2006年06月14日
LEDは確かに省電力ですが電球に比べると発行面積が小さいために(電球はフィラメント全体が発光するが、LEDが光っているのは素子のゴマ粒程の1点のみ)単体では視認性を重視する保安部品としては使えません。
たくさんのLEDを配置し、発光面積を稼ぐ必要が有ります。ここでは効率良くLEDを配置するためにLEDの直列と並列回路を組み合わせる方法について説明しましょう。
・----[回路①]--[回路②]--[回路③]----・
上記図は直列回路です。
電圧は回路①+回路②+回路③の総和になります。電流は回路①~③のどこを取っても同じです。
|----[回路①]----|
|----[回路②]----|
|----[回路③]----|
上記図は並列回路です。
電流は回路①+回路②+回路③の総和になります。電圧は回路①~③のどこを取っても同じです。
LED講座①でもちょっと説明しましたが、電気を水に例えるとわかりやすいと思います。川の流れにすると電圧は高低差、電流は水量と考えれば良いでしょう。
直列の場合、途中の高低差(例えば滝)が合って途中途中の水圧は違うでしょうが、流れる水量そのものは変わりません。
並列の場合は枝分かれした川が合流すると思えば、初めと終わりの高低差は同じですが、流れる川の太さ(水量)はそれぞれ違うかもしれません。
上記のように考えると理解しやすいと思います。
例①)
+12V・----[LED①]--[LED②]--[LED③]--[抵抗]-----・-
上記回路は直列回路です。
電圧はLED①+LED②+LED③+抵抗にかかる総和になります。
LED①②③がそれぞれ2.5V、20mA(=0.02A)定格だとすると、抵抗側にかかる電圧は、12-(2.5+2.5+2.5)=4.5Vとなります。
LED講座②でも説明しましたが、20mA(=0.02A)の電流を流すためには、R=V/I=4.5/0.02=225Ωで、あれば良いわけです。
例②)
+12V
|----[LED①]--[LED②]--------------------[抵抗①]-----|
|----[LED③]--[LED④]--[LED⑤]-----------[抵抗②]-----|
|----[LED⑥]--[LED⑦]--[LED⑧]--[LED⑨]--[抵抗③]-----|
上記回路は直列と並列回路の組み合わせです。
LED①~⑨がそれぞれ2.5V、20mA(=0.02A)定格だとすると、
抵抗①→R=V/I=(12-(2.5x2))/0.02=350Ω。
抵抗②→R=V/I=(12-(2.5x3))/0.02=225Ω。
抵抗③→R=V/I=(12-(2.5x4))/0.02=100Ω。
と計算できます。
また、LED講座②でも触れましたが、抵抗側にかかる電圧が少ないほど、電源電圧変動による電流への影響をモロに受けます。
例②での電源電圧が12V→14.4V(高速走行時を想定)になったとしましょう。電流を計算すると、
抵抗①を流れる電流→I=V/R=(14.4-(2.5x2))/350=27mA。
抵抗②を流れる電流→I=V/R=(14.4-(2.5x3))/225=30mA。
抵抗③を流れる電流→I=V/R=(14.4-(2.5x4))/100=44mA。
となってLEDx4の回路は定格の倍以上流れる計算になります。
基本的には電源電圧は車の場合は常に変動するので平均して13.8V、抵抗値に+5%位の安全マージンを上乗せするのがセオリーです。
上記のようにLEDの数が増えると、それだけ電源電圧の影響を受けやすくなります。
基本的に2個、3個の回路を組み合わせて使うのが安全と効率のバランスが良いと思います。
ちなみに私は耐性高いLEDをチョイスして使っているので、4個のパターンが一番多いです。^^;
#ここから先は一人言ですので、聞き流してください。
ちなみに私は定格20mAのLEDに標準で30mA近く流してオーバーカレント(過電流)させてます。
