
久しぶりの遥かなる…シリーズです。
と言っても、1人で勝手にひっそりとシリーズしているだけなのですが。。。
今回の目的はあの!奥只見シルバーライン!!!
といっても何処だよwって方も少なくは無いでしょうが
トンネル好きなら知らない人はいないであろう
唯一無二の存在感を誇る道。
初めて存在を知ったのは、かれこれ10年近く前のこと。
それ以来、自分の走ってみたい道ランキングの不動の1位に輝き続け
今回、10年越しの憧れと想いを胸に、奥只見シルバーラインを拝奉します。
※注意。今回はめちゃんこ長くなります。
なにがそんなにすごいのか。
初めに簡単に奥只見シルバーラインについて解説。
奥只見シルバーラインの特徴はなんと言っても
全線22.6kmの内、18.1kmがトンネルであるということ。
恐ろしくも険しい自然に挑み、見事に貫いてみせた細く力強いひと筋。
では、もうちょっと詳しく。。。
新潟県道50号小出奥只見線。別名を奥只見シルバーラインと言います。
「奥只見」はその名の通り、福島県の只見町の奥にあるので「奥只見」なのですが
福島県側からアクセスする道はありません。
新潟県から奥只見シルバーラインでアクセスする他にルートは無いのです。。。
それだけでも、如何に険しい山々を貫いているのかを想像させます。
奥只見シルバーラインは昭和32年に電源開発株式会社によって
奥只見シルバーラインの終点にある奥只見ダムの建設用道路として施工されました。
3年間。180万人の人々の力で貫いたトンネルは19本。合計18.1km。
凄まじい連続トンネルが完成しました。
ダム完成後もダム管理道路として使用されておりましたが
昭和44年に新潟県に譲渡され、昭和46年に観光有料道路として一般車が通れるようになり
昭和52年には無料開放され、県道へと昇格しました。
県道といっても、現在もダム管理道路としては現役で、もともとはダム建設用道路。
一般車の通行を想定したような作りというよりは
作業用の荒々しさを感じる道路です。
ちなみに織田裕二が主演した映画「ホワイトアウト」の舞台は
奥只見ダムがモデルと言われています。
それではいざ、奥只見シルバーラインへ。
その前に、奥只見シルバーラインのトンネルの延長一覧をこちらに記載。
<奥只見シルバーラインのトンネル一覧>
1号トンネル : 折立トンネル : 183.6m
2号トンネル : 西の沢トンネル : 169.6m
3号トンネル : 神山トンネル : 76.2m
4号トンネル : 猿沢トンネル : 100.2m
5号トンネル : 駒見トンネル : 37.6m
6号トンネル : 真平トンネル : 118.0m
7号トンネル : 吹上トンネル : 63.8m
8号トンネル : 小屋場トンネル : 73.4m
9号トンネル : トトが沢トンネル : 396.1m
10号トンネル : 高平トンネル : 479.2m
11号トンネル : 栃の木トンネル : 68.0m
12号トンネル : 津久の岐トンネル : 1604.5m
13号トンネル : 湯の沢トンネル : 2263.7m
14号トンネル : 黒又トンネル : 1431.3m
15号トンネル : 蕨沢トンネル : 663.2m
16号トンネル : 居守沢トンネル : 284.7m
17号トンネル : 明神ンネル : 3920.0m
18号トンネル : 荒沢トンネル : 3070.5m
19号トンネル : 仕入沢トンネル : 3129.9m
2013/5/4 AM8:00
GW前半から週間天気予報と睨めっこしていたのですが
ついにこの時がやってきました。
5/4,5は全国的に天気が良好。
この機会を逃す手はないと、奥只見シルバーラインの近くの
長岡市と帰路にそなえて金沢駅付近に宿を抑えて
いざ、奥只見シルバーラインに向けて出発!
今回の計画は以下の通り。
5/4 鹿の国→新潟県長岡市へ
5/5 新潟県長岡市→奥只見シルバーライン完走→石川県金沢市まで戻る
5/6 石川県金沢市→鹿の国
全工程1250kmのただただ奥只見シルバーラインを完走するためだけの長旅w
5/5 AM8:00
長岡市の宿を出発し、はやる気持ちを抑えつつ
奥只見シルバーラインへ。ここからは約50kmの道のり。

ついに来ましたw
ただの道なんですが、なんでか手に汗握りますw
緊張して、ドキドキが止まりませんw
この先にずっと走りたかったあの道が!!
あと200m!!

