸貿易の利権ですね、戦争も古墳も公共事業になりますが、出兵のために、北九州では古墳が少ないのではとの指摘もされています。
つまり、この地域では、戦争が耐えなかったか出兵があった。
この大陸貿易が阻害されますと
東北や関東の成長もあいまりまして、水運のバランスは一気に東側に傾きます。
これは、オスマントルコの台頭による、オリエントとの交易の阻害を欧州諸国が外洋に求めた歴史と変わりません。
大航海時代に発展した国は、欧州の水運である黒海から地中海の外側に位置し、外洋に接していたポルトガルとスペインです。
仮に私なら、畿内の発展をこう位置付けちゃうよというもの。
水運の外側に位置した畿内が、今度は、東北と伊勢、関東との交易によって発展しはじめたのです。
それが大和朝廷だったのでは無いでしょうか。
・邪馬台国と大和朝廷
制度上質の違うこの二国は、同一の国家であるのか?
まあ、制度なんて革命もありますし、狗奴国の位置と魏への朝貢が論点になるかと思います。
晋に変わってほどなく、朝貢が途絶えた。
怪しいですねー。
狗奴国は倭の境界の尽きたその南にあるとされ、邪馬台国と争っていた。
狗奴国が南九州説というの、中々難しい問題、ひとつは火山の噴火があって、一度壊滅した事、よって穀物の生産量に問題はあるし、肝心の平野が少ないという事。
いかにも人口比で苦しいんじゃないのかなと思うんですよ。
イモでもあったのかな。
宮崎、奄美、琉球、大陸と独自の交易が発展した可能性は否めなくは無いが
大きな勢力があったろうなと思える所では無い。
ただし、当時道具として使われていた黒曜石の産出地としては、大分の姫島、が水運内にあり、加工された石器が、四国中国で出土しています。
黒曜石の産出地としては長崎の佐世保、佐賀の伊万里が挙げられますから、リソースが集中したとは思えない。
ただ、この南九州は中央政権に度々反乱を起こしています。
何かしらのリソースがあった可能性も否めませんね。
一番簡単なのは、北九州の北部が邪馬台国、南部(というか熊本県佐賀県)が狗奴国で隣接していた。
で、狗奴国が邪馬台国を滅ぼしたという話。
後の日本書紀の東征が訳が解らない事になりますが、中々良い話。(特に遷都、好例が無いわけでは無い)
そして、もう一つが狗奴国畿内説、邪馬台国を、幅広い海洋国家とした時に、今の神戸か堺辺りを東端とした説、
日本書紀の整合性と遷都の理由付けが楽になりますすし、リソース的にバランスの取れるのはこの2論かと思います、ただし、後者は、邪馬台国の間に吉備が存在することになり、国防面で脆弱か。
これは、朝貢が途絶えた理由以外なら色々と都合のいい話。
狗奴国遷都説なら何故東に遷都したのかという仮説も必要になるでしょう、後の平家の話になるんですが、宗教的(象徴的)なリソースがそこにあったから、という捉え方もあります。
西国に本拠を構える平家の時代にはそれは天皇でした。
えーと、古事記では日本の古い神々が駆逐されて、新しい神々が外来から入ってきます。
土偶に見られるように自然信仰からですね、人、リーダーへの信仰に変わったのもこの時期です、この信仰の中心にあるものが、古墳だった。→より古墳の多い地域で執政なんてのも捨てがたい。
まあここは、ロマンの話になりますから放置。
水運の話になりますと、源平は、瀬戸内海系VS伊勢系VS北陸
戦国時代も構図変わらずと、巨大水運の利権対立を垣間見る事ができます。
そして世の中は貨幣経済へ、この貨幣の在処が問題になってくるのです。

Posted at 2012/12/18 23:55:13 | |
トラックバック(0) | モブログ
2012年12月16日
えーと、説明してる暇が無いので、この論点は明確だという物を挙げてみましょう。
多くが説明してきたリフレの部分否定、つまり条件付きの肯定となっております、その点に注意。
・中銀の目標に、雇用の最大化を入れてしまう場合には、貿易収支を考慮しないと、長期的に、通貨は破綻する(可能性がある)。
・リフレに頼るアメリカ経済は、やはりバブル依存である。
・不良債権をリフレで解決すると、金融市場にモラルハザードが発生する温床になる。
※解決案は、中銀によるバブル潰しと、グラススティーガル法に見られる、銀行三つの役割の解体と責任追求についての法
