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2012年10月17日

SRエンジンの 高回転域での弱点とは

SRエンジンの 高回転域での弱点とは 以前 Amebloの方に書き込んで、
良くも悪くも(?)アクセス数の方に反響があった、
この「日産・SRエンジン」の、弱点に関する記事。


せっかくの車関連記事なので
みんカラの方にも載せてみます



※当記事は2010年に雑誌等で知り得た情報を基に自己分析し、
Amebloにて投稿した記事を、加筆修正したモノです


各チューニング系クルマ雑誌では
生産終了した今でも引っ張りダコな「日産シルビア・180sx」

この車に搭載され、
現在に至るまでアフターパーツの開発・生産が絶えないのがSRエンジン

そういった雑誌の文面でよく見かけるのが、「SRエンジンは高回転が弱い」という文書。

雑誌を熱心に読む走り屋予備軍にとっては、
“知ったかぶり特有の口上”として 表面的な意味では常識としてまかり通っているようですが、

でも、なぜ弱いのか? なぜ回しちゃ駄目なのか?
機械構造という面で、ハッキリと理解できてる予備軍は多くは居ないと思います。

詳しく知らないのに、
さも決め付けるように「SRは高回転はダメだ!」なんていっても、
車に乗っていようがいまいが、ただの知ったかに過ぎないですよね?

そう思ったので、一念発起 勉強しました
車に乗れなくても、せめて知識だけは正しく長けていたいですから。

というわけで、
「高回転が弱い」と指摘される理由と思われる
SRエンジンのラッシュアジャスターとロッカーアームについて少し勉強してみました

※参考資料は三栄書房・講談社の各チューニング雑誌・ビデオ系全般です

そこでわかったのが、
SR20エンジンって、今ではもう廃盤とは言え
近年のエンジンでは珍しい設計のエンジンだったということ。

カムの駆動は昔ながらのチェーンで、バルブはロッカーアームを介して開閉されています
同じ日産車でも 他のメーカーでも、
スポーツカーに積むエンジンにこういった方式を採用している例は無いですよね。
もしあるとすらならホンダのVTECがそれなのですが、こちらはまた特殊なので今回は除きます

バルブクリアランスの調整が不要になる油圧式ラッシュアジャスターを採用したのは良いとして、
そこにロッカーアームを組合せてるのがいただけない。と、よく誌面でチューナーが言っていました。

普通の運転状況ではメリットになるものの、
レブリミット付近まで回ることが予想されるスポーツ走行ではデメリットになってしまうそうです。

スポーツカーのエンジンなのに、これで良いんかいな(^_^;)

・・・いや、でも 元々シルビアは「デートカー」という位置付けのはず・・・
スポーツカーだろッ!と言って、鞭打つが如くチューニングする我々の方が間違ってるのか?;

とりあえず
参考に、他のエンジンと仕組みを比べてみましょう

○RB26DETT/1JZーGTE/4AG○

カムが直接バルブを開閉するため、
「直打式」または「直動式」と呼ばれるメカニズムで、高回転向きのエンジンに採用される方式です。
ラッシュアジャスター機構が無いので、一定のバルブクリアランスをシムで調整する手間がある代わり、
ダイレクトなバルブ開閉動作が得られるので、
カムの作用角やバルタイ(可変バルブタイミング)がギリギリまでシビアに煮詰められるという魅力があるのです

トヨタは流石ヤマハが設計に携わってるだけに、設計が一言にスパルタン
4AーGや3SーGTなど、スポーティーカーに搭載されるエンジンの殆どがラッシュアジャスターを持たない機構です
メンテナンスの手間は、気持ちのいい高回転サウンドの代償なのでしょうね(^_^;)

あまり知られていませんが、
RB系エンジンでも、RB26だけはこの方式(=直動(直打)式)を採用しています


○RB25DET/RB20DET○

先の直動式に分類されますが、油圧ラッシュアジャスターがバルブの“上に”あります。
行程としては、[カム]→[ラッシュアジャスター]→[シム]→[バルブ]


○SR20DET○

行程は、[カム]→{[ロッカーアーム][ラッシュアジャスター]}→[シム]→[バルブ]

メリットとしては、
・バルブクリアランスをゼロに自動調整するため、シムの厚みが調整不要な点
・メカニカルノイズが低減
・ロッカーアームを介すことでバルブのリフト量を稼げる点
・バルブの挟み角が広げられ、エンジンの高さを低く抑えられる点

