
以前から一度乗ってみたかったマツダ・ロードスター。
ディーラーの試乗で少し運転したことはあるんだが、短時間の試乗で町を
四角く回っただけではよくわからない。気候もいいし、思い切ってレンタカーで借りてみた。
タイムズ(旧マツダ)レンタカーで借りたんだが、ネット上ではロードスターの
取扱がない店舗でも、問い合わせると近隣の店から取り寄せてくれた。
MT車を希望したところ、5MTのソフトトップ車が来た。
24時間レンタルで、保険料なども込みで24000円ほど。
これは高い。スイフトなんかは8000円ぐらいなので、3倍だな。
幌の開け閉めのやり方をレンタカー屋のお姉さんに聞いたところ、
お姉さんはおもむろにエンジンをかけ、天井のボタンを長押しして首をひねっていた。
それは電動ハードトップのやり方ではないだろうか。
取説で確認したところ、フロントガラスと天井の付け根にあるリリースボタンを押してロックレバーを解除し、幌をたたんで上から押すと、パチンとロックされる。
閉めるときは、座席中央の小物入れの上にある解除レバーを引くと、
幌のロックが解除されて浮き上がるので、幌を上げて逆の手順でロックレバーをかける。簡単だけど、閉めるとき少々力がいることがあった。コツがあるのかもしれない。
フューエルリッドの開き方だが、幌解除レバー下の小物入れの中に燃料タンクのフタを開けるリングがついている。スタンドでフューエルリッドの開け方がわからず慌てないように、ここは要チェックポイントである。
ちなみにハイオク指定だった。
乗り込むととにかく着座位置が低い。
前に出すポジションが好みなのもあるが、乗り降りが面倒臭くなるレベル。
年寄りだともっとしんどいだろうな。
足を投げ出すように座るので、靴のカカトがフロアマットに引っかかる。
巷にはドライビング・シューズってのが売っていて、靴底がカカト部分まで
回り込んだ造りをしており、なんでだろと思ってたんだが着座位置の低いスポーツカーのためにあったのかと納得した。確かにドライビング・シューズなら、カカトが引っかからない。
足元は狭め。軽ぐらいかな。ヒール&トウってのがやりやすく作ってあるんだろう。
シートにめり込むように座るので、車体感覚がつかみにくい。
ロードスターは3ナンバーとはいえ小振りだし、オープンだから車体の
四隅もよく見えるのかと思ってたら違った。
ボンネットの盛り上がりは見えるが先はよくわからないし、横が膨らんでいるので幅もつかみにくい。トランクも見えない。
トランク右側にアンテナが伸びてるんだが、これが左側ならポール代わりになるんじゃないかと思った。まあオーナーならすぐ慣れるか。
トランクの中。バッグの中身はパンク修理キットである。
最初は救急セットかと思った。
シフトレバーはカクカクと動く。センタートンネルが高い(着座位置が低い)ので、アームレストに肘を載せたまま手首で動かす感じ。
サイドブレーキの位置も相対的に高いので、脇の辺りに引っ張る感じだ。
驚いたのがエアコン送風と温度調整のきめ細かさ。
25~30段階ぐらい調整できるようになってた。
軽だと風量調整はせいぜい3~4段階ぐらいなのに。
膝の辺りにも吹き出し口があって、さすがオープン、空調には気を使っている。
サンバイザーを降ろすと、前がほとんど見えない。
オープンで走行中、危うくウォッシャーを出すところだった。
風を巻き込まないよう工夫されているが、さすがに走りながらウォッシャーを出すと頭にかかるだろうな。
ロードスターで向かったのは
八反坊と鳥取県の大山である。大山環状道路をグルっと回ったが、たいへん気持ち良い道であった。
走りについては、運転も下手でスポーツカーにロクに乗ったこともない自分があれこれ批評するまでもないことだと思う。
205/50 R16のアドバンA11Aを履いていたが、固すぎることもなく快適。
加速が悪いという口コミも見かけたが、自分にとってはすごく速かった。
高速の合流でも余裕そのもの。ワインディングでのペースも、アルトよりだいぶ速くなる。
オープンの開放感についてだけど、フロントガラスが寝ていてAピラーや
フロントガラスの上枠も太く、目の前に迫っているので、前を向いて運転してると開放感はそれほどでもなかった。空を見上げようとしても、ヘッドレストがつかえるので