入る前に呼吸を整えてw
奥只見シルバーラインの入口手前のみみずく広場で
奥只見シルバーラインについての看板を見ておきましょう。
確かに18.1kmがトンネルと書かれています。
とんでもない道がこの先に待ち受けているんですねww

ではさっそくゲートを潜って走りましょう。
待ちに待ったこのときが来ました♪
このゲートは有料道路時代のなごりでしょうか。
今は無人ですが、横にある管理事務所には人の気配を感じました。

写真でみるとそうでも無い感じがしますが
路面は結構悪いです。。
正直ちょい車高短、足回りちょい固め気味のヴェロッサでは
車内はほぼ常にシェイク状態で、制限速度だすのでやっとでしたww
車高上げてなかったら、ちょっと参ったかもw
写真のような感じでスノーシェッドとトンネル。
それらをつなぐ数少ない貴重なお日様区間でどんどん高度を上げていきます。

トンネル内の様子は一般のトンネルとは一味も二味も違いますw
幅は対向車とすれ違うだけでも結構圧迫感があり
トンネル内であるにもかかわらず
グネグネとした急カーブ、急勾配w
徐々に激化するトンネル連鎖w
ここは新潟県の山間部。
冬には豪雪地帯になります。
ダムの建設作業路として生まれた奥只見シルバーラインは
雪による影響をなるべく少なくするために長大トンネルが計画されました。
当時の技術では排気の処理が困難だったのでしょう。
ですので、山肌に沿ったようにトンネルが掘られ
側面に窓や横穴を作って排気処理がなされたのでしょうか。
また、トンネルとトンネルの間はスノーシェッドで覆われていることが多く
自動車で退避するには少々困難な箇所が多いです。
正直、写真の場所も退避所なんでしょうが
どうやって退避したらいいのかわかりません。。。
この写真のトンネルはすごかったですw
いよいよ終盤に入って、奥只見シルバーラインの真髄を見たようでしたw
写真のトンネルは16号トンネルの居守沢トンネルで延長は284.7m。
しかし、長大トンネルに見られる物々しい電光掲示板が!
それもそのはず、11号から16号までの6トンネルは
スノーシェッドで連結されていて走っている自分としては
1本のトンネルとしか思えませんでしたw
その6トンネルの長さたるや…
11号トンネル : 栃の木トンネル : 68.0m
12号トンネル : 津久の岐トンネル : 1604.5m
13号トンネル : 湯の沢トンネル : 2263.7m
14号トンネル : 黒又トンネル : 1431.3m
15号トンネル : 蕨沢トンネル : 663.2m
16号トンネル : 居守沢トンネル : 284.7m
合計すると…6315.4m!!!
これは現在建設中の新栗子トンネル8,975mを含めたとしても
日本道路トンネルランキングで12位というすごいトンネルw
しかも、両入口が68.0m、284.7mなので
短いなぁと思って入ると、あれよあれよと6000mオーバーのトンネルになるという
なんとも良い顔して極悪なトンネルww
現在、無料で走行可能なトンネルとしては
四国の寒風山トンネルの5432mが最長なので
「事実上」の日本最長の無料トンネルということになるのかな…。。。

とんでもない6連トンネルを抜けて、わずかばかりの日の光を浴びる区間。
辺りは一気に雪景色。
しかし、嵐の前の静けさとはこのことで、まもなくラスボスが待ち受けている訳で…。。。

ついに来た!17号トンネルの明神トンネル!
その長さは、奥只見シルバーライン最長の3920m!!
さぁクライマックスだ!!

明神トンネル内でちょっと失礼して記念撮影w

走っても、走ってもどこまでも続くナトリウムランプ。
ときに大きく曲がり、登り、多量の湧水を流しながら続くトンネル。

突貫工事の影響か、うねるトンネル。
しかし、走れども走れども出口は見えず。。。
それもそのはず、奥只見シルバーラインのラスト3つのトンネルは
19本のトンネル中、トップ1,2,3の延長を持つトンネル。
その3トンネルはスノーシェッドで完全に脱出不能な状態に接続されていたww
※18号と19号は季節によっては脱出できるみたいだけど
まだ雪深いのか完全に封鎖されていました。
そして、気になるその合計は…
17号トンネル : 明神ンネル : 3920.0m
18号トンネル : 荒沢トンネル : 3070.5m
19号トンネル : 仕入沢トンネル : 3129.9m
驚愕の…10120.4m!!!!
これを上回るトンネルは日本には関越トンネル、山手トンネル、飛騨トンネルの3つしかないw
もちろん、一般道ではぶっちぎりの1位!!!

ついにすべてのトンネルを貫通して、振り返りました。
この入口が途方も無い10000mオーバーのトンネルの入口。。。
まったくとんでもないトンネル。。。
高規格な現在の高速トンネルならまだしも
路面がガタガタ、曲がるは、登るは、うねるは、さらに路面は湧水でボトボト。。
制限速度40kmで走ると、通過には実に15分を要します(汗
事実上の日本の一般道1位、2位のトンネルが連続して存在するなんて…
こんな道、他には無いな絶対。。。

そんなトンネルの入口をバックに記念撮影。
この道は建設途中に多くの方が亡くなっていると聴きました。
その方々のご冥福を祈り、そしてこの道に感謝します。
すばらしい体験をさせて頂きました。

トンネルを抜けた先には、雪山。
季節がぐっとタイムスリップして戻ったような気がします。
奥只見シルバーラインターミナルという施設があり
大きな駐車場はスキーを楽しみにこられた方々でごった返していましたw
ありがとう、奥只見シルバーライン。
また、いつか走りに戻って来たいと思います。。。

奥只見ダムが見えます。
まったく人間の底力を感じます。
本当に良い旅でした。

奥只見シルバーラインのお土産w
パッケージにトンネルと延長が記載されています♪