
自分の中ではMK-1クーパーSの次に乗る英国車としてはいかがなものかと思ったりしたのですが、スピットのエンジンを載せられ、ブサイクなウレタンバンパーを被せられ、北米仕様のチャチなインパネになって、あまりにかわいそうなミジェットにいとおしさを感じてしまったようです。
ボクが18歳で初めてミニを買った頃は(日英の1000HL)ラバーバンパーミジェットは結構な数が中古で出回っていて、というか溢れていて、店頭に格安の値段で並んでいたものです。当時はミニHLが3年落ちで150万円くらいでミニMK3が100万円くらい。そんな相場の中でラバーバンパーミジェットも100万円前後、高年式のミニより安かったんですけど全く見向きもしませんでした。
高校生の頃からスクランを欠かさず愛読し、いっちょ前に頭でっかちな英国車知識を詰め込んでたボクはストロンバーグキャブと下げた圧縮比で牙を抜かれ、5マイルバンパーやロスタイルホイールにメッキホイールリムなんて、アメリカのご機嫌伺い的な英国車が大嫌いだったわけです。
それから30年経った去年のある日、麻布通りを軽快に走り抜けるオレンジのウレタンミジェットを見かけました。バンパーもロスタイルホイールもまんまオリジナルで、ボクより少し年上の白髪のおっさんが二人ギュウギュウになって乗ってたのですが、それが何だかやけに羨ましく見えてしまったのですよ。あの青春の日々がフラッシュバックしたといいますか。70年代後半からバブル時代にかけての、日英自動車がミニの輸入を再開した頃の、あの年代にノスタルジーを感じるようになったんでしょうね。MacならポリタンクのG3にグッと来るように、不細工なウレタンミジェットにいとおしさを感じてしまったのです。
前オーナーさんはメッキバンパーにしたかったらしいのですが、そのままの姿で救出できてよかった。メッキバンパー仕様なら寄り道せずに1275のMK-3を買った方がいいと思います。
1275に拘らないんだったら幌骨が組み立て式のMK-2を強烈におすすめします。
なぜなら幌を背負わなくてコクピットのリアまわりがスッキリするから。このリアのスッキリ感はクラシックオープンの重要な見せ所です。
さらにスッキリしたかったらMK-1です。三角窓もドアノブもなくなって、サイドウインドウも無いからドアの上部のRが美しい。さらにはめ込み式のサイドウインドウを立てた姿もクラシックで粋です。
昔はミジェットといえば絶対MK-1を買うべしって思っていたけど、今ではMK-1買うくらいならいっそカニ目にいっちゃった方がいいかなと思ったり、いやいや、やっぱりあのMK-1ミジェットの美しいサイドラインも捨てがたいし・・・。
とか、なんだかんだ言いながら、最終着地点は日常使いもこなせる1275を積んだラウンドアーチのミジェットが最強かもしれないと、今はそう思うのです。
というわけで人生2台目の、25年ぶりのエムジーが我が家にやってきました。
Posted at 2021/06/02 13:54:02 | |
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ミジェット | 日記