かなり冷え込んだ先日の日曜日、まいまい京都の行事に参加して来ました。
今回は前から行きたかった国立・京都大学の中をまわるツアーです。
人気があるコースですが幸いキャンセルが出たとの事で事務局の方より連絡が有り慌てて手を上げ参加してきた次第です。
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朝、9時半過ぎに京都大学に到着。
今日のツアーは大学の南側をまわるという事でコースの中にはあの有名な吉田寮も含まれています。
東京大学に次いで古い京都大学(明治22年にまでさかのぼります)。
言わずと知れた関西の最高学府です。
その長い歴史の中で構内の建造物がどのような変容をたどったのか大学内を歩いてまわるのが今回の趣旨。
構内の建物などの設計に山本治兵衛、永瀬狂三、武田五一、森田慶一といった著名な設計者や建築家が携わった事によりそれぞれの特徴を生かした個性あふれた建造物が現代にも残っております。
まずは京都大学の顔とも言うべき時計台です。
今は「百周年時計台記念館」として使われています。
1925(大正14)年(2003(平成15)年改修)、設計は武田五一・永瀬狂三・坂静雄です。
そして次に寄ったのは旧石油化学教室本館(現・保健管理センター、学生部)です。
1889(明治22)年竣工。1922(大正11)年増築。設計は山本治兵衛、増築の一部は永瀬狂三です。
内側の一階建ての部分は、第三高等中学校が大阪から移転した際に物理学実験場として建てられたもので、京大キャンパスに現存する最も古い建物といえます。2階部分は大正時代に作られたのでレンガの色も違うのが見て取れると思います。
小ネタとして・・・ノーベル賞受賞者の湯川秀樹・朝永振一郎・福井謙一の各氏もここで研究したため、別名は「ノーベル賞の館」と呼ばれている建物でもあります。ノーベル賞をとりたければここで研究すれば良い?! いや、残念ながら今はここで研究できないのです・・・。
明治時代のレンガの間の目地の部分もなにげに手が込んでいます。
反時計回りに北側に回り込んでみますと渡り廊下で建物同士を繋いでいるのがよくわかります。
構内も歩いていると随分と落ち葉が沢山。秋の景色ですね。
これは保険診療所。旧・電話拡張交換室だった建物だそうです。
1926(大正15)年/1931(昭和6)年・1936(昭和11)年増築。
設計は武田五一・永瀬狂三です。
エントランスの上にある庇を兼ねたバルコニー。武田五一の特徴です。
鉄筋コンクリート造りになります。
2階へと続く階段の上にある庇も特徴有りますね。
そして医学部が有るエリアへ移動。
このような大きくて近代的な建造物が有ると思えば・・・
振り返ると1901(明治34)年 、山本治兵衛が設計した旧解剖学教室講堂があったりします。
木造の洋風な作りをしています。屋根にある換気口も緑青が出ていていい具合です。
旧講堂の東奥の方へ進んでいくと平屋の木造の建物が繋がっています。
大学は保存する気が無いようで荒れ放題です。周辺の度重なる増改築で地面が上がってき、元々有った木造建造物が沈んでいき、その影響で下の方から水などでじわじわやられて来ます。
ここなんか特に酷い。
このような裏面に何故だかよくわからないデザインのビルが有ったり・・・。
明らかに戦時中などで予算を割けなかったで有ろう味気ないデザインの建物が有ったりとこのような視点からも京大の長い物語を窺い知る事が出来ると教わりました。
おそらく、相当、古いと思われるマンホール。
さて次は現存する最古の大学寄宿舎として知られる吉田寮です。
1912(大正1)年 設計は山本治兵衛、永瀬狂三とのこと。
木造二階建ての寮が銀杏並木の正面に見えます。
築100年というから恐ろしい時間が経過しています。
この寮は北寮・中寮・南寮の三棟がE字型に配置されています。
昔は成績優秀な学生の順から日当りの良い南寮に住めたそうですよ。

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寮は生活空間なので写真撮影や周辺を歩くのは控えました。
そのかわり、集会所を少しだけ覗かせてもらいました。
入り口が京大の自由な校風をまさしく表していますね。
中に入ると螺旋を描く階段などから大正時代は相当モダンな作りだったと思わせる作りですが・・・
今は相当散らかっています。外観も相当痛んでいますが、中も相当なカオスですね。
玄関ホールの真上を見上げた所。天井のデザインが素敵です。
奥を覗かせてもらうと・・・ちょっとおどろおどろしい感じです(汗)。
耐震問題などから取壊し建替え問題なども起きた様ですが今の所落ち着いた様です。
そして吉田寮の南にあるのが登録有形文化財の京大楽友会館。
庇を支えるY字型の意匠が特徴有りますね。
1925(大正14)年、設計は森田慶一となります。
これにてまいまい京都のまち歩きは終了。
本当はもっと沢山学んだのですがわたしが勉強不足で今回記事にするのが難しくてかなりに部分をはしょってしまっています。しかし、読んでくださった方には京都大学の奥深さは少しは伝わったのかなと思います。
わたしもまた時間を作って個人的にゆっくりと再訪してみたいと思いました。
ちょうどお昼過ぎになったので参加者の皆様と大学内にあるカフェレストラン「カンフォーラ」にてランチをしました。この建物はもともと書庫だった場所です。
日替わりのハンバーグランチで570円。安い。
※ ちょうど今回、まいまい京都への参加5回目ということでまいまいバッヂを頂きました。
今年はこれで最後になりましたが、来年の企画にもぜひ参加してみたいですね。期待しています、まいまい京都さん!
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そしてお昼からは、まだ雨も降りそうでは無いのでまたまた吉田山を目指し歩いて色々散歩して来ました。
折角なのでまだ紅葉がどれくらい残っているのか気になりますから。
ここからは先日の当ブログの過去記事と比べながら読んでいただけると紅葉の変化が見れて面白いと思います。
「晩秋の京都・吉田山周辺をぶらり歩き」(12月1日)
https://minkara.carview.co.jp/userid/145806/blog/28479086/
まずは吉田神社。
やはり地元の人たちが散策する程度で日曜日ですが紅葉目当ての観光客は居りません。
階段を登ってから振り返ると懐かしく感じる風景が。
大元宮の紅葉もまだ散っていません。
竹中稲荷社は四日も経つと随分寂しくなって来ていました。
先日感動したこの景色も少し寂しい。
振り返ると参道も少し物悲しい印象を受けました。秋は足早に去っていきますね。
この後真如堂、金戒光明寺と寄りましたが見頃は過ぎてしまった感じでした。
そしてもう少し足を伸ばして岡崎神社の狛うさぎに会いたくなって来たので寄って来ました。
白川通まで出てもう一度真如堂へと急な坂を上ります。
真如堂を出て、迎称寺へ。
先日写真を取り損ねアップ出来なかった迎称寺の崩れ落ちそうな塀を。
上の写真の右奥の角を曲がると儚げなこの塀に出合えます。
そして宗忠神社へ。
ここを次ぎに訪れるのは春の桜の時期だろうか。
そうそう、ここは面白いことに逆立ちした狛犬が居ます。
写真の左の方に写り込んでいるのが見えますか?
折角なのでアップで。触ってみると陶器で出来ている様です。備前焼かな?
とまあ、こんな具合で休日を楽しめた日曜でした。
さすがに京都の紅葉も終わりを迎えた様です。後のこすは下鴨神社くらいかな?
しかし、天気が優れないのが重ね重ね残念ですね。
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