実験の結果、台湾や韓国製のLEDにはかなりの耐性があり、定格の1.5倍くらいまではリニアに明るさが変化し、それ以上流しても明るさは変わりませんでした。
連続点灯では50mA流して300Hくらい点灯させても大丈夫だという実験結果が出ています。中国製や日本製はけっこうシビアです。火を噴きます。マジに--;
次回予告:テールへの応用
Posted at 2006/06/14 18:18:29 | |
トラックバック(0) |
LED | 日記
2006年06月14日
LEDが省電力と言われる所以は極めて少ない必要電流によるところが多く、例えばポジション球などに使われるウェッジ球は12V 5W程度のものが多いです。ウェッジ球の電流を計算すると5/12=0.42A=420mA。
一般的なLEDは定格2.5V、20mAのものが多く、消費電力にすると2.5x0.02=0.05Wでウェッジ球の12V 420mA 5Wに比べると約1/100の電力消費ということになり、数字だけでもかなり省電力なのがわかります。
しかし、定格2.5VのLEDはそのままでは車の12V電源には使えません。ここでは抵抗を使って簡単にLEDにかける電圧電流をレギュレーション(減衰)させる方法論について記します。
例①)
+12V・----[LED]---------・-
LED=2.5V 20mA定格
上記のような配線をした場合、LEDの両端に12Vが掛かってLEDが死にます。
これを防ぐために抵抗を入れて電流を制限させてやる必要が有ります。
例②)
+12V・----[LED]----[抵抗]-----・-
上記の場合、LED側に2.5V、抵抗側に9.5Vの比率になれば総和として12Vになるわけです。
直列の場合は電圧はLED側と抵抗側との総和ですが電流は一定なので、抵抗側に流れる電流を定格の20mAを流してやればちょうど良いことになります。
9.5Vかかっている抵抗側に20mA流すために必要な抵抗値はオームの法則を用いて...
R=V/I=9.5/0.02=475Ω
となります。
また、定電流ダイオード(CRD)と言う素子を使って電流を制限させてやる方法もあります。
CRDとは電圧に関係なしに一定の電流しか流さない素子の事を言います。ちょうど一定温度以上になると勝手に電源を切るサーモスタットの原理とよく似ています。
車のようにエンジン停止状態と高速走行時で11.8~14.4V程も電圧変動がある場合、電圧変動によって抵抗側にかかる電圧が変動し、結果的に過電流でLEDを壊してしまう事になりかねません。
例③)
例②の電源電圧が14.4Vになった場合
I=V/R=(14.4-2.5)/475=25mA
20mA→25mAで+5mA増大。
次回詳しくは説明しますが、抵抗側にかかる電圧が少ないほど電源電圧変動による電流変動が大きくなります。
ではなぜ、CRDを使わないのか?
答えはCRDは高い(下手すっと安売りのLEDより高い)。そして世の中に出回っているLED用のCRD(もともとLED用ではないのだが)は15mAと10mA用しか存在せず、きっちり20mA流したいときに、組み合わせが面倒だからです。
また、一般に使うLED用の抵抗には1/6W、1/4W、1/2W、1Wタイプというのがあり、素材もカーボン皮膜や金属皮膜とあります。
タイプとは抵抗で消費する電力に応じて決まります。
例えば例②の場合だと抵抗にかかる電圧が9.5V、電流が20mA流れます。抵抗の消費電力を計算するとW=IV=9.5x0.02=0.19Wになります。
一番小さい1/6W(=0.167W)タイプだとオーバーで1/4W(=0.25W)タイプだとアンダーになります。LEDが複数以上であれば抵抗側にかかる電圧が低くなるので、当然抵抗で消費する電力も少なくなります。
ならば1/4Wで良いかというとそうでもなくて、余裕をもって30%くらい消費電力を上乗せしてするのがセオリーです。
素材はカーボンよりも金属皮膜の方が耐久性は高いです。
次回予告:並列と直列
Posted at 2006/06/14 12:23:22 | |
トラックバック(0) |
LED | 日記