石原さんが国民の予貯蓄を政府が投資出来るようにと言いましたが、長期的に極めて危険な行為です。
・リフレは、それ単体では、財政均衡を解決する手段ではない。
・現状で赤字を垂れ流しても、吸収するのは、耐久消費財を作っている国家、言わせて貰いますと働いていると人のための政策ですので、
中韓と途上国に多くがながれるでしょう。
・リフレは単体では、今の通貨高を完全には是正しない。
ここら辺が大きな論点になるでしょう。
昨日までに書くべきでしたが、まあ良いやと。
当然、政治に詳しい皆さんが書いてある事でしょうから。
これらの諸条件の解決策を、併用した場合には、リフレは有効です。
まあ、普通のやり方で有効需要が足りるようになるとは思ってませんけれどね。
ではでは。

Posted at 2012/12/16 09:20:36 | |
トラックバック(0) | モブログ
2012年12月14日
さて、まとめです。
リフレ政策講座の背景について、理論自体はともかく、皆さん全体の流れを既に、平たく理解出来ているかと思います。
ではリフレの説明に入りましょう。
Wikiから
『リフレーション(英: reflation、リフレ)政策とは、不況下における設備の遊休あるいは失業(遊休資本)を克服するため、マクロ経済政策(主として金融緩和政策、時に財政政策も併用)を通じて有効需要を創出することで景気の回復をはかり、他方ではデフレから脱却しつつインフレーションの発生を防止しようとする政策
。言い換えれば、緩やかで安定的なインフレ、すなわち年率換算にて数%程度のインフレ率にとどめようとする政策である。通常はインフレやデフレと同様に略して「リフレ」と呼ばれ、日本語では「通貨再膨張」とも訳される。』
リフレ政策とは、世界恐慌でやりました、対デフレ恐慌のマクロ経済政策となります。
バブル崩壊で起こるのは、信用収縮→経済収縮という、通貨の収縮です。
これを不況に応用しようというもの、私たちは修正資本主義と呼んでいます。
さて、今話題になってます、国内の反リフレ派の大きな論点というのは、リフレの財源裏付けである国債の利回りが、インフレで問題になるという所。
この国債にも論点をあてはめましょう、GDPの200%超となりますが、前提として内債の比率が大きく、借り換えに必要な資本の流出に大きな懸念も今の所ありません。
日本の銀行の株主は日本人ですし、預金者も日本人。
つまり、皆さん苦手でしょうが時間軸をきっちりさせます、現時点の評価で日本の国債は
仮に国債の利回りがインフレ率を下回っても(そもそも来期のインフレ率は解らないという前提があるため)
資本流出も起こり得ず、中短期で暴落する事はまずありえません。
これがデフォルト=ハイパーインフレ馬鹿の盲点です、国内の投資家は日本の極端な資本流出が困る上に、国債利回りは解るが来期のインフレ率が解らないし、仮に資本が流出すれば円安から景気が回復して、税収が増え株価も上がり、資本を巻き戻したくなる
そして安定している国の国債なら、リスクオフとして持っておきたい。
彼らに都合の悪い事に、致命的な問題でない限りは、常にどこかで均衡してしまうので、経済に極論が通じないのです。
そして日本には、潤沢な外貨準備金まである。
そして、こちらは、さらに大きな論点になります、有効需要でやりました、国債を自力で償還していくための方法の一つである、緊縮財政には有効需要内の財政支出の減少が伴いまして、さらに償還に緊縮の必要になった時は、大抵経済は不調な時ですから、肝心の緊縮財政に効果が見込めません。
国債の償還は、中央銀行がファイナンスして債務圧縮に協力するか、デフォルトするか以外に、事実上不可能であると。
これは、EU各国の問題でもあります、緊縮だけでは解決出来ず、経済成長かもう破綻しか道がない。
日本も、仮に自力で償還するならせいぜい1990年代初頭が限界でした。
つまり、日本国債は年金と同じく、長期的には破綻しています。
先伸ばしかデフォルトの二択しかありません。
ここには、デフレなら、国債は破綻しないという論理は無いのです。
しかも、貿易収支の悪化によって通貨安局面が来れば、デフレが続く保証はどこにもありません。
私たちは財政再建をしなければ、ならない、解りますね、これらの前提の上で、どの方法を使って、財政再建をするのか。
それが『債務圧縮』と『貿易収支改善』と『緊縮財政』です。
