リーフや
アウトランダーPHEVに乗ったところ、以前から気になっていた日産超小型モビリティにも乗りたくなった。瀬戸内海の豊島でレンタルできたのだが、期間が終わってしまい、
乗りそびれていたのだ。
ネットで調べると、小豆島に1日4,320円のレンタカーがあることがわかった
(
小豆島ふるさと村)。
実は、雨天時の乗り心地を試したかったこともあり、ちょうど雨続きだったので電話した。
ふるさと村のお姉さんは、小雨の場合はOKだけど、本降りになると危険なので貸出しを中止すると言う。雨がモビリティの車体にとって危険なのか、
ドライバーにとって危険なのか聞くと、ドライバーにとって危険だからということだった。
天気予報では弱雨だったので、そのまま予約した。
小豆島へ行くのはいろんなルートがあると思うが、新岡山港からフェリーで
土庄港へ行き、そこから坂出港行きのバスで池田平木バス停下車、20分ほど歩いてふるさと村についた。
ふるさと村建物裏手のガラスルームみたいなところに、超小型モビリティが何台か駐車されていた。
自分が乗るモビリティはこちら。駐車場にポツンと置かれていた。
第一印象は「小さw」。
10分ほど操作方法のレクチャーを受けて出発。
外観。
タイヤサイズは、前125/80 R13、後ろ145/80 R13と前後異型である。
前タイヤはサイズが特殊で高そうだ。コンチネンタルのタイヤだった。
ホイールナットは3本。ブレーキは4輪ディスクだが、ブースターがついてない。
充電口は鼻先にある。カギはない。ハザードスイッチの親玉のようなフタを開けると、充電コードとウォッシャー液注入口がある。
カールコードを伸ばしてコンセントにつなげる。意外とよく伸びる。
乗り込み方だが、外側にドアハンドルがないので、窓(ガラスなし)から
腕を突っ込み、内側のドアハンドルを引っ張って、ドアを跳ね上げる。
跳ね上げ式のドアにはバネがついてるようで、軽い力で上がる。
このとき、腕をすぐ引っ込めないといけない。窓から腕を入れた状態で
ドアが跳ね上がるので、そのままだと腕が逆ギロチンのように、ドアと天井に挟まれるのだ。
ドアの下半分は、半透明になっている。運転してると路面がチラチラ見えるので気が散るw
シートは非常に薄っぺらく、クッションも薄い。前後には動かせるが、
リクライニング機構はなく、背もたれの角度を変えることはできない。
シート中央に穴が開いている。
これはなんだろうかと思ったが、朝乗ってきたフェリーの展望デッキの椅子にヒントがあった。
水抜き用の穴であろう。窓がないので当然雨が吹き込んでくる。
濡れてもよい作りになってるに違いない。
シートベルトは、まず普通のベルトを左側からかけ、右肩にもベルトを通すという変則的なものである。ベルトの強度が1本では足りないのだろうか?
ベルトを左側からかける方式(左ハンドル車のように)のため、右側から乗り込むと、ベルトのバックルがお尻に当たって痛かった。
後から考えると、中央シートなので、左側から乗り込んでもよかった。
設計者は左ハンドル右側通行圏で使うことを前提に、設計したんだろう。
一応後席もついているのだが、座るには大きく足を広げ、前席を抱え込むような姿勢になる。雨の日は、運転席にはそう雨が吹き込んでこないが、
後席はモロに当たるらしい。
メーター。速度や電池の量、残り何キロ走れるかなどが表示される。
パワーステアリングではない。据え切りでは重いが、動き出すと
軽とそう変わらない重さ。ステアリングはエアバッグ付きだった。
キーは一般的な挿してひねる方式。電池が内蔵されてるように見えるが、何のリモコンなんだろ?ドアにカギはないし。
走行可能状態にするには、キーをオンの位置まで回して少しホールドする。
おもしろいのがウインカー表示で、ウインカーレバーをどちらに倒しても、
常に左右同時に表示される。どちらにウインカーを出してるのか、
メーターの表示だけではわからない(ハザードも同じ表示)。
こういう割り切り方は、日本人の発想にはないんじゃないだろうか。
フランスにはクワドリシクルという軽4輪のような規格があるが、
それらも同じなんだろうか?
