Boxster S 試乗コメント
投稿日 : 2008年03月04日
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試乗車はBoxster S、左ハンドル、ティプトロニックSでした。
装備
標準サス、バイキセノンヘッドライト[@187,000]、標準シート+シートヒーター[@73,500]、ウインドディフレクター[@58,000]、フルオートエアコン[@82,000]、etc.
試乗レポートは以下のとおり。
私一人の乗車です。ほとんどの道は大渋滞で、たまに走れる程度でした。
■エンジン
アイドリングからボクサーエンジン独特の迫力のある図太い音を奏でます。
4000min-1ぐらいまでは比較的静かですが、そこから上は更に迫力のあるサウンドに変わります。
Mのメカニカルな音、アルピナの繊細な甲高い音とは全く違う、野性的な音です。しびれます。
ピックアップも非常にいいです。Boxster Sは3.4L、295ps・34.7kgmもありますから、必要にして十分です。
これ以上パワーがあると街中では踏めないですね。
私は2.7Lの245ps・27.8kgmで十分だと感じました。
トルク曲線を見ると3500min-1で谷があるんですね。バリオカム・プラスの効果でしょうか。
ドラマチックな吹け上がりはこういう演出のおかげでしょうかね。
BMWの1300-5000min-1が一定トルクのエンジンではこのようなドラマはありません。まあ、それはそれで凄いのですが・・・
スポーツカーはこういうドラマチックで色気があって、ワクワクしないとダメですね。
■シャーシー
街中では硬いと思いますが、E46Mスポのような不快なものではなく、十分にダンピングが効いており、許容範囲内でした。剛性に関しては、高いとか言うレベルまで走っていませんので分かりません。
標準サスでも十分だと思いましたが、OPのPASM(ポルシェ・アクティブサスペンション・マネージメントシステム)[@273,000]ですと、10mm車高が下がり、ノーマルモードでは標準より乗り心地が良く、スポーツモードでは凄く硬くなり、”アクティブ”ですので、常に最適な減衰が得られるようコントロールされるということです。非常に魅力的ですね。
それにしてもすばらしいハンドリングですね!
これがミッドシップの切れ味ですか。すごいです。
BMWのハンドリングも自動車のお手本のように素直で正確ですが、前にエンジンが無いだけでコレほどまでに違うかと目から鱗でした。
ノーズがひょいっと向きを変えます。ワインディングを走るとさぞかし気持ちいいんだろうな~。
■トランスミッション
ティプトロニックSです。
わたしはATに全く興味がありません。しかし、昔ティプトロが出たときに、スポーツできるAT、ステアリングでアップダウンできるATと、色々話題になり、ポルシェのATはちょっと違うぞ!って思い込みがありました。
正直、今回試乗したほとんど渋滞の道では、その優秀さが発揮できないどころか、逆にギクシャクしていいところが見当たりませんでした。
学習制御とかもあるようですが、わたしはほとんどマニュアルモードで走っていました。
ちょっと気になったのが、”エンジン”の項目でも書きましたトルクの谷間。
ゆっくり走る分にはいいんですけど、ずぼらして低速から一気に加速したいときは少しかったるいです。
ティプトロニックSはドイツ車によくある2速発進です。ポルシェぐらい1速でもいいんじゃないの?って思いますが・・・
あと、変速のアップダウンを親指でポチポチやるのは、も一つ操作性に欠けるように思いました。
パドルが欲しいですね。変速速度はそれなりに速いですが、VWのDSGと比べると普通です。
やっぱりMTに乗ってみたいですね。ちなみにわたしは6MTへのこだわりはありません。
■ブレーキ
ポルシェのブレーキは宇宙一!
