3月23日(土)はまいまい京都さん(
http://www.maimai-kyoto.jp)のミニツアー、
「仏像大好きラジオリポーターといく、菩薩ワンダーランド・清水寺!~古代からの観光地が生み出した、遊興のからくり~」というものに参加してきました。ガイドさんはわたしお気に入りの政田マリさん。
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まいまい京都とは〜(サイトより引用)
まいまいとは?「うろうろする」という京ことば。
京都の住民がガイドする、京都のまち歩きイベントです。
呉服屋店主、植木屋の親方、京町家大工の棟梁、お坊さん、神主さん、
花街のお姐さん、占い師、きのこライター、鉄ちゃん、廃河川マニア、
主婦、学生、妖怪の子孫、京都大好き外国人など、バラエティに富んだガイドたち。
参加費は1,500円から。
各1.5~3kmのコースを、2~3時間かけて、少人数でじっくり堪能します。
京都のまち歩きを、いっしょに楽しみましょう。
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前日に奈良県とともにサクラの花の開花宣言がなされた京都。いよいよ本格的な観光シーズンを迎えました。
ですので都一番と言っても過言ではない観光スポット
清水寺は予想通り混んでいましたね。清水寺は勿論、泣く子も黙る世界遺産。
枕草子や源氏物語にも登場するくらい、古来より人々に愛され参道から既に「菩薩ワールド満載」の楽しい場所なんですね。この日は清水寺本尊に辿り着くまでに古来の人々がおそらくワイワイガヤガヤと楽しみながらお参りをしていった足跡をガイドしてもらいました。
午前9時に開始という事でまだ参道は思ったよりも空いてはいるのですが、やはり名所なのでそれなりの人出です。
今回もガイドの内容はある程度控えさせて頂きます。
やはり詳しく書いて皆さんに読んでもらうよりも実際に参加して頂いた方がより楽しいと思いますし。
わたしの拙い文章ではこの清水寺の良さが一つも上手く伝わらないような気持ちがします。
そしてメモなどを取りながらガイドの説明に集中しているためどうしてもカメラでの撮影がおろそかになっちゃうのですよね。
集合場所の大谷本廟前。
この時間はまだ陽も出ていなくてかなり寒い状態でした。
少し前には小雨もぱらついていたくらいです。
冷えて寒い寒いというわたしを和ませてくれたこの辺りに住み着いているであろう野良猫ちゃん。
やせてもおらずしかも毛並みがいいですね。
菩薩巡りのツアー、この日のメインは勿論、音羽山・清水寺本堂の本尊の千手観音菩薩なのですが、マリさんのガイドはいつもそこに辿り着くまでが長い!
まずは清水寺とは関係がない安祥院へ。
参道途中にあるのですがはずかしながら存在自体を知らなかったです。
ここだけで30分も費やし詳しく解説してもらいました。
ここの境内には日限(ひぎり)地蔵菩薩があり、日にちを限定して「いついつまでに・・・」とお願いをするとそれが叶えられると言います。すこし珍しいですよね。
境内は他に色々見所が有り、気持ちよく手入れもされており居心地の良い空間でした。
五条坂を上がっていき、産寧坂と交わる所にある清水寺経書堂に。
その産寧坂では見事な桜が。
狭い場所なのですが多くの人が足を止めて撮影するのでこの付近は大渋滞。
そして寶德寺(ほうとくじ)へ。
ここは聖徳太子が、42歳のとき厄除け守護の本尊仏として刻んだ阿弥陀如来があります。
その脇壇に1面2臂の魚籃(ぎょらん)観世音菩薩を安置してあります。海が無い京都に魚籃(ぎょらん)観世音菩薩は大変珍しいのだそうで。
ちなみに近くには日本古典からのこんな言葉が。
「梅は匂いよ 桜は花よ 人は心よ 振りいらぬ」