ウインカーレバーは外車仕様の左側。レバーの先がホーンスイッチで、
ビー!とびっくりするほど大きな音がする。
ライトは一般的な方式でスモール→ヘッドライト、向こう側へ倒してハイビーム。
レバーのスピーカーのようなマークは、車外走行警告音スイッチ。回すと、「ビヨビヨ、ビヨビヨ」と80年代のゲーム機のような安っぽい電子音がする。
シフト選択はスイッチ。同時に押すとNというのも変ってるな。
下の赤ランプは、Rに入れると点いてたような気がする。
その左はハザード。
バックの時、後ろに障害物があると、センサーが反応してピピピと鳴っていた。この車はリヤガラスがなく後ろが見えないので、装備されてるんだろうか。
ワイパーレバーは右側。
ワイパー速度は2段階で、レバー先の「・・・」はメーターの切り替え。
オドメーターや走行可能距離などに切り替わる。
空調はまったくないのだが、フロントガラスに熱線が入っているらしく、デフロスタスイッチもレバーについていた。熱線は見えなかった。
ガラスの周りだけ暖まるのかもしれない。
ワイパーは1本で、フロントウインドウ左側に立った状態がデフォルト。
ウォッシャーを作動させると、ワイパーギリギリのところに噴射される。
ワイパーも左ハンドル車と同じく左側から拭き取るタイプなので、
右ハンドル左側通行の日本だと、右上に拭き残しができて視界がいまいち悪い。まあ歩道側はよく見えるのだけど。
駐車ブレーキは手前に引っ張るタイプ。ボタンを押して解除。
ペダル間隔は狭いが、運転中、足が引っかかるなどということはなかった。
ブレーキに倍力ブースターがついていないため、しっかり踏まないと効かない。ここは要注意。公道に出る前に、駐車場内でブレーキの効き具合を試したほうがいい。
クリープはない。クリープに慣れてると、動き出しがちょっと遅れてしまう。
坂道発進では、後ろに下がる。駐車ブレーキがステッキ式なので
走行中はいじりにくい。坂道発進のときだけ左足ブレーキという手もあるが、おすすめしにくい方法である。
日産超小型モビリティを見かけたら、坂道発進では下がってくると思ったほうがいい。
ダッシュボードの左右に、小さな小物入れがある。
発煙筒と、12Vソケットがあった。
他にも、なにか私物っぽいものが入っていた。
右側の小物入れは、カギがかかっており開かなかった。
車検証が入っていたのなら、見たかったところだ。
後席も何かフタが開くようになっていたが、ここにもカギがかかっていて
開かなかった。サービスホールだろうか?
ミラーは小さめ。もちろん電動ではないので、手でガラス面を押して調整する。
雨風の吹きこみ防止か、アクリルの大きなバイザーがついていたのだが、走行中、これが車体と擦れてキュルキュルと盛大な騒音を発していた。
天井に、スピーカーっぽいものがついていた。
ちなみにラジオはついていない。
挟んであるのは、注意書きのシートである。
置くところがないので、ここに挟んでるんだろう。
挟んであった注意書き。
ステアリングの注意書き。
こんなに小さな車体なのに、意外や見切りが悪く、視界も悪い。
まずリヤガラスがないので、ルームミラーもなく、後ろが見えない。
窓から顔を出して後ろを見ようとしても、車体中央に座席があるため
座席とドアの隙間が広く、顔を出して後ろを見ることができないのだ。
これは致命的な欠陥だと思う。このままで一般発売されれば、後ろを見ずにバックしてぶつかるケースが続出するのではないだろうか。
カメラ&モニターにする方法もあるが、リヤガラスをつけて目視できるのが
一番いい。カメラ&モニターは補助的な手段である。
ルームミラーを真ん中につけると自分の頭が邪魔になりそうだが、
フロントガラス左右の上端(丸い整備マークのある辺り)にでも
ミラーをつければ、後ろは見えるはずだ。
充電中の運転席からの眺め。ナビは自前。
斜め後方の視界も悪い。窓は後方まで開いているのだが、
座席が中央に引っ込んでいるので死角が大きい。
サイクルフェンダーが左右に出っ張っているので、ボディの感覚だけで
ギリギリまで寄ろうとすると、脱輪することになる。
一応、フェンダーの一部がアクリルバイザーを通して見えるのだけど、
感覚が掴みづらかった。
デザインのおかげで、軽よりずいぶん小さいのに、ボディの見切りや視界が軽より悪いという変なことになっていた。
前席を右へオフセットし、後席を左に寄せればどうかと思うが、
車体が小さいから左右の重量バランスが難しいだろうか。
とりあえず、後方視界だけはなんとかしてほしい。
小豆島で日産超小型モビリティに乗った(走行編)へ続く