こういう思いで踏むとびっくりしました。ちょい踏みでは効きません。カックンブレーキに慣れたおばちゃんなら、きっとオカマ掘るでしょう。
ブレーキサーボのない車を思い出しました。しっかり踏まないと効かない。
今回の渋滞試乗では、一度も宇宙一を実感できるシーンにめぐり合えませんでした。
踏んだら踏んだだけリニアに効く。本来、こういうのがコントロールしやすいブレーキなんでしょうね。
でも、もう少し効いて欲しかった。
ブレーキローターは2.7Lでも迫力のクロスドリルドです。かっちょえ~。
Boxster Sはローター径が大きくなり、キャリパーが赤くなります。ちなみに両車とも対向4ピストンです。
OPでPCCB(ポルシェ・セラミックコンポジット・ブレーキ)[@1,417,500]というのがあります。
サーキットでもバンバン踏めるスゴイやつです。Boxsterではあまり要らないように思います。
■外装
Z4の未来的なデザインと比べると、少々地味ですがZ4が奇抜すぎるということで、まあ、十分に格好良いです。
986から比べると特にフロントデザインが大きく変わりましたので、大きく見えます。いや実際、大きいです。
幅は1800mmもあります。これで1400kg前後に押さえてるのですから、良く頑張っています。
今回の試乗は渋滞でしたがず~っとオープンで走りました。
シートヒーター+ウインドディフレクターの威力は絶大で、全く寒くありませんでした。
それどころか、首より下はポカポカで頭は涼しく、まさしく露天風呂状態で非常に気持ちよかったです。
周りを囲んだミニバンからジロジロと見られまくりましたが、どのように映ってたのでしょうかね?
バイキセノンヘッドライトはダイナミックレバライザーが付いていますが、停止していてもチョコチョコ動くのはどうかと思います。
何だか落ち着きが無かったです。
電動パワーソフトトップは時速50キロまでは動きながらでも開閉できるということです。わたしは壊れると怖いので試しませんでした。
しかもその時はワンタッチ操作になるとか。
Z4はロック機構もオートです。この辺はもう少し改良の余地有りですね。
■内装
986よりずいぶんと質感が高くなりました。全く問題ないです。デザインは986の方がスポーティだと思うのですがいかがでしょうかね。
ステアリングの太さは、BMWのMより凄く細いです。わたしはコレのほうは好きです。
ティプトロニックのボタン操作は好きになれません。
リクライニングだけパワーというシートはいかがなもんでしょうか?全部マニュアルでいいんじゃないの?って思います。
一応、ドリンクホルダーなんかも飛び出てきますが、壊れそうなので使うことは無いでしょう。
元々わたしは車内では飲み食い禁止ですから、無くてもいいです。
メーターはBoxster Sはホワイトメーターです。なんか子供っぽいので2.7Lのブラックがいいです。
スピードメーターの数字は50キロ刻みです。スピードなんて大体分かればいいのでこれで十分ですが、うるさい人が居るのでしょうね。わざわざデジタル表示が付いています。
わたしは数字がヒョコヒョコ変わるのがうっとうしくて、出来ることなら消してしまいたいのですが、可能でしょうかね?
エンジンキーはステアリング左にあります。ポルシェ独特ですが、慣れないですね~。
■その他
キーで前と後ろのトランクのロックを解除できます。一見便利なようで、実は不便です。
シートに座ってキーを挿そうと思ったときに間違って”ポチ”っと押しちゃうと、ガバっと開いちゃいます。
この対策として、1秒間の長押しを推奨します。
Boxsterはそこら辺のカバーを開けてもエンジンは全く見えません。メンテナンスが極端に少なくて済むように考えられているようです。
実際にメンテナンスが少なかったらいいのですが、どうなんでしょうね~。作業性が悪く、かえって割高なような・・・
オーナーになって始めて分かる見積書の恐怖。味わってみたい物です。
カタログを見ると良く分かるのですが、OPで何でも出来ます。要するに基本は全て受注生産。ただし、調子に乗ってアレもコレも付けると、
200,300万ぐらい行きます。アルピナのオプションの値段も驚きましたが、それ以上です。
個人的にはOPは今回の試乗車でMTだったらOKです。
リアルスポーツカーメーカーの車はこういうものかというのが良く分かりました。
正直、Mは乗用車からのアプローチなんだなあってつくづく思いました。
Pの魔力に取り付かれそうです。
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