真上は見られないw 斜め後ろを見上げると開放感抜群だけど、走りながら見るわけにはなかなかいかないw
4座オープンカーの後席(風の巻き込みはすごいだろう)や、フロントガラスを前にパタンと倒せるジープのようなクルマが、開放感はいいだろうと思う。
ちなみになぜジープはフロントガラスが可倒式になってるかを調べたんだが、諸説あるようだけど搬送時に積み重ねできるからってのが主流のようだ。
オープン中の注目度だが、ロードスター程度(と言っては失礼だが)では
オープンにしてても見向きもされなかった。
ただし、子供は熱い視線を送ってくれるw
他に気づいたのは、赤信号で止まってるとき、後ろからクルマが来るのが音でわかる。
5月の連休明けの大山。
まだところどころに雪が残っていた。
大山環状道路の30号~158号~40号は片側1車線のクネクネ道だが、
北側の34号は中央線無しの1.5車線ほどの道になり、通行量もグッと少なくなる。
34号沿いに
船上山(せんじょうさん)という山があったんだが、モヒカンのような特異な姿をした山だった。
後醍醐天皇が山に立てこもって戦ったという古戦場らしい。
上から岩を落として戦ったらしく、その岩が今でも転がってるそうだ。
比較的簡単に登れるようなので、一度登ってみたい。
船上山のストリートビュー
ふもとから見上げる大山。
大山環状道路は一の沢、二ノ沢・・・と雨水が流れる沢が道路を横切っている。大雨のときはここを土石流が流れるんだろうか。
鍵掛峠から望む大山。
帰りは米子自動車道~岡山自動車道から笠岡へ帰ったが、
高速を幌を閉じて走ってるといつもの眠気が・・・。
高速に乗ると眠くなるのは毎度のことなので、ロードスターに問題があるわけではない。
帽子を飛ばされないかと幌を閉めてたんだが、開けてみることにした。
80~90キロぐらいなら、頭のてっぺんに風は当たるけど、しっかり被っていれば帽子は飛ばされない。
オープンのまま高速に乗って、トンネルに入るとそのうるさいこと!
子供なら泣くんじゃないだろうか。
目が一発で覚醒した。眠気覚ましに超有効です。
オープンにしてて困るのは、コンビニや展望台、パーキングでちょっと降りるときに、いちいち幌をあげないといけないこと。オープンのままでもいいかもしれないが、やはりクルマから離れるときそのままでは心配だ。
ソフトトップの開閉も簡単なんだけど、降りる度に開け閉めってのはやっぱり面倒くさい。
三菱のナビがついてたんだが、「この先右折専用レーンです」などと車線案内してくれるのが地味に便利だった。景勝地では展望台の位置も案内してくれるナビはないんだろうか?探したらあるのかもしれない。
24時間で550キロほど走り、十分オープンを堪能できた。
レンタカー屋のお姉さんは「ロードスターは人気があってなかなか予約が取れない」と言ってたが、年に1回ぐらいはまた乗ってみたいかな。
ロードスターはATでも楽しめそうなので、次はATでもいいかもしれない。
ATだと電動トップになるのかな?
レンタカー屋にロードスターを返した後、自分のアルトで帰ったんだが
着座位置の高さに前に転げ落ちそうになった。
シートが小さくてフワフワだし、乗り心地もポヨンポヨン。
レンタカーで普通車を借りた後、アルトに乗ると毎回違和感を感じるんだが、今回は特に激しかった。ステアリングも中立付近がフラフラしてるし、
ロードスターのオーナーが古いアルトに乗ると、さぞ怖く感じることだろう。
違和感は30分も乗れば普通収まるんだけど、今回は数日続いた。
ライトの下に目張りがあるように見えて、エジプトの壁画っぽい。
おまけ:大山登山口近くの駐車場に軽トラのキャタピラ仕様が止まっていた。
*追記
書き忘れていたが、ロードスターにはロービームのみディスチャージランプがついていた。
ディスチャージはどんなものが興味あったんだが、確かに明るさはハロゲンよりだいぶ明るい。しかしカットライン(明るい部分と暗い部分の境目)が
はっきりしているので、カットラインの外はいきなり真っ暗になり見えづらい感じがした。余計な部分に光が漏れないのは、グレア防止にはよいのかも
しれないけど、少しはぼんやりした部分があったほうが見やすいのではないかと思った。