その債務圧縮の方法の一つは、長年のアメリカの経常赤字を支え続けて来た、
通貨膨張→リフレ政策と経常成長によるインフレです。
バランスシート好況により、経済を回復させ、投資を活性化させ、経済成長と貨幣数量説によるインフレにより圧縮した債務を
増収と緊縮財政により返済していく。
これが上げ潮派の理屈。
一方での、国内の対案はハイパーインフレかデフォルトか先の見えないデフレに頼った先伸ばしです。
はい、論点のあっぴろげはここまで。
これ以上、まとめますと、私個人のバイアスが強くなるかと思います。
政策というと、問題の大体の論点をつかんで、いくつかある方法論を模索しましょうとの話ですね。
では、論点まとめ。
・日本の国債の現状
・デフォルト
・通貨価値
・財政均衡3つの論点
・世界恐慌におけるケインズ政策と通貨問題
・バランスシート不況
そして
・リフレ政策
デフレの原因は、また人それぞれで主張すれば良いと思います。
誰にも、耳を貸さずにバグみたい論点を増殖させれば良いと思う層が、大多数派ですからね。
以上、暇潰しリフレ政策講座でした。

Posted at 2012/12/14 21:00:30 | |
トラックバック(0) | モブログ
2012年12月14日
えーと、前回の続きです。
意外とまとめられませんね、面倒だろうと思いますが、
リフレの説明の前に
もう少し説明がいるようです。
・本当にマクロ経済学で景気は良くなるの?という話の方から
マクロ経済学と、リーチャードクーによるバランスシート不況を平たく説明しましょう。
マクロ経済学は名前はご存知でしょう、ジョン・メイナード・ケインズの理論に基づく、財源に裏付けの無い、特需景気の理論と言えます。
20世紀アメリカ初の世界恐慌では、デフレ恐慌が世界に波及しました。
銀行が潰れ始めたら、インフレになるのか、デフレになるのか、世界恐慌のデフレは皆さんにとって、意外な認識になるかと思います。
マネタリベースが失われるので、デフレになります。
※貨幣数量説から当たり前の結果言えば、当たり前
クルーグマンの解釈によると、アメリカはともかく、恐慌の世界への波及は、当時世界一の債権国アメリカ、これは主にWW1の戦費債権なんですが、この債権国のバブル崩壊による資本の引き上げによって、金本位制によってマネタリーベースに制限のあった各国は、マネーサプライの面で極端な減少を引き起こしました。
まあ、要は銀行の自己資本率ですね、世界恐慌ではこいつがいきなり、各国から、なくなった訳です。
銀行の持つ役割はご存知でしょうか、大きく3つ、安定資産の維持と、企業や家庭の決算と、一部違うところもありますが、社会への投資(貸し出し含む)です。
自己資本率の極端な減少から、まず、各国の銀行ではこれらの機能、全てに、致命的な障害が起こりました。
銀行が機能不全を起こせば、まともに社会はうごきません。
このマネタリーベースの減少の波及では、通貨安競争とデフレが起こりました、購買力平価説から、経済成長によって経済に何が起こるか、
インフレ通貨高だと説明しました。
ここまで理解出来ているなら、世界恐慌でなにが起こったかの解釈は簡単ですね。
銀行機能の麻痺による世界同時のリセッションと、リセッションによる世界同時のデフレ通貨安です。
経済が縮小したと解釈するのが、一番自然ですね。
そして各国のマネタリーベースの減少以外に、アメリカのバブル崩壊自体も、ビジネスモデルの崩壊として経済の縮小と見ることができます。
バブルの崩壊でもデフレ通貨安が進みます。
このデフレ恐慌ではですね、例えばアメリカでは、供給能力側に問題が無いのに、飢えて死ぬ人が出ると
地方では農作物が余って腐ってるのに、都市部では失業者が飢えている。
倉庫には在庫が溢れているのに、誰も物が買えない。
この理由は何なんだという話になりまして、供給と需要、既に二つの概念がありましたから、まあ供給に問題がないんだから、即ち需要に問題があるんじゃないかとなりまして、ケインズの一派が需要を数理モデルから理論構築しまして
需要とは有効需要
民間消費+民間投資+政府支出
ですね、大まかに定義しまして、まあ、特需景気の理論です。
財政政策によって、経済というか需要が回復するんだとしました、お金使ってるから当然なんですけど。
