Ninja250の自己診断コード

エンジンチェックランプが点灯した状態で、
ODOメーター表示時に、左ボタンを長押しすると、
自己診断コードを表示します。
複数ある場合には、順番に表示し続けます。

自己診断コードを載せておきます。

Ninja250　サービスコード
　　　　　
　　　①部品
　　　②使用可能な出力信号の範囲または基準
　　　③ＥＣＵが講じるバックアップ措置

１１：メインスロットルセンサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① メインスロットルセンサ
　　　② 出力電圧　0.2Ⅴ ～ 4.8Ⅴ
　　　③ メインスロットルセンサ系統に機能不全
　　　　（出力電圧が使用範囲外、配線の断線または短絡。）
　 　　　が生じると、ＥＣＵは、点火時期をスロットルが閉じた状態に固定し、
　　　　ＤＦＩをＤ－Ｊメソッド（１）に設定する。
　　　　 また、メインスロットルセンサ系統に加えて、
　　　　吸気圧センサ系統に不具合が生じると、
　　　　ＥＣＵは点火時期をスロットルが閉じた状態に固定し、
　 　　　ＤＦＩを α-Nメソッド（２）に設定する。

１２：吸気圧センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① 吸気圧センサ
　　　② 吸気圧（絶対値）Pv=150 ～ 800mmHg
　　　③ 吸気圧センサ系統に機能不全
　　　　（信号が使用範囲外、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　 ＥＣＵはＤＦＩをα-Nメソッドに設定する。

１３：吸気温センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① 吸気温センサ
　　　② 吸気温　Ta＝ー30 ～ ＋120℃
　　　③ 吸気温センサ系統に機能不全
　　　　（信号が使用範囲外、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　 ＥＣＵは、Ｔａを40℃に設定する。

１４：水温センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① 水温センサ
　　　② 水温　Ｔａ＝－30 ～　＋120℃
　　　③ 水温センサ系統に機能不全
　　　　（信号が使用範囲外、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　 ＥＣＵは、Ｔwを80℃に設定する。

２１：クランクシャフトセンサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① クランクシャフトセンサ
　　　② クランクシャフトセンサは、
　　　　１回の回転で２２個の信号をＥＣＵに送出する。
　　　③ クランクシャフトセンサの発生する信号が、２２回以外の場合には、
　　　　 エンジンが自動的に停止する。

２４：スピードセンサ機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① スピードセンサ
　　　② スピードセンサは、エンジンスプロケットが１回転するごとに、
　　　　 ４個の信号をＥＣＵに送出する。
　　 　　ギアポジションは、スピードセンサの信号によって判定される。
　　　③ スピードセンサ系統に機能不全
　　　　（信号の欠落、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　 スピードメータには”０”が表示され、
　　　　 ＥＣＵはトップ（６速）ギヤの位置に設定する。

３１：転倒センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① 転倒センサ
　　　② 出力電圧　0.65v ～ 4.45v
　　　③ 転倒センサ系統に機能不全
　　　　（出力電圧が使用範囲を超えた、配線が短絡や断線）が生じると、
　　　　ＥＣＵは燃料ポンプリレー、燃料インジェクタ、および点火系統を遮断する。

３２：サブスロットルセンサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① サブスロットルセンサ
　　　② 出力電圧　0.15v ～ 4.85V
　　　③ サブスロットルセンサ系統に機能不全
　　　　（出力電圧が使用範囲外、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　ＥＣＵはサブスロットルバルブを全閉の位置にし、
　　　　サブスロットルバルブアクチュエーターへの電流を遮断する。

３３：Ｏ２センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① Ｏ２センサ
　　　② Ｏ２センサは作動し、ＥＣＵへ連続的に信号（出力電圧）を送出する。
　　　③ Ｏ２センサが作動しない場合は、
　　　　ＥＣＵはＯ２センサフィードバックモードを終了する。

