
四国上陸が 6:30 頃で、給油を済ませて国道11号阿波街道と県道10号さぬき東街道を繋ぎ、8:45 頃には高松の元同居人宅に着いた。
猫2匹と荷物を運び込むのにゆっくり時間を掛けても一時間も掛からない。すぐに取って返しても昼間は道が混むばかりなので、四国から出るのは夜になってから。空いた時間には、
しろとり動物園と先日の
房総ランチ&ツーリングオフで訪れた千葉勝浦のそれの本家本元である徳島勝浦の
ビッグひな祭を見てから帰ろうと目論んでいたのだが、自由に動ける足(クルマ)を持たない元同居人が買物に行きたいというので、
ゆめタウン高松と
イオンモール綾川に付き合った。
走り出すと、えらく乗り心地が悪い。路面の荒れがまんま尻と背中に伝わってきて不快極まりない。荷物を満載することを考慮し自分としては高めの 2.3 kgf/cm^2 に合わせてきたタイヤ空気圧を、空荷になったところで抜こうと思って忘れていた。加えて、思わず冷房を入れてしまったほどの
外気温上昇(29度C)で、かなり高い空気圧になっていると思われる。交通量の少ないところで路肩に寄せて圧を見ると 2.4 kgf/cm^2 を超えていた。普段どおりの 2.0 kgf/cm^2 に合わせたら、乗り心地だけでなくハンドリングも快適になった。
買物の帰り道、峰山にクネクネ道があるよと元同居人が案内してくれた山道を登り詰める。高松のあたりはほぼ平地だが、至るところにポコンポコンと山が生えていて、ここも標高10メートルくらいから一気に200メートル以上駆け上がった (16:24)

そこには
姫塚古墳という看板が立っていた。あとで調べて見たら、このあたりは
石清尾(いわせお)山古墳群なのだそうだ。
ちょっと移動すると景色が開ける。霞んでいるのが少々残念だ (16:34)
元同居人に別れを告げ、帰途につく。
道が渋滞していたこともあって、自分的にはちょっと早いがお気に入りのうどん屋さん
黒田屋で夕食を摂った。一日暑かったので
冷たいものが食べたくなり、進行方向にある
スーパーマーケットに寄る。その流れで、いつもの県道10号さぬき東街道ではなく、昔からの道だという長尾街道を使う。
海岸線に出て、しばらく行くと
『大坂峠入口』交差点が現れる (20:39)

あとから地図を眺めていて、そのまま長尾街道からまっすぐ
星越峠に向かえば良かったなぁと思ったのだが、このときは思い浮かばなかった。頭に有ったルートは、このクルマではまだ走ったことのない
大坂峠経由
卯辰越である。
昨年の夏は、二ヶ月ばかり元同居人宅に滞在していた。8月に自転車で淡路島を一周しようと出掛けて行ったのだが、心臓の具合が悪く走り始めてすぐに断念した。時間的に余裕があったので高松自動車道を途中で降りて下道で戻ることにした。
そのとき、カーナビに案内されて通った県道一号の徳島と香川を分ける県境が
大坂峠だ。この道のあまりの楽しさに淡路島一周に失敗して落ち込んでいた気持ちなどすっかり消え去ってどうでも良くなり、それよりもここを自転車で走りたいと思った。以来、大のお気に入りとなった道なのである (^^;
で、
大坂峠って、どんな道?
↓ こんな道(笑 (20:43)

カーナビを撮ったものだが、左端の道が画面から切れているところがちょうど
大坂峠になる。
その後、10月には実際に自転車で走った。クルマだと道が登っているか下っているかは分かっても、どうしても勾配には鈍感になってしまう。思っていたよりも勾配は緩く、最もきついところで5パーセントくらいだったんじゃないだろうか。この勾配の緩さは、昔から馬車や牛車で越えていた道そのものを拡幅したが故なのかな?と想像してみたり。
ガードレールの向こう側はすっぱりと切れていて、落ちると海まで真っ逆さま (20:46)

――というのは冗談だが、運が良くても落ちる先は今登って来た道で、遠くに見えている灯りが海岸線である。
落石を警告する看板が多く立ち、実際ところどころに落石があり、崩れたと思しき痕跡も多数見受けられる。ときには道を塞ぐような大きなそれもあるようだが、そこはそれ香川と徳島の県道一号だけのことはあり、速攻で改修されているようだ。
大坂峠にある分岐から
展望休憩所に登る (20:55)

