
このあとご紹介するランクルを購入するずっと前に、この本を弟からもらった。
「兄ちゃん 一台のクルマを10年 10万キロ乗ってみたいものだね。きっとお金がかかるだろうなぁ~。」と言って手渡された。
今もこの本は借りたまま・・・・。
この本は、金子浩久さんの本 (みんカラされてます)
内容は(ネットから抜粋)
10年または10万キロ以上も1台のクルマに乗り続けた25人を取材。
次々とクルマを乗り換えていく人だけをクルマ好きというのですか? 1台のクルマに長く乗り続けるヒトもクルマ好きじゃないか。そんな25人のヒトとクルマのルポルタージュが本書。長持ちさせる秘訣をまとめたコラム付き。
次々とクルマを乗り換えていく人だけをクルマ好きというのですか? 10年もしくは10万キロ以上も1台のクルマに乗り続けた市井のドライバー25人を取材して綴る、人とクルマのルポルタージュ。クルマを長持ちさせる秘訣をまとめたコラム付き。
この本に登場できたらいいなぁ
新車で買った車を20年乗った記録を残します。
トヨタ ランドクルーザー80 GX
ナローボディ 観音開きリアゲート
パートタイム4WD 5Fシフト 寒冷地+雪国仕様
新車で買った一台を20年乗り続けた。
乗り続けたというより、所有し続けたと言った方が正しいかもしれない。
20年で17万キロは多いか、少ないか?それは人それぞれの感覚であろう。
自分自身としては、このクルマの他に複数のクルマや社用車も乗っていた事から考えれば
車庫クルマの割には良く走った方だと思う。
先日、21年目のための車検を通してきた。
この20年、一度もディラーで車検や点検に出した事がない。
すべて、私の管理下で維持してきた。
毎回のユーザー車検の時に「次回も車検を通すのかな?」と思ってきた。
時間は20年と半年前に戻る。
会社で一泊の旅行があった。他の部門の人から誘われた旅行なので、正直気が乗らなかった。
まぁ、仕事でお世話になっているし、今後の潤滑剤として出席。
3台の自家用車の乗合で行く事になった。
その時、乗せてもらったクルマが「ランクル80 GX」だった。
ランクル80のナローボディがある事など知らなかった。
白一色で商用のバンと思うような「貧乏くさいランクル」と思った。
ランクル80と言えば、VXリミテッドなど豪華がイメージだった。
所有者は初めて話をする人
「よろしくお願いします。」 「おっ よろしく」 といったワイルド系の人
日焼けした顔は、仕事より趣味に生きる感じの人だった。
長身3名が乗車 私は後部座席
前席助手席が元バレー部ということもあり、シートは思いっきり後ろ。
おまけにシートも倒している。
ランクル80と言えども、これでは後席は狭い。
後席はひとつ外され、3人乗り仕様となっていた。
目的地までの所要時間は2時間ほど・・・・。
この狭さに耐えられるかな?
走り出した時に衝撃を感じた。「なんだこのトルク感は・・・・・」
後部座席に乗っていても感じるトルク!