このですね、財政政策による失業率へのアプローチを命題とした完全雇用の話は、後のアメリカ経済で、活用され真である、効果は確認されましたよと相成りました、この効果云々には、乗数効果がありますが、
財源はともかく、ケインズ政策では、一時的にでも経済が良くなるというのは、大前提になります。
『財源はともかく』、失業率なら改善できるぞと
これはケインズ政策の基礎になりますから、覚えましょう。
それで、各国とも財政政策で景気刺激策を取ったんですが、世界恐慌そもそもの原因を忘れてはいけませんね。
以下が、今、アメリカで行われているQEの理論背景になります。
・銀行が麻痺するほど、各国のマネタリーベースが極端に減少しなければ、おそらくアメリカのバブル崩壊は各国に波及しなかった。
当時のアメリカ経済というのは、輸入品には高い関税を設け、輸出品は押し付けるという(※そもそもWW1で欧州は一時供給能力を喪失していた)
極端な保護貿易をとっていましたし、また有数の資源国でもあります。
当時のアメリカの需要がどうこうなろうと、貿易面で各国に波及するほど需要が低下したとは、考えられません。※供給はともかく
デフレ恐慌から回復出来た理由は、多くの国が金本位制を維持できなくなり、裏付けの無い財政政策をとったといった物が定説です。
ここから、有効需要の本来の回復ではなく、財政政策による副次的な効果であるマネタリーベースの回復部分が、世界恐慌においては、一番の大きな論点になるのかなと思います。
対して、金本位制を守り、デフレ通貨高を維持していた各国の回復が遅れたのは、通貨高による輸出産業の崩壊もありますが、不良債権の圧縮の失敗によるところも大きいのかもしれませんね。
二段構造の話になってますが、ついてこれるでしょうか。
恐慌における、ケインズ政策と通貨の話ですね。
資本流出による経済危機自体は、お隣韓国の通貨危機やアジア通貨危機の各国と同じ構造。
・さて、一方では、デフレ不況に対する他のアプローチもなされてきました。
アービング・フィッシャーのデットデフーレーションでは、デフレにより負債の価値が増大してしまうという説
リーチャード・クーのバランスシート不況では、デットデフーレーションの波及効果が民間投資と民間消費を減らすという説明がなされました。
※まあ平たくね(笑)
これは逆転させると、インフレによって
好況になるという説明にもなります。
まあ、どれを組み合わせても、ちょっと論点の欠けている話でして
何故、自然利子率が今低下しているのか、という命題もあります。
マルクス経済学に抵抗がなければ、世の中が、効率化していくのなら、必要な仕事量と労働人口がバランスするとは限らない
というマルクス経済学を取り入れても簡単な話で、他に思い浮ぶなら、それを取り入れれば良い話。
私はマル経よりWTOが、貿易に、各国の物価差の是正を考慮したルールを取り入れないからだと思いますけれどね。
さて、バランスシート不況が成立するとなると、バランスシート好況が成立するハズです。
デットデフーレーション及び、バランスシート不況の確認については、日本政策投資銀行がデフレ下の資本財価格低下と設備投資への影響というのをですね、やってますので財務諸表とにらめっこしてですね、仕組みを確認して下さい。
このバランスシート不況という民間投資の減少を逃れられるというのが、インフレ恩恵の大きな論点かと思います。
この民間投資は、マクロ経済学の有効需要内の、民間投資ですね。
バランスシート不況では、民間消費も減ると説明されていますから、デフレの局面によっては、大々的な不況になると予想されます。
インフレでバブルになるというのは、資本財価格上昇と設備投資への影響が、地価に大きく影響しやすいからで良いでしょう。
では、リフレ政策について、説明とまとめを次の記事で。
前回と今回の大きな論点は、こちら
・デフォルト
・通貨価値
・財政均衡3つの論点
・世界恐慌におけるケインズ政策と通貨問題
・バランスシート不況

Posted at 2012/12/14 11:20:40 | |
トラックバック(0) | モブログ
2012年12月10日
リフレーション政策と言えば、
随分と、皆さんの知識的ボトルネックの大きい話題かと思います。
通貨の裏付け問題は、どうなってるの?とか
※貨幣数量説からして財源の問題は?