右側の真っ暗な部分は海で、右下の隅っこに見える薄暗い灯りは『大坂峠入口』交差点のもの。ちょうど真ん中の一番上、最も遠くに見える灯りのほうから走って来たわけだ。
#それが高松の灯りなのかどうかは知らないが (^^;
展望休憩所は駐車場から階段を登るのだが、夜は何も照明がなく真っ暗闇、懐中電灯なしで歩くのは不可能だ。
実は、ピークの四阿まで辿り着いたら、奥の藪のほうから獣の唸り声が聞こえてきてちょっとビビった。ザックから熊鈴を取り出して左手で鳴らしながら、右手の携帯電話でこの写真を撮り、そそくさとその場から退散した。後で落ち着いてから考えてみると、それはピークに設置されている吹流しのロープが擦れて発する音だったかもしれない(笑
展望休憩所から下って、県境を示す看板@
大坂峠 (21:00)
大坂峠は、実はこの峠道のピークではない。ピークは板野町と鳴門市を分ける
大坂越だ (21:07)
大坂越には県道一号のヘキサ看板も立っている。奥の右コーナーの手前で藪が切れているのは登山道だ。
大坂峠から
大坂越までは、それまでよりももっと勾配が緩くなり、ほとんど平坦と云っても良いくらい。
大坂越から南は、はっきりと下る。まもなく道が太くなりセンターラインが現れたら、そこにベタノ谷に沿って卯辰越方面へ抜けられる道の分岐がある。
大坂越から下ってくると、左(東)へスイッチバック。さらにもう一回現れる分岐Yの字を右。
まもなく、
ダート・イン! (^^; (21:19)

素晴らしい良好ダート。乗っているのがラリー車だったら、迷わずフラットアウトするところ。
だが、右側の青いネットは有ってもなくても同じ。ネットの向こう側には木が生えているが、場所によっては真っ暗闇で、おそらく落ちたらベタノ谷の底へ向かって冗談ではなく一直線だろう。タイヤは標準装備のエコタイヤ、サイドカットしたらそこでお終いだ。それに、一昨日
下回りをじっくり眺めたおかげで、このクルマがダート走行に向かないことは良~く分かっている。左側の側溝に前輪を落としたらヤバい。ロアアームがクシャって動けなくなる。絶対何も起こらない速度でしか下れない。
そう、道は下っている。前にこの林道に進入したのは逆方向からで、そういえばずっと登りだった。今回はずっと下り、大好きなダートの下り。速度を上げたい衝動に駆られてムズムズする (^^;
コーナーのところどころが舗装されている。舗装されているところは、要するに崩れ易いところだから、何かあるかもしれないと思っておけば良い。
ほ~ら、コーナーの立ち上がりがいきなり狭くなってるぞ! (21:23)

最近のペースノートラリーではどうなのかしらないが、自分が出ていた頃のシークレットコースなラリーならコーナー手前に危険看板が立つところ。なかったら、ロープを引きちぎり、木を薙ぎ倒して暗闇へダイビングだ (^^;
お~っと、今度は道が石だらけになってるぜ! (21:23)

スライドしてこれにタイヤのサイドを引っ掛けたら、ラリータイヤでも簡単に裂けるだろう。充分に速度を落とし、トレッド面で踏みつけるようにして慎重にクリアする。
その代わり、ダート区間はみな路面が良好でコーナーも広い。それが分かってきて、少し速度を上げはじめたら途端に林道の終点になってしまった。戻ってもう一往復しようかと一瞬思ったが、過去の経験からそういうことをするとろくなことにならないと学習しているので、そのまま先に進む (^^;
満足は全然できないが、まあ、それなりには楽しめた :-)
林道を出て右(南)へ登り切ったところが
卯辰越だ (21:33)

ここは非常に由緒ある峠らしく、付近にはいろいろなものが立ち並んでいる。
今回は夜遅い上に北から吹き付ける風が強く、クルマを揺さぶられて外に出る気になれなかったが、とてもありがたいことに山林所有者の大平畜産が
卯辰越付近の敷地を無料駐車場として開放しくれており、クルマで来て付近を散策することが可能だ。おかげで、ここを起点に自転車で
大坂峠と
大坂越を
周回してくることができた。
道の勾配は
大坂峠よりも急で、最もきついところは10パーセントを超えていたと記憶する。だが、道幅はこちらのほうが倍近く広く、ずっと走り易い。
大坂峠から
大坂越にかけては一台のクルマとも出会わなかったが、こちらでは5~6台とすれ違った。
卯辰越を南に下ると、右側に
道の駅第九の里がある (21:45)

ただし、自分の知る限り最も駐車スペースの少ない道の駅だ。
ここまで来れば、いつも給油する
空港近くのガソリンスタンドまではすぐ。
走行 191 km ガス 10 L 燃費 19.1 km/l は、峠道でそれなりに踏んで走ったことを考えれば悪くない。峠道を除けば 20 km/l 以上走っているだろう。
※復路編に続く