逆に、デメリットとは、
・ラッシュアジャスターは高回転での追従性が悪い点
・パーツ点数が増えることでトラブルの可能性や、エンジン総重量が増える点


こうして比較すると、いかにRB26や4AGが高回転向きのエンジンか、わかりますね
RBエンジンは「レブらせながらつなげて…」なんて状態があるのに、
SRエンジンは「レブらせたらアカン!」と言われる由縁が、ここにあるんだなぁ~


SRのデメリットの、最悪の状況とされるのが“ロッカーアーム飛び”
とあるドリフト雑誌では「SRエンジン乗りは、必ず予備のロッカーアームを持ち合わす!」程なのだとか。
やはり高回転を多用するドリフト走行競技ゆえ、こういった症状は顕著に現れる・・・という事なのでしょう

なぜロッカーアームが飛ぶか?

高回転を多用したり、オイル管理が悪いゆえに引き起こる、
カムとの接触面にひっかかりがあると、ロッカーアームが暴れて本来あるべき場所から脱落します。
結果、その場所のバルブは動かなくなるので、
いわば一気筒死んだ状態になります。 (ちまたの「一発死んだ」という表現はこの事)

ロッカーアームが暴れて、異常音(擦れるような金属音やガラガラ音)も出るそうな。
ヘッドカバーを開けてロッカーアームを元の位置に戻せれば事なきですし、
それで直ってしまい、事なきを得られるケースもありますが、大半は【飛ぶ=割れる】だそうです。

D1SLやドラッグ競技でSRエンジン車に乗る選手の大半も、
スペアのロッカーアームを持つほどとの事ですからね。確率はかなり高いのでしょう。

でも割れた場合、しっかりと割れた破片を拾ってから組み付けないと、
カムやらロッカーアームやらスプリングに挟まって…エンジンブロー直行になりかねませんよね;
カムチェーンの穴からオイルパンに落ちているケースもあるそうです。


これらのトラブル対策として、以下があります。

・ロッカーアームストッパーの装着
ロッカーアームが飛ぶのをガードしてくれるパーツです
効果の割に、各社1万円を切るというコストパフォーマンスが魅力と言えますね

・強化ロッカーアームへの交換
勘違いされがちですが、強化といっても材質変更ではなく、接触面の改善です
特殊コーティングを施して油膜切れを防いでくれる効果を出し、カム接触面での“ひっかかり”を低減します
傷つき難く滑りやすくというわけですな(笑)

・ラッシュアジャスターの廃止
直動式に近い状態にすることで、高回転での追従性をアップさせます
バルブクリアランスは自動ではなくシム調整になるので、専用のシムとそれなりの調整技術が必要とされます
ラッシュアジャスター式より正確でスピーディなバルブ開閉が可能となるため、
よりアグレッシブかつ突っ込んだプロフィールのカムが使えるようになるというのが、最大の魅力です

さて、
今回は“ラッシュアジャスター”と“ロッカーアーム”について注目しつつ、
“SRエンジンの高回転域”という弱点の研究をしてはみましたが…

どうやら
まだまだSRには弱点があるようです(^_^;)

点火系のハーネスは有名ですが…
そもそもエンジンがアルミ製だから熱に弱い=高回転・高負荷に辛い
・・・という、そもそもの根底をも揺るがしかねない弱点が((((゜д゜;))))ウワァァァ

次回、機会があればそのときは、
これらを踏まえた「レブアップチューン」とは何か? 各ショップが提唱するチューンの仕組みとは?

・・・といった具合に、探っていきたいと思います (^_^)

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Posted at 2012/10/17 21:03:17

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この記事へのコメント

2012年10月18日 21:26
初めまして、およよやまと申します。
ブログ村ドリフトトラコミュから飛んできました。
トラコミュ管理人としてお礼のご挨拶に。
トラックバックありがとうございます。これからも宜しくお願いいたします。
気の利いたコメント残せないでゴメンネ。
帰りにポチっていきますね~
コメントへの返答
2012年10月23日 2:09
とんでもございません!
こちらこそ、どうもありがとうございますm(_ _)m

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「TOYOTA GAZOO Racing Rally Challenge 地区戦 蘭越に コ・ドライバーとして参戦する運びとなりました。
参戦前整備パートと、蘭越のスタートラインまで参戦車両を陸送を担当するので、もはや参加過程の道中がラリーかも知れません。
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何シテル?   05/20 11:03
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