景気は本当に良くなるの?とかですね
※マクロ経済学って本当に正しいの?
とか、そんなお話をしようかと思います。
ハイパーインフレ馬鹿が、馬鹿と呼ばせていただきますけどね、世の中に増えてますので(笑)
時々はまともな話を、頭の中に入れましょうよというテーマです。
さて、先に結論をお話ししてしまいますと、リフレ政策は、広義の緩やかなデフォルトです。
デフォルトが、経済問題をどう解決するか、
先ずは、ここら辺の常識から書かないとならないかと、思います。
・デフォルトは悪なのか?
勧善懲悪の世界となると、専門外でして、何となく悪なんだろうなと、
皆さんそんな解釈であろうことかなと思います。
ただ、経済とは均衡の問題ですので、論理問題をいれても仕方がないんですよね。
昨日、ギリシャとアルゼンチンが、負債圧縮のために選択デフォルトをしますよと、話題になりました。
※3分の2デフォルトがデフォルトで無いとする論点は、言葉のあやのみの問題になりますから、受け付けません。
何で、デフォルトなんて、そんなに悪い事を許すの?
と皆さんはお思いでしょう。
これは、信用収縮と負債圧縮をバランス(均衡)するための『政策』です。
勧善懲悪の話にはなりません。
あれ?負債圧縮と信用収縮のバランス政策、つい最近もFRBとECBがやりましたよね?
そう、リーマンショック、サブプライムローンへの対応である、QE(量的緩和)が、
実は
事実上の緩やかなデフォルトであるという事に、私たちは気づけなければなりません。
※だから資本主義がどうのこうのの話になったんですが
まず、原理を常識として身に付けないとリフレ政策が理解できない。
現代は、デフォルトの方法が多種あると、
これは、皆さんの知識的な大きなボトルネックになります。
私たちは、世界恐慌のような極端な金融破綻を嫌います。
生活が一気に壊れてしまうからです、ですから、緩やかなデフォルト、先伸ばしとも言えますが、
通貨の内容でですね、
えーと、信用がコインの表
負債が裏で一つのコインになっているんですが、
このコインが全部裏になってしまうと、使えなくなるんですが、
コインのバランスが崩れる時があります。
これを防ぐか、破綻させてしまって、再び使えるようにバランスさせるのが、広義のデフォルトです。
これで、デフォルト政策に、勧善懲悪の世界を組み込むのがいかにバカらしいという事に気づけるでしょう。
コインが使えないと、そもそも経済活動が出来ないからです。
ただし、プライマリーバランスの問題は別にあります。
過去の例からすると、まあ、放漫財政というのは、とにかく貿易収支が悪化します、
貿易収支が悪化すると、どんどん他国の物が買えなくなる、
よって自国で生産してない分には、生活が苦しくなると。
こちらの貿易収支の問題でも、私たちの生活は破綻します。
貿易に使う物も、通貨になりますね。
通貨の信用に関わるデフォルトと、貿易の兼ね合いは、大きな問題になります。
これでデフォルトの論点は、一先ず、しっかりしたかと思います。
要は貿易収支と通貨問題の解決であると。
リフレ政策で、よく問題にされてるハイパーインフレは、ドイツ中央銀行の対民間企業のデフォルト政策の失敗でした。
まあ、ハイパーインフレと変わらない結果になったろうが、大々的にデフォルトさせてしまえば良かった。
破綻させるか、金を刷るか、均衡するしか無いんですから、どっちでも変わりません。
ハイパーインフレが問題になるという事は、どこかで債務不履行が起こっているという事になります。
