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2016年01月03日

自動車用電球-4.HIDランプ-

さて、今回はみんな大好きHID、

ではどうぞ。



4.HIDランプ
High Intensity Discharge Lamp(高輝度放電ランプ)の頭文字から付けられた名前で、メタルハライドランプ、高圧ナトリウムランプ、高圧水銀ランプ等の総称。自動車用としては、現在はメタルハライドランプを指す。

【構造】




発光管の中は、放電を発生させるための一対の電極を対向して配置し、大気圧の数倍の不活性ガス(キセノンガス)と金属ハロゲン化物(メタルハライド)を封入(周期表参照)。
点灯中の発光管内部は高温高圧のため、発光管は耐熱性と耐圧性のある石英ガラス(二酸化ケイ素100%最高使用温度1000℃)を用い、かつ発光管温度を素早く上昇させるために熱容量を小さく設計。また、発光管から出る紫外線のカット及びブラックストライプ(グレア防止の遮光膜)のコーティング目的で、発光管をUVカット機能付き石英ガラスの外管が取り囲む。HIDバルブを『バーナー』とも呼ぶ。

【原理】
HIDランプは、蛍光灯と同じように電極間で放電するときの発光を利用している。放電現象を利用するため、バッテリー(DC12VもしくはDC24V)に接続しても点灯しない。インバータ(変換器)とイグナイタ(昇圧器)を接続する必要がある。
HIDランプは、インバータで直流電源を交流電源へ変換(ランプの封入物が一方の極性に偏ることによる色むらの発生及び電極の偏磨耗の防止)し、イグナイターから印加される高電圧(瞬間的に約AC20、000V)により、電極間でキセノンガスが電離しアーク放電が発生する。そして、バラスト(安定器)により電圧を制御しながら(AC85V又は42Vで安定)アーク放電を維持することによって発光管温度の上昇を引き起こし、金属ハロゲン化物を蒸発させる。蒸発した金属ハロゲン化物は、発光管内にて電子との衝突により各金属固有の色を発光する。点灯直後、金属ハロゲン化物は固形で発光せず、始動用のアルゴン・キセノン・水銀のみの発光となるため青白い光となり、時間の経過と共に発光管が高温になり白色に変化する(そのため、ハロゲンランプのようにハイビームとロービームを切り替えて使うことは出来ない。 ロービームのみをHIDとし、ハイビームはハロゲンとするか、あるいは常時点灯とし遮光板の方向を機械的に切り替えてハイ・ロー切り替えとする場合が多い)。


【タイプ】
自動車メーカー純正採用のHIDランプは合計8タイプ
●イグナイターの有/無
●水銀の使用/未使用
●ヘッドランプのタイプ(リフレクター/プロジェクター)
日本国内では、イグナイターの無いD2・D4タイプが一般的。輸入車では、イグナイターをHIDランプに内蔵した、D1、D3タイプを使用。D4とD3は、環境保護の目的で開発された水銀フリーランプで急速に普及。
またヘッドランプによってリフレクタータイプ(D#R#)とプロジェクタータイプ(D#S#)がある。タイプを間違えた装着は、不点灯や配光不良(法規違反)となる。
点灯回路はHIDランプのイグナイターの有無、水銀フリーかどうかによって違う他、バッテリー電圧(12V系/24V系)によっても異なる。アフターマーケットでは、ハロゲンバルブをHIDバルブに変換する商品もある。



【光色と光色の法規制】
『光色』
HIDバルブの色温度は、自動車メーカー純正装着ヘッドランプでは最も運転中の視認性が高いとされる4000~4500Kであるが、市販のバルブでは、3000K(黄色)、5000K(白色)、6000K、8000K、20000K(水色)といった様々な光色がある。一般的に車検での色温度の上限は6000K。色温度が高いほど青白い光となり自動車の外観的イメージを変えられるが、ライトの明るさが減少し、かつ人間の目の感度も落ちるので視認性向上の目的では色温度が高いほうが良いとは言えない。10000Kを超えた極端に青いヘッドランプは純粋に暗く視認性が悪く危険。また、2006年1月以降生産された車はヘッドランプがイエローバルブ(雨や霧や雪などの悪天候の中での視認性に優れる)では車検不適合になる。
●初期点灯~安定するまでに発光色が変化
●交換時に色が違う
・公差範囲でバラツキあり(ハロゲン電球と同様)
・経時的に色が変化→基本的には2個同時交換が望ましい
●左右の色が違う
・公差範囲でバラツキあり(ハロゲン電球と同様)
※HIDランプはハロゲン電球と点灯原理・構造が違うため、光束量が多く(明るく)、色温度が高い(白い)ので、ハロゲン電球に比べ、人間の目に対し色の違いが大きく感じられる場合がある。
『光色の法規制』
道路運送車輌の保安基準により、規定された用途と光色の組み合わせ以外の光色の場合、周囲の誤認による事故を誘発するおそれがあるために、法規違反となり、車輌検査規定にも抵触する。


