
BMWやVW、アウディと外車のレンタカーを借りてきて、未だ乗ったことが
なかったのが外車の、というか車の王道とも言えるベンツ。
Sクラスのレンタカーは見つけたのだが、高いので借りることができない。
Cクラスのレンタカーもあったんだけど、すぐ売れてしまったようで無くなってしまった。
格安のA180を近場で見つけたので借りてみた。
Aクラスでもベンツ気分は味わえるであろう。
H25年10月登録、走行11000キロほど、グレードはよくわからんが
素のモデルだと思う。
鼻先が長い特徴的なプロポーションのハッチバック。
横から見ると、窓のラインが後ろへ向けて大きく下がっている。
後ろ姿は割りと地味。リヤウィンドウの天地が狭いので、リヤワイパーも
短い。
グリルのベンツマークが大きい。
前のナンバーは中心線から微妙に折り曲げられている。
どれだけ大きいのか測ってみたら、直径18センチぐらいあった。
エンブレムはもうひとつ、ボンネットの上にもある。
ボンネットに直立するベンツマークはついていなかった。
歩行者への衝突安全性の問題があるので、各社ともボンネットマスコットは
減っていく傾向にあるようだ。
おやっと思ったのが、ドアミラーウインカーのデザイン。
ベンツは質実剛健なイメージがあったのだが、デザインで遊んでいるな。
それともこのような形でなければならない機能的な理由があるんだろうか。
しかもよく見ると、クロームの縁取りまでしてある。
光り方も、このように線状に光る。
鏡面は平行四辺形を感じさせ、端は点線から外が曲面になっていた。
運転席から、ドアミラーウインカーの点灯状態は見えない。
タイヤは225/45R17と太い。コンチネンタルのコンチスポーツコンタクト
SSRだった。「MOE」ともあるが、ベンツ指定タイヤのランフラットという意味
らしい。
バルブのフタが金属製。
指定空気圧は、フューエルリッドの裏にあった。
225/45R17で乗員が少ない場合は、前250kPa、後220kPa。
出発前に、レンタカー屋さんに合わせてもらった。
もはや当たり前となったタイヤ前のエアスパッツがついていたが、
妙な形をしていた。前輪側。
後輪側。微妙な切り欠きで気流の制御をしているのか?
ライトはハロゲンだった。上位グレードや、マイチェン後のモデルなのかも
しれないが、ライトの「眉」に当たる部分にLEDデイライトが仕込まれてる
モデルを見かけたこともある。この個体にはついてなかった。
点灯状態。よく見ると、ライトの縁にもクロームがついている。
リヤランプ。
ワイパーは一般的な2本タイプだが、助手席側は支点が動くパノラマ
ワイパーだった。
190E時代のパノラマワイパーは、カムで駆動する複雑な仕掛けだったが、
A180のワイパーの付け根を見ると、2本の短いアームで支点を動かす
仕組みのようだ。
パノラマワイパーが動く様子を動画に撮りたかったのだが、ボンネットを
開けると安全装置が働くのか、ワイパーが止まってしまう。
運転席側ワイパーは一般的なタイプ。
リヤワイパーはとても小さい。
リヤのウォッシャー吹き出し口も非常に小さく目立たない。
ハイマウントストップランプの上にある。
ボンネットオープナーがどれかなかなかわからなかった。
ブレーキペダル上にあるオレンジのレバーがそうだった。
オレンジ色なので、何か電圧関係の触ってはいけないものかと
思ってしまった。
フットランプがあるのが高級だな。
ボンネットを開けたところ。意外にボンネット裏に遮音材はない。
ダンパーではなく、支え棒方式。
ボンネットのロックも外すのに手間取った。
自分が知ってる車と違い、ロック解除レバーが上を向いている。
ほとんどカバーに覆われたエンジンルームだが、サスの取付部に
グリス?がはみ出していた。
フューエルリッドは、室内の鍵を開いた状態なら、リッドを押せば開くタイプ。
ハイオク仕様。シールが黄色なのはよい。
給油口にもクロームのリングがついているな。
室内。屋根が低いのでどことなく薄暗い。
どちらも吊り下げ式のペダル。ちょっと足元が狭いかな。
ブレーキペダルのゴムが、側面まで回りこんでいる。
ステアリングの感触はいい。重めだが、直径が大きいので相殺されて
いる。ステアリングのボタンがちょっと煩雑かな。
ホンダS660のステアリングのデザインによく似ている。
ホーンの音はヨーロッパ風で上品。
一番の特徴である、ウインカーレバーの位置にあるシフトレバー。
走行中誤ってシフトしてもRに入らないようにはなっているが、
この位置はどうなんだろうか。
自分も走行中、一度ウインカーのつもりで間違えて動かしてしまった。
ベンツ主要マーケットの一つである中国では、ウインカーシフトは危険と
警告を出されている。
質検総局、輸入メルセデスベンツ自動車のリスク警告通知書を下す
メーター内のシフトポジション表示に、レバーを動かせる方向が△で
示されるようになってる。画像はDに入れた場合。
Rに入れると、ポーンポーンと大きめの警告音が鳴る。
ウインカーシフトの注意シールは、ウインカーシフトレバー以外にも、
ドアを開けたときに見えるダッシュボード側面にも貼られている。
画像が白飛びしているが、シフトレバー上面にも黄色のシールがある。
7速DCT車だったが、パドルシフトがついていた。
右がシフトアップで、左がシフトダウン。
右側は指が当たる部分が丸く出っ張り、左側は凹んでいる。
左はウインカー兼ワイパー兼ライトのハイ/ロー切り替えレバー。