３９：エンジンチェックランプの機能不全、配線の断線または短絡
　　　① エンジンチェックランプ
　　　② ECUの指示により、エンジンチェックランプ点灯
　　　③ ECU → メーターパネルのエンジンチェックランプまでの配線が、
　　　　短絡または断線すると、エンジンチェックランプ点灯

５１：スティックコイル＃１の機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① スティックコイル＃１
　　　② スティックコイルの一時巻線は、ＥＣＵへの連続的に信号を送出する。
　　　③ スティックコイル＃１の一次巻線に機能不全
　　　　（信号が欠落、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　ＥＣＵはインジェクタ＃１を閉鎖してシリンダ＃１への燃料を遮断するが、
　　　　 エンジンはまわり続ける。
　　　
５２：スティックコイル＃２の機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① スティックコイル＃２
　　　② スティックコイルの一次巻線は、ＥＣＵへの連続的に信号を送出する。
　　　③ スティックコイル＃２の一次巻線に機能不全
　　　　（信号が欠落、配線の断線または短絡。）が生じると、
　　　　ＥＣＵは、インジェクタ＃２を閉鎖して、シリンダ＃２への燃料を
　　　　遮断するが、エンジンはまわり続ける。

５６：ラジエターファンの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① ラジエータファンリレー
　　　② リレーがＯＦＦの状態で、ファンリレーがＯＦＦになる。
　　　③　－－－

６２：サブスロットルバルブアクチュエーターの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① サブスロットルバルブアクチュエーター
　　　② アクチュエーターは、ＥＣＵからのパルス信号によって、
　　　　 サブスロットルバルブの開閉を行う。
　　　③ サブスロットルバルブアクチュエーターに機能不全
　　　　（信号が使用範囲外、配線の断線または短絡。）が生じると、
　 　　　ＥＣＵはアクチュエーターへの電流を遮蔽する。

６４：エアスイッチバルブの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① エアスイッチバルブ
　　　② エアスイッチバルブは、ソレノイドバルブを開閉することで、
　　　 　２次空気の流れを制御する。
　　　③ －－－

６７：Ｏ２センサヒーターの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① Ｏ２センサヒーター
　　　② Ｏ２センサヒーターは、作動初期段階にセンサの温度を上げる。
　　　　　　　12v - 6.6w　0.55A
　　　③ Ｏ２センサヒーターに機能不全（配線の断線または短絡）が生じると、
　　　 　ＥＣＵはヒーターへの電流を遮蔽する。

９４：Ｏ２センサの機能不全、配線の断線または短絡。
　　　① Ｏ２センサ
　　　② Ｏ２センサは、ＥＣＵへ連続的に信号（出力電圧）を送出する。
　　　③ Ｏ２センサ出力電圧が標準以外の場合は、
　　　 　ＥＣＵはＯ２センサフィードバックモードを終了する。

注記
　○上記の不具合には、ＥＣＵが関係している場合がある。
　　全ての部品と回路を点検して、異常が発見されなければ、
　　ＥＣＵのアースと電源を点検すること。
　　アースと電源に異常がなければ、ＥＣＵを交換する。
　○サービスコードが表示されない場合には、ＤＦＩ系統の電気部品には異常がなく、
　　ＤＦＩ系統とエンジンの機械部品に疑いがある。

（１）α-Nメソッド
　　　エンジン負荷がアイドリングまたは低回転時で少ない場合には、
　　　ECUはスロットルバキューム（吸気圧センサ出力電圧）とエンジン回転速度
　　　（クランクシャフトセンサ出力電圧）に基づき計算を行い、
　　　燃料噴射料を決定する。
　　　この方法を、D-Jメソッドと呼ぶ。

（２）α-Nメソッド
　　　エンジン回転が上がり、エンジン負荷が中から大に達すると、
　　　ECUはスロットル開度（スロットルセンサ出力電圧）と、
　　　エンジン回転に基づいて計算を行い、
　　　燃料噴射料を決定する。この方法を、α-Nメソッドと呼ぶ。