【特性】
●白熱バルブに比べて明るい上、消費電力が低いため発熱量も少ない。フィラメントを使わないことで、消耗と突入電流や振動による断線の心配がなく長寿命
●指向性の高い照明が可能で遠くまで照らすことができる一方、ハロゲンランプよりも配光が不安定で、配光範囲に明るいところと暗いところのムラが生じることがある(特に後付けのHIDランプは、純正ライトリフレクターがハロゲンランプに適合した反射となるよう設計されているためムラが生じやすい。また、発光点が変わるため光軸調整が必要)
●発熱量が少ないため、降雪時や積雪時にヘッドライトのレンズ面に付着した雪が外気温と走行風によって氷結し、照射範囲が狭まって夜間走行の妨げとなる場合がある(LEDヘッドヘッドランプ仕様車も同様)。 保安基準上一定以上の光束を持つ可変配光型前照灯を対象に洗浄装置の装備が義務化されているが、雪氷による減光や照射範囲の低下を解消しきれない(このため、ハロゲンランプ仕様の寒冷地ユーザーは多い)
●内部に水銀等の有害物質を含んでいる為、点灯中に破損した場合、水銀等の有害物質が拡散する可能性がある。また、廃棄時にはそれら有害物質により環境汚染の原因ともなり、また使用されている希少金属類の再資源化のため、適切に回収される必要がある(一部に水銀フリーランプもある)
●イグナイター及びバラストを介してランプを点灯させる為、バラストへの供給電圧が上昇してもランプにかかる電圧は殆ど変化しないので、明るくなったり寿命が大きく短くなったりすることは無いが、始動時に最も熱衝撃がかかるので点灯回数が寿命に影響すると考えられる
●HIDランプの寿命は、電球の種類・用途及び点灯消灯の頻度によっても変わる。基本的にはJIS規格で定められている寿命時間を参考にして設計及び製造。但し特別な理由で明るさを重視するために、寿命時間が短い種類もある。
●点灯始動時に高電圧が掛るので、取り付けには専門店での作業が必要
●HID2灯式(ハイビーム・ロービームは同一の灯体)の切り替え方式は2種類(ヘッドランプ内部に可動部が存在するため、切り替え時に動作音がする)
 ○H4バルブ互換(アフターマーケット品=一般的)・・・ソレノイドにより機械的に可動する灯体で、ロービームとハイビームの配光を切り替える。発光点の位置をハロゲンバルブのフィラメント位置と合わせることで、疑似的にハロゲンバルブ使用時と同一の光軸や配光特性を維持
 ○バイキセノンヘッドランプ(主にメーカー装着品のディスチャージランプ)・・・ロービーム時:ソレノイドで駆動する構造の遮光板でハイビーム側の光軸を遮断。ハイビーム時:ロービーム側の光軸を維持したままハイビーム側の光軸も出せる。マルチリフレクターレンズ及びプロジェクターレンズで利用可能
●フォグランプ(本来直近を照らす)にHIDを導入すると、光が散乱し又、遠くまで光が届くため、歩行者及び対向車への迷惑となる場合がある
●不具合(一部のアフターマーケット商品)
 ○石英ガラスの紫外線カット処理が未処理による、リフレクター及びプラスチックレンズの紫外線焼け(黄変、反射率・透過率の低下)
 ○バラスト・コントローラー及び配線に、防水・耐熱・耐高電圧・耐振性能がない
 ○入力電圧及び電流に対する安定性が乏しく、不点灯やちらつきが発生
 ○H4型のランプでロービームとハイビームの切り替えに電磁石を使用している場合、切り替え機構が不動
 ○色温度が厳密に合わせられておらず、左右の光色が違う
 ○有名ブランドの製品あるいは部品使用と謳っておきながら、実際には未使用
 ○保証を謳っておきながら、故障時の対応窓口が日本国内にない。あるいは連絡先すらない
・・・など












自動車用電球については以上です。
ご覧くださった方、ありがとうございました。

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Posted at 2016/01/03 04:32:08

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