
公共の交通機関を後継いで、上海の町中を徒歩で歩き出すと、まず初めての人は日本との交通マナーの格差に驚くであろう。
・建前は歩行者優先であるが、実態は完全な車優先
・市内はクラクションの音が絶えず鳴り響いている(五月蠅すぎ!)
・スクーターはほとんどが電動(音がしないので背後からくると超危険)
※ 写真
・譲り合いの精神は皆無
・明らかな整備不良車が平気で公道を走る(オイルが燃料と混じっている)
・排ガスがすごい(排ガス規制が無い?)
・車が汚い(高級車も汚いので高級に見えない)
まだまだあるが、ざっとこんなもんだ。私も初めて上海に行ったときは、車やバイクに幾度となく轢かれそうになり危ない思いをしが、現地人からすれば普通のことなのだろうけど。。。
日本であれば、歩行者優先で横断歩道のみならず歩行者が歩いていれば、車は停止あるいは徐行して歩行者の安全を最優先にするが、中国は違う、歩行者がいようものなら、まずクラクションだ。歩行者が気が付いて道を譲るなりして車の進路を空けない限り、MAXでクラクションを鳴らし続ける。むろん横断歩道などあってないようなもので、全く信用できるような代物ではない。
北米と同じで、赤信号でも右折(日本でいうところの左折)してもよいので、歩行者が横断歩道を歩いていても車がクラクションを鳴らしながらバンバンと突っ込んでくる。北米と違うところは、歩行者の安全を優先した上で右折してもよいというところが中国では完全に抜けている。
現地人に、中国は車優先社会なのか?と聞くと、そうではなくやはり歩行者優先だと言い張っている。その優先とは万が一にも人を轢いてしまった場合は、車が悪くなるという意味での「優先」であり、マナーという観点ではない。
昨年、中国のニースで、車が歩行者を轢き、驚いたことにこの車は、歩行者を救助活動をするどころか、戻って再度轢いて殺してしまったというのをご存じの方もいるだろう。事件の背景は、大きな怪我を負わせ障害でも残ろうものなら、経済的に一生被害者の面倒を見る必要があるが、死んでしまえば一度償えばそれで済むので、殺したというものだ。現地人に聞くと中国では良くある事だそうだ。もっとも、こういたことには裏と表が常に存在しており、賠償金目当てに、車に当たりをする「歩行者の当たり屋」がいるのも事実だ。
車と歩行者に限らず、車と車でも全く譲り合うようなことはなく、車の頭1/3が入る隙間があれば割り込んでくる。とにかく上海のドライバーは隙間があればレーンチェンジをすかさずする。そこで、割り込まれた方はまたクラクションで、とにかく四六時中五月蠅い。
丁度、日本でいう渋滞中の高速道路でやたらレーンチェンジをする輩がいるが、これを一部のドライバーではなく多くのドライバーがそういうことをするものだから、酷いものだ。しかも、渋滞中の道路でなくてもこれをするものだから危ない上に、交通効率もよくない。上海市内の渋滞の原因の何割かは、間違いなくこれが原因だ。
自ら渋滞を引き起こし、マナーの悪さから更に渋滞を悪化させている。完全に負のスパイラルに陥っている。なんで、中国人はこんな簡単なことが分からないのか理解に苦しむ。実際は、わかっているのかもしれないが、止められないってところが、中国人なのであろう。「自分優先」の完全個人主義である。
それでも、このようなクラクションや無理な割込で、日本では間違いなくケンカになるケースが、こちらでは日常的に普通のことなのでケンカには決してならない。
よくケンカにならないね?現地人に聞くと、「やり過ぎるとケンカになる」と答えたが、やり過ぎのラインがどこにあるのかが全く想像できない。完全に日本人の考えるラインは超えている。
渋滞、整備不良、排ガス規制の甘さ、大排気量を好む国民性(見栄)、これらの要素が混じり合い、上海で青空を見ることは滅多にない。晴れて、日差しがあるのに空を見上げると、どんより曇っている。
これが雲ではなく大気汚染のスモッグである。田舎育ちの田舎大好き人間の私からすれば、こんなところに住めたものではないという率直な感想だ。
ついでに言っておくが、水道水は完全にアウトだ。世界的に見て、日本の水道水の質が高いということを勘案しても、上海の水道水の質の低さには驚く。見た目からして黄色く濁っている、そして薬品の臭いがして気持ち悪いし、飲むどころか、シャワーや風呂に使うのさえ躊躇するぐらいだ。現地人でさえも、水道水は飲まず蒸留水かミネラルウォーターを利用している。
それでも、経済的弱者は、水道水を飲まざるを得ないが、一応は沸騰させてから利用しているとは聞いているが、そういった問題ではない。ばい菌ではなく科学物質なので煮沸の意味はあまりない。
今や、世界第2位の経済大国となった中国ではあるが、衛生・環境面でのインフラ整備はまだまだといったところだ。更にいうと、急速に経済成長を遂げたものだから、国民の意識が経済の成長が追いついていってないのだろう。なので国もその辺はいい加減だ。
(追伸)
本編とは、関係ないが。。。
昨今の尖閣問題でも中国政府の言い分は完全に論路崩壊している。にも関わらず自国の言い分を根拠もなく平然と「正しい」と言い張れる、それもまた中国である。私は、右か左かと言えば右よりな考え方の人間であるが、説明が論理的かどうかはニュートラルに判断できると思っている。中国政府の論理は、論理ですらない。幼児の駄々と同じレベルだ。
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中国クルマ・交通事情 | 日記
Posted at
2012/04/19 10:16:19