
乗用ではないが、バンの
AGS試乗車が岡山県内にもあるようなので乗ってきた。
バンVP・5AGSのレーダーブレーキサポート装着車である。
AGS車のシフトレバーはインパネから生えており、握り部分が小ぶりな感じだ。
キャリーAGS車と同じく、Pレンジがありクリープする仕様。
レバーを左に倒すとMTモードにできる。
レバーを下に押してシフトアップ(+)、上にあげてシフトダウン(-)。
シフトレバーブーツが革っぽくて、妙に質感が高い。
エンジンをかけると、メーターの針が140キロまでスワイプして
元に戻る。エネチャージ付きの乗用は、メーター照明が緑になったり
青になったりと忙しかったが、バンの照明は固定のようだ。
走りだすと、クリープはするがキャリーより弱め。
キャリーは停止中アクセルを踏まずとも、ブレーキを緩めただけで
エンジン回転がはっきり上がり、半クラにして前に出ようとしていたが、
アルトバンはマイルドな感じでなんとなく前に進む。
運転席ドアに、坂道発進のサイドブレーキ使用を促す注意書きステッカーが
貼ってあった。
1~2速、2~3速ではちょっと変速に時間がかかり、vw up!でも感じた
ボートを漕ぐような、トルクが抜ける感覚が強いかもしれない。
4~5速は早いんだけど。
シフトアップのショックはなく、半クラでうまく制御されている。
Dレンジのまま減速して止まるときは、キャリーでも感じた
シフトダウンと思われるカタン、カタンという音が、わずかなショックと
ともに伝わってきたが、キャリーよりは小さかった。
Mモードにして手動でシフトアップをして、MTを運転するときのように
アクセルを抜いてやると、よりスムーズになる、というか、
ドライバーはトルク抜けが気にならなくなる。
しかしシフトレバーがインパネから生えているため、レバー操作を
するには腕を前に伸ばさなければならない。
日常的に手動でレバー操作ってのは、腕が疲れて難しいのではないか。
手動にしても、低いギヤでの変速時間が短くなることはないので、
せっかちな人ならイライラしてしまうかもしれない。
5速巡航中に、4速、3速へMモードで落とすと、小気味よくブリッピングして
ショックなく滑らかにつないでくれる。
低速で走ってるとき、無理に高いギヤに入れようとしてもピピピと
警告音がして受け付けてくれない。この辺はキャリーと同じである。
おもしろいのは、例えばMモードで1速にしたまま加速し続けたとき、
エンジン回転が上限に達しても自動ではシフトアップしないこと。
エンジンがうなりっぱなしになる。
シフトダウンのときは、Mモードで5速に入れていても、車速を落とせば
当然自動でシフトダウンするのだが、シフトアップの場合は
Mモードでは自動で上のギヤに入らない設定のようだ。
新型アルトCVT車に乗ったときも感じたのだが、車内の騒音は大きめ
だった。CVTはエンジン回転をエンスト寸前まで下げてるような感じが
したが、バンAGSはそういう印象を受けなかった。
バンAGSは最終減速比が4.705と低いので、エンジン回転数が
高めになってるからだろうか。(MTは4.388、CVTは4.064)。
乗り心地は、街中を10分ほど四角く回ってきただけなので、
正直なんとも言えない。
新型試乗車のタイヤ空気圧は、メーカー指定より大幅に高めの
ことが多いようだ。車検などでユーザーに渡すときは、ユーザーが
空気圧点検しないことを見越して高い空気圧にするのはわかるが、
試乗車の場合は従業員が毎朝点検できるのだから、指定空気圧
ピッタリに合わせたほうが客にも好印象ではないかと思うのだが
どうだろうか。
バンのタイヤサイズは145/80R13で乗用の普及グレードと同じ。
指定空気圧は240kPa。
ダンロップのSP10を履いていた。
バン5MT車もおそらく同じタイヤだと思うが、Fグレード5MTとの
カタログ燃費の差は、タイヤ銘柄と空気圧の差だろうか。
(F・5MTはダンロップエナセーブで280kPa、カタログ燃費27.2km/L。
バン5MTは25.8km/L)。
空気圧は330~340kPaほど入っていた(エンジンが冷えている状態から
10分ほど街中を走った後での計測)。
ここからインテリア/エクステリアの感想。
バンの前席は窓が手回しとなる。
後席の窓ははめ殺しで動かない。
下がらないのなら、窓を仕切ってる縦の枠も取ればいいのにと思ったが、
逆にコストアップになってしまうか。
ドア内張り下にスピーカーのようなものが見えるが、中にスピーカーは
ついていない。
バンはキャリーなどと同じく、スピーカー内蔵型のラジオがつく。
スイッチの説明が日本語なのはよいと思う。
バンの後席に、大人がまともに座るのは難しい。
これは法律で荷室と座席の割合が決められているのでしょうがない。
助手席を下げた場合の後席レッグスペース。
トランク。
トランク両サイド内装パネルに、乗用の背もたれ金具用の穴が開いてる
のが目立つか。
バンの後席シート背もたれの角度を改造してもっと快適にってのを
考える人もいると思うが、簡単には改造できないようにしてるはずだ。
トランク下はテンパータイヤがつく。乗用はパンク修理キットになった。
前シートの骨格は乗用と共通のようだが、表面生地は簡略化されている
ようだ。とても薄いシートだが、少し座った限りでは悪くない掛け心地
だった。シートの良し悪しを評価するには、1日中走り回らないと
よくわからない。
フューエルリッド。
ボンネットを開けたところ。
助手席側フェンダーの裏側に見える発泡スチロール風のものは、
スズキ客相に問い合わせたところ「ポリスチレンとポリエチレンの
複合樹脂発泡体」ということだった。
ピオセランのことかな?
シーラー(?)の処理。
鉄の銀ホイールでもカッコいいと思う。
短時間の試乗だったので、よくわからないところが多かった。
坂道発進や、故意にギクシャクさせるような運転(例えば止まりかけて
再加速など)も試してみたかった。
レンタカーでAGS車が入ればぜひ借りてみたいのだが、どこかに
導入されないかな。