2006年01月30日
今日の車評はスプリンターGTです。
平成3年式、1600の4AGを積んだAE101で、バブリーな時代の産物なんですね。
だってしっかりとしたプレスドアのセダンなんて今の時代じゃ考えられないでしょう?
デザインは当時のトヨタの横串が通ったもので、すっきりしてていいと思います。
あまりに街中で多く見かけるので新味はないですが、このサイズにしては割りと存在感があるのではないでしょうか?
(シルエット的には11系セルシオを髣髴とさせます)
またボディの面と面のすきま(チリ)が均一に、
しかも詰められているのがこの代のポイント。
現代のトヨタ車はもっと進んじゃってますが、これでも十分すごいと思います。カチッとした第一印象はこんなところから生まれてくるんですね。
実際ドアを開け閉めしてみても、その音は本当にカチッとしたものです。最近の車はドアの開閉音までチューンされてるので、確かめる気にもならないのですが、
この時代のクルマがこういう音をしているのは立派だと思います。
インテリアはデザインこそオーソドックスなものの、非常に高い質感を実現していると思います。僕的にはこれ以上のものは必要ないって感じです!
外装と同様、部品と部品のチリが詰められていて、それだけで高品質な感じがしてきちゃいます。実際はそれは工作精度の問題なんで、お金がかかっているかどうかは別問題なんですけど、トヨタは当時から顧客の受けを狙うのがうまかったようです。
またこの独特の包まれ感も大好きです。センタークラスターが微妙にドライバー側に向いていて、ドアトリムの造形、シートのホールド感と共に絶妙な雰囲気なんです。これは最近の背の高いクルマだと少なくなってきたものです。この「包まれ感」ってけっこう大事だと思うんですけど……
ただシートの柄や、内装全体の配色は僕にはちょっと受け付けられません。特に当時のトヨタのスポーツグレード(むろんこのクルマも)というのは、暗めの内装色に独特のシート柄という組み合わせでワンパターンでした。
あまりセンス良くないですし、これだと運転してて暗い気分になってしまいそうです。
当時からもっといい内装を提案できていれば、スポーツカーはもっと生き残れていたかもしれません!?
そして走行性能ですが、GTの場合街乗りだとトルクが不足し過ぎです。しかもAT車なので、
「これ1300ccなのでは?」
と思うほどカッタルイと思います。
もちろんぶん回せば速く走ってくれますが、街中でそんなことをやってもぜんぜんスムーズじゃないし、第一危ないですよね?
ちなみに普通のハイメカツインカム系だと1.3リッターでもすごくトルクフルで乗りやすかった記憶があります。ちなみにそっちの馬力は80ちょっとだったはず。。
つまり4AG(160馬力)の半分。
それなのにそっちの方が速く感じるってのは、トルクやセッティングの重要性を感じさせてくれます。
「輸入車はスペック以上の性能」
といわれてる所以はこのあたりにあるかも知れません。
しかしそんな4AGもワインディングロードに持ち込めば爽快な走りを楽しめます。
レッドゾーンはもう相当な高回転ですが、振動も騒音も気にさせずに気持ちよく吹け上がってくれるのです。
ただ回転の上がり方は割と大人しく、刺激的な印象はありません。ビギナーでも安心して飛ばせる感じはしますけど……。
ホンダVTECのように
「ソソル」
音やレスポンスで挑発してくることはないのです。
どっちかいいかといったら「好みの問題」としか言いようがありませんが……
乗り心地はすごくよく、ハンドリングも良好です。
今のトヨタ社はリアサスがみんなリジッドになってしまってますが、この時代は4独なので贅沢そのもの。
ストラットなので、ダブルウッシュボーンのシビックには「接地感が劣るかな」という印象は残ります。
また車体の動きを意識しやすいのもやはりシビックで、絶対的性能ではちょっとかなわないかもしれません。
ただある程度のスピードで切り込んだときのネバリ感(微修正)はスプリンターの方がうえだと思います。ファミリーカーらしく弱アンダーステアをうまく出すセッティングのようで、
僕くらいの腕の人間にはちょうどいい感じがしました。
Posted at 2006/01/30 01:41:13 | |
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旧いクルマ評論!? | 日記