「日本の庭 ことはじめ」(岡田憲久 TOTO出版 2008年)を読んでいたら、P82にこんな記述があった。
京都の北、山裾の森の中に、廃墟となった巨大な庭が存在するらしい。
> 京都、森に隠れた廃墟の庭
>
> 京都北部の山中に隠れて廃墟のように広がる庭がある。非公開の庭であるが数年前、
> 30年ぶりに再び見る機会を得た。背後に山を背負った敷地には建物もなく、庭だけが
> つくり続けられた場所。いったい誰が何のために、どういった経緯でこのようなものが
> 森の中に埋もれているのだろうか。そこには、現代において日本の庭がランドスケープとして
> 展開し得た数少ない空間のひとつがあった。
>
> 山裾を止めた何百メートルにもおよぶ丹波石の野面石積みがこの空間の骨格である。
> 石積みで山を止めることによって、おそらく建物が建つ予定であった平坦地が何ヶ所か
> 確保され、何もない場だけが出現している。大きく伸びやかに育った木々のスケールに
> この空白の場が呼応し、実に豊かな空間になっている。苔の緑の面の広がりに光が降り、
> 時折通る風に揺れる枝が影を落とす。目を凝らすと、森の中にはさまざまな造形が隠されている
> のを発見する。たとえば長く連続する石積みの幾か所が洞窟になっており、中の壁から石樋で
> 水が落ちる。山止めの石積みの水抜きを兼ねているのかもしれない。
>
> 私はこの庭に初めて出合った時の衝撃を未だ忘れることができない。大学を出て京都の
> 老舗の庭師見習いであった頃、職人頭に連れられ、川原の草むらをかき分け、川を渡り
> 敷地へたどり着いた。そこには丹波石積みで囲まれた矩形の広場の中央に、1本のコブシの木が
> 真っ白な花を付けていた。古い庭の世界で喘いでいた私にとって、そこはモダンでありながらも
> 重厚な、まさに夢のような世界であった。大雨ですぐに崩れる石積みを、腕の良い職人が
> しっかり積んで収めたことを聞き、その職人技に感服しながら、一方ではあまり美しい文様の
> 積みではないと、若さゆえの批判的な思いを噛み殺し、しかしその空間に圧倒され、その後も
> 何度も庭を見に忍び込んだ。
「何百メートルにもおよぶ丹波石の野面石積み」というのだから相当大きい。
廃墟好き&庭好きならぜひ見てみたいもんだが、場所がわからない。
ネットで調べてみたが、情報を発見できなかった(同じようにどこだろうと
書いてる人はいたが)。
ヒントは京都北部の山中、川を渡った山裾の敷地。
何百メートルもある石積みなら、グーグルの空中写真にも写ってるかも
しれないが、発見できなかった。
どなたか場所を知ってる方いませんか?
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Posted at
2016/07/24 09:40:54