
プリメーラUKはその名の通り日産プリメーラの英国生産モデルである。型式はFHP11型、Fは5ドアの略だろうか。日本に輸入されていたのは、そのスポーティ・ラインにおけるトップグレードたる2.0GTのみだ。よく誤解されているが、プリメーラUKというのは2代目プリメーラ5ドアモデル(の日本向け)特有の呼称である。初代P10型にもプリメーラ2.0eGT(FHP10)という英国5ドアモデルがあったが、このeGTには"UK"という名前は冠されていない。現在筆者はFHP11、つまりプリメーラUKの中古車を探しているのだが、中古車検索サイト上ではFHP10も相当数含まれており、面倒だとまでは言わないが検索しづらい状況になっている。FHP10をお探しの方にとっては尚更だろう。
5ドアとセダンの違いは、細かい点まで挙げると枚挙に暇がない。先ずは当たり前のことだがボディそのものが異なる。全長・全幅・全高ともに同寸法ではあるが、Bピラー以降は別物といえる。剛性的に不利なハッチバック・ボディを設計するにあたり、英国日産はその開口部に徹底的な補強を施したと言われている。他に外観上では、リアのコーナーマーカーがクリア化されている点、ルーフ上に設けられたアンテナ、エンブレム類、フロントバンパー左下部のエアスクープ等で5ドアモデルを識別することができる。
内装でまず目につくのはハーフレザーシートだろう。サイドサポート部が本革(シートバックは合皮)になっており、またファブリック部のパターンも本国でIncaと呼ばれる複雑なものとなる。シートそのものも日本のセダンとは異なり、スポーティかつ快適な形状である。しかし、これは比較すればすぐにわかることだが、そのシートこそまさにP10型で絶賛を浴びたスポーツシートそのものであり、何故英国仕様のみでこのシートを引き続き採用したのかを考えるとなかなか興味深い。
インパネ中央の操作系も、国内仕様とは大きく異なる。国内では標準装備のオートエアコンがプリメーラUKではダイヤル式のマニュアルエアコンとなり、またオーディオのスペースは2DINから1DINに縮小されている。その分のスペースは大きなハザード・スイッチ及びリアデフォッガ・スイッチに割り当てられている。また、フロアコンソール周りも僅かながら変更されている。特に目立つのは車両中心軸上に配されたパーキング・ブレーキのレバーで、このために国内仕様で設置されていたドリンク・ホルダーが削られることとなった。
サスペンションのチューニングもUKと日本仕様セダンでは異なり、減衰力、バネレートともに高められたセッティングとなっている。
さらに、"日本仕様"5ドアと"本国仕様"5ドアの違いはおおよそ以下の通りである。
・ボディ全幅(日本仕様1695mm、本国仕様1715mm)
・トランスミッション仕様(日本仕様ATのみ、本国仕様MTのみ)
・各種装備(日本仕様では電動ガラスサンルーフ、6連奏CDチェンジャー、6スピーカサウンドシステム、イモビライザ付きセキュリティシステム及びキーレスエントリー、センターコンソールアルミ風トリム、中央席ヘッドレストが省略され、Cピラー"UK"ステッカー、メッキドアハンドルが装備されている)
・車両重量(日本仕様1300kg、本国仕様1270kg)
実際乗ってどうだったのかは、また次回。
Posted at 2006/07/18 00:45:56 | |
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プリメーラUK | 日記