トルクと言う物をはじめて感じたのかもしれない。
「すごいトルクですね!」と私が話題を切り出した。
所有者は「おっわかるか? 今何乗っているんだ?」と会話がはじまった。
ランクル80 GXの素晴らしい事、ウイークポイントなどすべて話してくれた。
自分で整備はしない人だが、よく知っている人。経験値を持っている人。
元バレー部は、クルマに興味が無い人なのでつまらなそう・・・。
話題を変えたかったようだが、ランクル80 GXの話は尽きなかった・
宴会中も翌日もランクル80 GXの話ばかり・・・。
この時は、買い換えるなんていう気持ちは無かった。
こんな骨太なクルマがあるのだな ランドクルーザーのイメージが変わった時でもあった。
自宅に帰るその足でディラーに寄りランクル80のカタログをもらった。
GXに費やしているページなどわずかである。
諸元表などを見ると、とてもチープで力が無いように見える。
価格を見たところ、素の状態で250万円位だったとおもう。
グレードがひとつ上がると、プラス100万円と言った感じだった。
素の状態+パワーウインドウ、集中ドアロック、寒冷地仕様、雪国仕様、ラジオレスとしていくと280万円程だったと思う。
その時に乗っていたハイラックスサーフの新車価格と大差なかった。
その時は家を新築中。これから余分な出費は許されない。
と言うものの欲しい気持ちは高まっている。
新車購入から5年で8万キロ乗ったハイラックスサーフの下取りが120万円程。
当時としては、下取りも良い値だった。
家の借金に混ぜ込んだら買える。
家内に丁寧に説明した。約束事があった。「今度は10年乗ってね」
それまでの私は、中古車を半年から3年くらいでクルマを乗り換えていた。
新車で買ったサーフは珍しく5年乗った。
10年 遠い未来だとその時おもった。
買うと決まった。次にやる事は、少しでも安く買う事。
当時流行っていた「8ナンバーキャンピング仕様」にするために、登録も自分でやるつもりでいた。
急いでいないので、担当してくれた営業マンが数字が欲しい時に合わせて購入する。
クルマを売る以外にいろいろノルマがあるようだったので
費用がかからない事なら、営業マンに全面協力した。
知り合いを通じて、営業マンの上司に「少しでも安くしてやってくれ」と電話してもらった。
また、紹介制度も利用して後でお金が戻ってくるようにもした。
オプションのフロアーマットなどを卸値で買った。
納車時に洗車はいらない。
熱意が通じたのか、キャンピングキットも卸値で提供してくれた。
当時からディーゼル規制の噂があり、車両重量を2500Kg以上にするためのカサ増しもしてくれた。
年末も押し迫った12月25日登録 27日に納車となった。
「今年最後の納車がこのランクルです。思い出深い一台です。」と営業マンは言ってくれた。
(先日、20年ぶりにこの営業マンに偶然会いました。私とランクル80 GXの事をしっかり覚えていてくれました)
オーディオも付いていない車内であったが、ディーゼルエンジンが奏でる低い音が良いBGMとなった。
年末年始走り回ったのは言うまでもない。
基本ノーマル主義なので、ドレスアップはごくわずか・・・。
この20年の間に消耗品を含め交換や追加したものは以下の通り
社外品オーディオ(故障も含め4回ほど交換)
アブソーバー交換(へたりによるもの)
ステアリングダンパー
オイル交換(3300Km毎)
オイルフィルター交換(10000キロ毎)
エアクリーナー交換(二回+車検用ストック)
デフオイル交換(二回)
夏タイヤ(3セット目 ⒉セット目はスタッドレスを夏タイヤとして使用)
冬タイヤ(2セット目)
パワーステフルード(適宜交換)
ブレーキフルード(4年ごとに交換)
クラッチフルード(適宜交換)
クーラント(2年ごと)
バッテリー(4セット目)
ヘッドライト球切れ(3回 左のみ)
レカロシート(2回)
ウインドウレール調整(左後ろドア)
マフラー交換(1回)
フロントパイプ交換(1回)
ワイパーゴム交換
ETC取付
シガーライターソケット追加
燃料フィルター交換(1回)
タイミングベルト(1回)
ウオーターポンプ(1回)
エンジンマウント(1回)
オルタネーター(1回 予防整備)
ラジエターアッパー ロアホース交換(1回)
と当たり前のものばかり。
年数と距離を考えるともっと交換部品等があってもおかしくない。
そのくらいランクル80は故障がなかった。
なぜ、故障が少なかったか?