リフレにハイパーインフレを持ち込むという事は、国債が返せないから超々規模のデフォルトが起こりますと、反リフレ派は暗黙の了解をしてることになりますね。
それで日本の中央銀行が量的緩和に類する政策をしてないかという話になります。
金融緩和をしてないんですか?と
問われたら、皆さん、してますよとしか答えられないんです。
リフレに類する政策は現に実行済みなんですね。
それでですね、日本の大まかな現状が理解出来たであろうと思いますが、皆さん気になるであろう、通貨の裏付け問題になります。
これ、表向きは、中央銀行のバランスシートになるんですが
信用収縮と同時に起こる際限のない不良負債の膨張ですね、
これでも、通貨の価値は崩壊します。
・恐慌時のデフレは、何故、通常デフレで言われる通貨価値の上昇に当たらないのか
リフレの説明の前に、ここら辺を勉強すべきなんですね。
恐慌により、何故デフレになるのか?
通貨のおおよその価値について、当ブログではやりましたね、
為替では、購買力平価説からフローの規模と資産で決まりますよと、
経常収支+資産増減+外貨準備金増減
この為替の仕組みからすれば、通貨の価値というのは、経済のフローの規模の増減に従って、中央銀行が適切に必要量を工面する事によって決まります。
※購買力平価説+貨幣数量説
恐慌では、ビジネスモデルの多くが崩壊します
フローの縮小→通貨価値の減少→デフレ+通貨安
では、経済成長でどうなるか
フローの拡大→通貨価値の増大→インフレ+通貨高
購買力平価説から説明すると、恐慌のデフレは、単純なフローの縮小、経済の後退になります。
この後退に金融市場が耐えられないんですね。
ならば、通貨高+デフレの今は何でしょうかね、という類いの知識は、この購買力平価の基礎的な知識を知らないと、応用も出来ないんじゃないかと思います。
まあこれ過去にやってますし、今回やりたいのは、リフレによる超長期のデフォルトと、バランスシート不況→好況の説明ですから放置。
・通貨の裏付けは何によって、なされるのか
要はその時の経済のフローと貨幣数量説による、中央銀行のバランスシートが通貨の裏付けになります。
政府が多少の赤字を垂れ流しても、問題無かったりします。
・バランスシート不況⇔バランスシート好況とリフレ政策と国債のデフォルト方法
まあ、倫理問題を放置してなんだかなあと、思われるでしょうが、
GDPの200%を越えた日本の国債を返すあてに、リフレかデフォルト以外の方法が(リフレもデフォルトと同じようなもんですが)、実は、もはや無いんだと。
この対案無くして、財政均衡を論点にしても仕方ありませんし、
次回あたりの記事で
この記事を前提にしたリフレ政策の説明を簡単にやっちゃいましょう。
リフレの説明をしてませんからね(笑)
まあ、デフォルトですから、非常に簡単な結論で言えば、
財政均衡の論点は、
収入、支出、負債の圧縮です。
貿易収支の改善
緊縮財政
デフォルト
要約すれば、ここら辺の問題に収束します。
リフレ(もしくはデフォルト)で負債の圧縮をしながら、貿易収支を改善して、緊縮財政や賃金の是正で節約をすると
これが、現時点の財政均衡に対するパーフェクトな答えで、まあ原理からの話になりますが、他には対案も無いであろうと。
まあ、全部簡単な話になりますから、興味があればご覧下さい。

Posted at 2012/12/10 13:26:00 | |
トラックバック(0) | モブログ