
(第拾四話を読んでない人は、
コチラを先に読もう)
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「くそぅ、どうしたらいいんだ!?」
「このままじゃ、ズビズバンどころか
俺達の一生が終わっちまう」
必殺ズビパンチも必殺ズビキックも
頼りのズビ吹き矢も、歯が立たない。
元々、ずぶの素人である5人。
まともな訓練も、実戦経験も無く、言われるままに
いきなり敵の本拠地に殴り込んだ事を、後悔し始めていた。
「クックック…どうするズビズバン?。大人しく降参すれば
命だけは助けてやろう」
「仕方ない。ここはDr.毘炎の言う通りに降参しよう」
「そうだな、大体俺達がこんな事できる訳が無かったんだ」
「もしかしたら、Dr.毘炎だったら、このブレスレット
外せるかもしれないわ」
「元々鼻炎の酷い私達なんだから、これ以上花粉が増えても
あまり変わらないと思うし…」
「明日、何曜日か考えたいし…」
「よし、わかった。降…」
そう言いかけた時だった。
空の彼方から、唸りを上げて、巨大な何かが飛んできた。
「な…何だ、あれは!?」
「お約束とリクエストにお答えした、巨大ロボじゃないか!」
「しかし、あのデザインは酷いわ」
「作者の限界を感じたわ」
「もう、何曜日でも良くなった」
巨大ロボから声がした。
「大丈夫か?ズビズバン」
その声は、安息だった。
「その声は、安息のおっさんか!?」
「待っておれ、今助けるからな」
「どうしたんだよ、そんなもの?」
「説明は後じゃ。このデカいのは、儂に任せなさい」
華奮翔の前に立ちはだかる巨大ロボ。
「毘炎博士よ。今こそ、お前の野望をうち砕いてやるっ!
安息ビイィィィ~~~~ムっ!」
巨大ロボの目から強烈な光を発しながら、ビームが華奮翔に
発射されたっ!
「うおおおぉぉぉ…俺はこんな所でくたばるのかあぁぁぁ…」
ビームを受け、断末魔を上げながら華奮翔は倒れ、燃え尽きた。
目の前には、一人残された毘炎がいた。
「残るはお前一人だ、Dr.毘炎」
「うぬぬぅ…こうなったら、最後の手段だっ!」
「どうする気だ!?」
Dr.毘炎の最後の手段、それは…
闇雲に、殴りかかってきただけだった。
さすがに、老人一人に負けるズビズバンでは無かった。
あっさりと「必殺ズビパンチ」一撃で倒してしまった。
「後の事は警察に任せて、我々は研究所に帰るとしよう。
ズビズバンよ。乗り込みたまえ」
ズビズバン達は、巨大ロボに乗り込み、安息と共に帰京した。
…………………………
「どういう事だよ、おっさん!?」
「ちゃんと説明してくれるんだろうな!」
困惑気味のズビズバン達を見ながら、
安息は笑顔で答えた。
「いやいや、驚かせてスマン。こんな事もあろうかと、
昨晩から徹夜で建造したのだ。」
安息は、さらに説明を続けた…
「実は、君達が持って行った吹き矢だがな、
強力除草剤『ラウンドダウン』の他に、
強力栄養剤『HB010』も入っていたのだ」
「何だ?その…『HB010』って」
「これを植物に与えると、猛烈な勢いで成長するのだ。
間違えて敵に与えてしまうと、君達も見た様に
巨大化してしまうのだ」
「どうしてそんな物作ったのよっ!紛らわしいわね」
「『ラウンドダウン』を作った時に偶然出来た、
まぁ『副産物』とでも言おうか」
「あのロボットは、何なんだよ?」
「あれは、我が研究所が極秘且つ迅速に開発した『安息ロボ』だ。
もちろんモデルは儂だ」
「だっせーデザインだな。他に無かったのかよ」
「そこは作者のセンスだ。文句は儂に言うな」
「でもよ、足はどうしたんだよ?」
「時間が無かったんじゃ。まぁ足なんて飾りみたいなもんだ」
「性能は落ちるんじゃ無いのか?」
「なに、現状でも100%出せる様になっとる」
しばしの休憩と、出張先の民宿に置いてきた荷物の手配と、
出張旅費の精算を済ませ、5人は再び安息に呼ばれた。
「さて、毘炎博士も捕まえたし、君達とはお別れじゃな」
安息は5人に語りかけた。
「ああ、もうコリゴリだ」
「早く、こんなブレスレット外してくれよ」
「やっと家に帰れるのね」
「お母さんのご飯が食べたいわ」
「今日は、何曜…もうどうでも良いや」
ブレスレットが外された。
「さあ、これで君達を縛る物は、何もない」
「ああ、もうおっさんの顔を見る事も無いだろうな」
「おお、そうじゃ。これは今日の日当だ」
「サンキュー。おっさん」
ズビズバン…いや、5人の若者が部屋を出ようとしたとき、
安息が声をかけた。
「また何かあった時は、君達にお願いするからな」
「えっ!?何だと?俺達が誰なのか分からないんじゃ無いのか?」
「そんなもの、首相にお願いすれば、君達の素性くらい分かるわい。
大体、君達は社会保険庁のデータを元に集められたのだ。
次もそのデータを調べれば、君達の足取りくらい、すぐに分かる」
「な…なんだってぇぇ!」
しかし、不思議な事に、言葉にならない嬉しさがあった。
『また、集まる日が来るのかもしれないな』
5人の心に、同じ気持ちが湧いてきていた。
しかし、5人は口に出さず、安息に別れを告げた。
「じゃあな、おっさん」
その顔は、笑顔で溢れていた…
おわり
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15回という、作者としても予想外に長い間書いてまいりました
『鼻水戦隊!ズビズバン!」
ですが、今回を持ちまして、最終回とさせて頂きます。
長きに渡り、コメントを下さった皆さま
コメントはくれなかったけど、読んでくださった皆さま
また、どこかでお会いする日があれば、その時は
「しょうが無いなぁ」と、またお付き合い下さいませ。
では、これにて終演っ!
(大団円とも言う)
Posted at 2006/06/08 15:35:21 | |
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ズビ | 日記