梅はその香りを、桜はその花の美しさを、人は心があれば外見を飾りつけて装う事等どうだっていい、つまり心を愛でよということでしょうか。シンプルですが素敵な言葉ですよね。
そしてようやくメインの清水寺の仁王門前に到着。
門の両脇には像高365センチメートルの(京都では最大級)仁王像が2体、清水寺を護っています。
ちなみに・・・一番大きなものは東大寺の南大門のものです。
ここの狛犬は東大寺南大門にある狛犬をモデルとし、左右どちらも「阿形(口を開けている)」で珍しいものです。一説によるとお釈迦さまの教えを大声で世に知らしめているという理由からとも言われています。
ここまで来たら目的地の清水寺にはいりたい所ですが・・・、その向かいにある清水善光寺堂へ。
ここには如意輪観音菩薩と首振り地蔵菩薩が。どちらも特徴が有って見応えがある仏像ですので是非ご自身の目で確かめてください。
さて、さらに左奥成就院の方へ進んでいき、殆どの観光客は来ない場所、千体石仏群のある場所へ。
ここも恥ずかしながらわたし、知らなかったです。

ここにある沢山の石仏は明治時代の神仏分離令から起こった廃仏毀釈の際に、捨てるに忍びないと、かつて京都の各町内にお祀りされていた「お地蔵さん」。地蔵信仰の篤い京都市民から寺に運び込まれたものです。今も大切にされているようで前掛けが丁寧に付けられています。
しかしこれらをよく観察していると石群の中になんと仏像以外に神様もあって、如何に当時が混乱していたのかが分かりますね。その歴史を知ったとき、時代に翻弄されたこれら仏像達に対してちょっと複雑な心境になりましたね。
この後、景清爪彫観音を皆で目を凝らして観察しやっと清水寺の門をくぐります。
さすがにこの頃になると清水寺の中も多くの人がやって来ており混雑が始まっています。
西門から京都市内を見下ろしてみました。ここは夕焼けの名所でもあります。
あまり気づく人も居ない様ですがこの西門の両側には持国天、増長天(右)を安置しています。
境内では次に濡れ手観音にご挨拶し、普段は入れない経堂にて釈迦三尊像をじっくり観察。
さらにその天井には江戸時代の絵師・岡村信基(おかむらのぶもと)が描いた龍がありました。
仏像以外にも色んな見所が清水寺には有ります。
国宝である本堂の窓の下には、深い筋状の傷が横にずっと続いています。お百度やお千度詣りをする際に串などをつかって夜中にも手探りでお参りをした際に付いたもの。これを見ていると一体どれだけの人がどれくらいの時間をかけて参拝したのでしょうね。当時の信者さんの信仰の深さを垣間みる事が出来ます。
これは清水寺の七不思議の一つ、三重塔の鬼瓦と龍の瓦。
各層の屋根の四隅にはそれぞれ鬼瓦がありますけど東南角だけは各層とも龍の瓦です。
一説によると、京都は火伏せの神が鎮座する愛宕山が西北を守っており、反対側の東南が弱点になるため、水の神である龍神を置いたといわれています。
そしてようやく本堂に上がり清水寺の本尊とご対面・・・・といきたい所ですが実はこの本尊は秘仏という事で33年に一度しか公開がなされないのです(次に見れるのは2033年だと思います)。
ですので普段は本尊が収められた厨子の前に本尊を模した御前立仏があります。千手観音というからには腕が千本も有るのではなく実際は40本です。しかも一般的な像と違って少し変わった姿をしています。
本尊の両端には本尊を護る様に二十八部衆と一緒に風神、雷神が安置されています(この日は何故だか風神雷神はお留守でした)。
清水の舞台がどうしても有名なため、この本堂まで上がってこれら仏像にご対面する人は少ないと思います。
思い切って決心することを「清水の舞台から飛んだつもりで・・・」といいますが、その語源となったのが、もちろんこの場所です。
清水の舞台を下から見上げたらこんな具合です。今はまだ葉が落ちている状態ですので舞台の木組みの様子がよくわかりますね。

本堂から張り出した「舞台」はちょうど4階建てのビルの高さにあたり、釘を使わずに組み上げられた舞台としてあまりにも有名です。
この日のガイドはここで終了。2時間半はあっという間でしたね。
清水寺は拝観料も300円と京都の拝観料を取る寺社のなかでは安く今回ご紹介した意外の場所も沢山ありますので是非皆さんも足を運んでみてください。
「本堂・本尊、千手観音像は国宝でもなく指定文化財でもありません。ですが、国宝や重要文化財などにこだわらず、自分が相対してなにかを感じることが出来る仏像と出会えることが出来ればなによりだと思います」とガイドの〆にマリさんが述べましたがまさにその通りだと思います。
また機会があったら政田マリさんのガイドに参加したいと思います。
最後に、この日わたしが頂いた清水寺の御朱印のご紹介。
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