エンジンを始動する前に予熱ランプが消えて、一呼吸置いてから始動。
始動後、油圧が上がるまで空ぶかしや発信はしない。
暖気を意識しながら、ゆっくりと走り水温計の針が動き出すまでは
控えめに走行した。(ランクルは水温計の針が動き出すまでに時間がかかる)
かなり丁寧な運転を心がけた。
とにかく「急」が付くことはしなかった。
急ブレーキ、急ハンドル、急発進・・・・・。
据え切りハンドルも極力避け、少しも出動いている状態でハンドルを切るようにもした。
ハンドルがロック状態まで回ったら、少し戻してパワーステポンプの負担を減らした。
2速発信も十分可能であるが、必ず1速から発進した。
シフトチェンジも確実にゆっくり丁寧に行った。
ドアを閉めるときは「バン!」と締めずに、半ドアになるかならないかの力で閉めた。
これは、家族にも徹底させた。
同様に窓は必ず閉めた状態でドアを閉める事も徹底した。
中途半端に窓が開いていて、開け閉めするとレールに負担がかかると考えた。
パワーウインドウは、複数同時に開閉する事を電気的な負担から禁じた。
エンジンを切る前に、オーディオやエアコン、ライト類などすべてOFFにしてからエンジンを切った。これは、電気的な負担を軽減することと始動時に電気的な故障を起こさないため。
洗車機にはかけない。一度だけ出先で鳥の糞まみれになったことがあったので洗車機に入れた。
洗車は年に2回ほど。ありがたいことにガレージに保管?できているので、雨風から
完全に守れています。
4年ほど前までは8ナンバーのキャンピングでしたが、税金面を考えて1ナンバーの貨物に構造変更しました。内容的に難しくなかったこともあり、自分で持ち込んで構造変更しました。
1ナンバーになってもキャンピングキットは「積載物」として鎮座しており、当然ながらキャンピングベットとして使用可能です。
ですから、ナンバーが8から1に変わっただけです。
ランクル80の中でもこの「GX」はとても特徴があります。
前期の頃はこのGXの下に「STD」(スタンダード)がありましたが、購入時にはGXが最低グレードとなりました。
最低と言えども、私にとっては十分な装備であり、余分なものが付いていないのもうれしい限りです。余分なものがないことで、故障因子が減る事と重量も少なくなります。
見た目チープなナローボディですが、シンプル(過ぎる)ので流行に流されず飽きがきません。
塗色も白のため正しく「バン」です。リアの観音ドアも個性的で使いやすいドアです。
サイドプロテクターも無いので、のっぺらなサイドも慣れてしまえば気になりません。
購入時7歳だった娘が27歳になりました。
夏休みなどのまとまった休みは、家族3人で出かけ行先も宿も決めず気ままに2泊3日の旅行によく行きました。道の駅などにランクルを停めてキャンピングベットで家内と娘と川の字になって寝たのも良い思い出です。(今でも3人で川の字で寝ています)
「狭い狭い」と言いながらも爆睡し、朝日と共に目覚めるのは格別です。
宿代を節約できたことを考えると、ランクルの車両代は十分に元が取れているでしょう。
トヨタ車なのにナンバーは「・・23」(ニッサン)
これは、たまたま付いてきたナンバー。
我が家のジンクスで、4桁以外のナンバーの車は長く乗るというものがあります。
4輪ではないですが、ヤマハDT200Rは28年乗っています。
1ナンバーに変わるときも「・・23」にしました。
10年ほど前に「査定」をしてもらいました。
その時「100万円」の値が付きました。10年乗っても100万円!
ものすごいリセールバリューです。
今はいくらなのかわかりません。
手放したら海外に売られていくのだろう。
余程の天変地異が無い限り、私の身に何か起きない限り手放さないであろう。
マニュアルトランスミッション、ディーゼルエンジン、パートタイム4WD・・・・。
世の中ダウンサイジングが進み、環境とかエコという名のもとに買い替え促進が推奨され古いクルマには重い税金を加算していく。
本当のエコとは何か?形あるものをいつまでも使い続ける事ではないだろうか?
それは、環境に悪影響を与えるのであろうか?
20年前のディーゼルエンジンは悪なのか?
仮に悪だと言われても、20年前には悪ではなかった。国が認めたクルマを買ったはず。
新車の試乗をしても、心ときめくクルマに出会えない。
出会えないのではなく、古いクルマが染みついてしまっているのかもしれない。
贅沢にも我が家にはあと二台のクルマがある。
その二台を買い替えたり、手放すことはあるだろう。
ランドクルーザー80 GXは、墓場まで持って行きたい一台です。