リヤワイパー操作&ウォッシャーも入ってるので、使い方がややこしい。
こういうレバーにもクロームの飾りがいちいちついている。
ワイパーレバーの下に、クルーズコントロール&速度リミッター操作の
レバーがある。自分のポジションではステアリングに完全に隠れるので、
気がつかないところだった。
慣れたら問題ないんだろうけど、クルーズコントロールになってるのか
速度リミッターになってるのか状態がわかりにくい。
レバーにオレンジ色のインジゲーターはついてるんだけど、
運転席からはまったく見えない。
リミッター作動状態。速度リミッターはルノールーテシアにもついていたが、
速度の上限を50キロとか60キロに任意で設定できるので、知らず知らずの
うちに速度が出すぎていたということがなく便利だ。
高級車なら、速度感がないのでなおさら。
レバー操作以外にも、アクセルペダルをいっぱいに踏み込めば
キャンセルされる。
レバーの後ろにスピーカーのようなものが見えるが、何かの警告音が
出るんだろうか。
メーター。ベンツらしくないというか、まあ他のベンツを知らないんだけど
ポップなデザインのメーターだ。
速度計が260キロまであるのと、目盛りが太いのでアナログメーターでは
今何キロなのか大体しかわからない。
中央の液晶パネルに、デジタル速度計などいろいろな表示を切り替える
ことができる。
白メーターにゼロが垂直というのもスポーツを意識してるんだろうか。
デジタル速度表示状態。メーターの中央部が市松模様の黒なんだが、
なんとなくチェッカーフラッグを連想させる。
ピンぼけで申し訳ないが、夜はこのように光る。
白基調で針は真っ赤。
ライトスイッチはダイヤル式でステアリングの右にある。
「P」ポジションがあるのがおもしろい。
駐車中にスモールライトを、車体の右側/左側の片側だけ点灯することが
できる。
ライトスイッチの下はパーキングブレーキ。
パーキングブレーキは自動で、ブレーキペダルを踏み込むとそのまま
保持され、アクセルを踏むと解除される。
ポジションランプ点灯状態。画像では助手席側を光らせているが、
この状態だと運転席側を点けるのが正しいんだろうな。
ダッシュボードは市松模様というのか、ブロック状の意匠があるんだけど
爬虫類の革っぽくて見ようによっては気持ち悪い。
キーは、通常の位置にあるキーホールに、電子キーを差し込んで回す。
ベンツ日本法人のオプションなんだろうか?、後付っぽいモニターが
ついていた。
エアコン吹き出し口は、さすがにベンツマークのデザインにしなかったかw
つや消しなので目にうるさくはないが、クローム加飾の多い車だ。
当然ナビかと思ったら、ソフトが入ってないのか、でかい方位磁石と
座標が写るだけ。
時計やラジオの表示はできた。
後方視界が悪いので、バックモニターはありがたい。
バックカメラはナンバーの上に隠れている。
ボリュームがダイヤルなのはいいが、ボタンが多くて煩雑な印象。
主に電話の操作をここでやるんだろうか?
ハザードスイッチは小さめ。左のSEMと書いてるボタンは、変速機の
スポーツ、エコノミー、マニュアルモードの切り替え、右のECOボタンは
アイドリングストップ。ECOボタンは切っても、一旦エンジンを切ると
再びECOモードオンに戻る。
ハザードスイッチと、両隣のスイッチの形状がほとんどいっしょなので
手探りでわかりにくい。
エアコンは風量調整が12段階ときめ細かい。
下のほうにあるが、回しやすいダイヤルで操作性はいい。
もちろんダイヤルはクロームの飾り付き。
夜はアンバーに光る。
ちなみにA180は室内随所に間接照明が隠してあって、夜はムードが
あった。
ヘッドレストの穴のところにまでついており、ほのかに照らしてくれる。
この辺の優雅さは、軽とは全然レベルが違うところだ。
シフトレバーやサイドブレーキがないので、センタートンネル部は小物入れや
カップホルダーが充実しており、深さもある。
モニター操作用のジョグダイヤル。左手をアームレストに載せていると、
うっかり動かしてしまうことがあった。
アームレスト部の小物入れも深い。
ここにUSB端子とAUX INがあった。返す直前まで気が付かなかった。
アームレストは革張りの上等なものだが、前後にスライドするので
勝手に動いてズッコケそうになった。
グローブボックスは狭め。
内部は斜めに出っ張りがあり、奥行きが三角形になってる。
革張りの立派な車検証入れを収めると、スペースにあまり余裕がない。
この車検証入れはずっしり重く、測ると1.7kgもあった。
バイザーは両側とも鏡付きで、照明もある。
前席の天井照明部。
シートはヘッドレスト一体型で、座面と背もたれが布、他が革仕様。
白いステッチが控えめでいい。
座面の角度を変える(前下りや後ろ下がりにできる)ことができ、
きめ細かな調整が可能。ずっと走ってて、お尻が痛くなってきたら
少し座面の角度を変えてやると解消した。
調整はすべて手動。
ヘッドレスト下の穴の周りも、クロームで囲っていた。
後席は、天井が大きく下がっているので狭苦しい。
乗り込むときも、注意しないと後席は頭をぶつけそうになる。
後席も、左右は前席と同じデザインの固定式ヘッドレストがつく。
中央席も、可動式の大型ヘッドレストが備わる。
上げるともはや後ろが見えない。
リヤ天井にも、立派なルームランプがある。左右スポットライト付き。
もちろんクロームリングもついてる。
ベンツA180のレンタカーを借りた2へ続く