
12気筒エンジンというのは、パワーを出しやすい代わりに燃費に厳しいため、
スーパースポーツであっても燃費の呪縛から解き放たれることのない現代では、非常に採用しにくいエンジンだ。
過給器技術が発達し、V8+過給器で十分なパワーを得られる。
けれど、12気筒には他のエンジンでは得られない、濃密な回転フィーリングがある。
その一点のみのために現代でもあえて12気筒を採用している4モデルを比較してみた。
フェラーリ F12ベルリネッタ
F12ベルリネッタ_LHD(F1DCT_6.3)
9点
メルセデス・ベンツ CLクラス
CL65AMG_LHD(AT_6.0)
8点
アストンマーティン ヴァンキッシュ
ヴァンキッシュ_LHD(AT_5.9)
9点
ランボルギーニ アヴェンタドール
LP700-4_LHD_4WD(AT_6.5)
10点
なんと久しぶりの投稿! いい加減ですみません。
最近のフェラーリは妙にカタチが理屈っぽいというか複雑というか、手放しに『カッコいい!』と絶賛できません。F12やFFの後姿を見た瞬間、「トーテムポール?」なんて思ってしまいました。中身は素晴らしいのだろうと信じておりますが。F12はまだ実物を見たことがありませんが、FFは何度か。あるとき高速道路で抜かれたのですが、フェラーリならではのオーラがあまり感じられなかったのがショックでしたね。周囲に紛れてしまいそう。
CLはひたすらでっかいクーペというイメージ。そこまでしてメルセデスV12に乗りたいと思わないし、GTという意味ならSLS AMGの方が魅力的。カッコもね、なんというか無駄極まりない流麗さと言うか、デザインスケッチをそのまま形にしちゃったというか、その非常識な大きさがまあ存在感ではあるのですけど。今回は相手が別世界(リアルスポーツ)寄りだったので、生粋のラグジュアリーツアラー的なCLは浮いちゃいましたね。
ヴァンキッシュは小排気量(?)で頑張ってるので応援したいです。フェラーリやランボの音って音圧が凄くて迫力があるんですが、アストンはちょっと違って、すごく丁寧に調律された耳触りの良い音。前者は「素晴らしい音は素晴らしいエンジンの副産物」的な結果オーライ型。後者はまるでコンサートホールを設計するかのように、車の発する音を細かく研究して、どの音を排除してどの音を残すのか、よ~く練られた「音色」型。いや、もちろんものの例えですよ? 音だけから判断すると、そんな気がする、ということです。
ランボが10点なのは、ひたすら流儀を貫いて新開発のV12を積み、軽くしようってんでカーボン多用してこれまた新開発のシングルクラッチ2ペダルMTを積んで、カッコは以前スペシャルモデルとして出されたレヴェントンそのままという気もしなくはないですが、まあ悪くはない。個人的には、ムルシーSVの方がカッコいいかなぁとは思いますが。で、上位のスペシャルモデルがない(フェラーリでいうF150だとかエンツォだとか)トップエンドに君臨するモデル。でもあのコックピットは取扱説明書を熟読しないと発進すらおぼつかないかも?(笑)
さて、私がV12搭載車で好きなのは599GTO。さすがに6リッター越えは重苦しくて…物理的にではなく、心理的に。一方で、V8はここのところ開発競争に火がついてますね。ターボ技術が発達したおかげで、大きさ、重さ、パワーのバランスが一番良いんでしょう。もっとも、私はターボが好きでないので、フェラーリ458のような超高回転型NAかポルシェ918 SpyderのようなレーシングV8+ハイブリッドに惹かれます。
それにしてもパワー競争、どこまで続くんでしょうね。いつか決断の時はくると思いますが。
この文章は
100万人のクルマ選びについて書かれています(加筆修正)
Posted at 2013/02/13 20:17:51 | |
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【100万人】シリーズ | 日記