Scan-Speak Illuminator D3004/604000  

ベリリウム製振動板を使った、1インチサイズのツィーターです｡

車載用製品ではないので耐久性は未知数ですし､取り扱いには注意が必要です｡
※具体的には端子が脆い

morel製の SUPREMO PICCOLO Ⅱというツィーターを使って満足していましたが､ハイレゾ環境になったのでもう少し超高域の伸びが欲しいと思っていました｡

より高域の伸びが良さそうな金属系の振動板を使ったツィーターを試してみたいと思っていたところにみんカラのお友達がこの製品を手放すという話があり､飛びつきました｡

PICCOLO Ⅱよりもバッフルサイズは少し小さいので､ステップアップリングを作ってもらって取り付けしてもらいました｡
バックチャンバーの容積も PICCOLO Ⅱより小さいです｡

端的に言うと､S/N感の高い印象の音がするツィーターです｡

解像感高くて、期待通り金属系の楽器の音色がリアリティ高いです｡　ただ、データ的にも 30kHz 程度までで､超高域がどこまでも抜けていくような印象はないです｡

S/N感高い印象で､空気感の表現が独特です｡
ぶっちゃけ､「高いツィーター付けた」という分かり易い実感が得られます｡(^^;)

屋根が低くて目の前の空間があまり広くないうちの車でも、結構良い感じの空間表現をしてくれます｡

S/N感の高さと裏返しですが､情報量は多いものの、ある程度整理されている印象です｡

付帯音を含め何でもかんでも表現してしまう morel製 SUPREMO PICCOLO Ⅱとは違う音の出方です｡

サブウーファーやミッドバスの設定は全く弄っていませんが､何故かこのツィーターを付けてから低い帯域の音の輪郭がはっきりとして押し出してくる感じで､サブウーファーかサブウーファー用アンプのクオリティが上がったみたいな印象を受けます｡

解像度が高いので、サブウーファーで鳴っている楽器の倍音成分を選別してきっちり描き分けてくれているのかもしれません｡

しばらく楽しんだら再び morel製の SUPREMO PICCOLO Ⅱに戻すかと思っていましたが､本領を出した音を聴いている今では敢えて戻す必要は無いように感じています｡

ただし、メチャクチャ手強いツィーターです｡

本来の音が出るまでに恐らく 250時間くらいの音出しによるエージング（慣らし）が必要です｡

前の持ち主が 3way システムで 6.3kHz から上の設定で1年使った状態で譲り受けました。
使用頻度はそれほど多くなかったようですが､それでも少なく見積もっても 100時間以上、恐らく百数十時間は音出ししています｡

が､私のところに来た時点でまだまだ音が硬く情報量は少なかったです｡

うちの車では 2.5kHz 以上で使っていますが､通勤で毎日 2時間ずつ音を出す私のところに来てしばらくしてから音が変わり始め､2ヶ月少々（140時間程）経ってようやく音が落ち着きました｡

しかも、エージングが急に進み始める最後の数十時間に達するまでは「買ったのは失敗だったか？」との不安に苛まれ続けるような音しか出ません｡(^_^;

その代わり､音がヴェールを剥ぐように急に変わり始めてからの変化代は大きく､しかもその変化が何度も訪れます｡
今まで使ってきた中で､エージングによる変化が一番楽しめたスピーカーですね｡

このツィーターを付けてカーオーディオのコンテストに参加するつもりの方は､十分なエージング期間を確保してください｡