本物の「竹取物語」をそのまま使うと、とても長文になりますので、
結構、はしょります。
なお、本物の「竹取物語」は
こちら。
今となっては昔のことであるが、毎日気ままにくらしているサラリーマン、ラウダがいた。
ある日、月の写真を撮っていると、光り輝く石が目の前に落ちて来た。
不思議に思って手に取ってみると、石は自然に割れ、中から10センチほどの、
可愛いことこの上ない女の子が出て来たので、ラウダは自分の部屋で育てることにした。
その後ラウダはロト6で当たりが続き、生活が豊かになって行った。
ラウダが見つけた子供はどんどん大きくなり、3ヶ月で妙齢な娘になったので、近所の神社で
成人式の儀式を挙げ、本来なら「かぐや姫」と名付けるところ、それではあまりに不自然なため、
「リナ」と名付け、ラウダと暮らした。
ところがどういういきさつかは分からないが、「ラウダの家にもの凄い美人がいる。」と知れ渡り、
毎日大勢の男たちが「姫に会わせてほしい。」と訪れてきた。
「そんな子はいない。」とラウダが追い返しても、連日連夜訪れて来るのであった。
ラウダはサラリーマンのため、平日は会社に行かなければならない。
そこでロト6で当たった当選金を使い、アルソックに1日24時間、警備を頼んだ。
そんなウワサは政府の要人や大企業の社長達の耳にも入り、
「ラウダ君。姫をうちの長男の嫁にもらえないだろうか？
当然、政府で君のポストを用意する。」
「一生遊んで暮らせる金額を結納金としてお支払いするので、姫を嫁にもらえないだろうか？」
・・・。「一生遊んで暮らせる金額」には、ラウダも一瞬考えたが、やはり全て断った。
しかし、リナをいつまでも部屋の中に閉じ込めておくわけにもいかず、
自由にさせてやりたい。ラウダはそう思い、リナと結婚する事にした。
ラウダは休日には、リナを連れて出かけ、リナもそんな生活を楽しんでいた。
そんな生活が3年ほどたった頃、リナは月を見上げて物思いにふけるようになった。
8月の満月が近づくにつれ、リナは声をあげて泣くようになり、ラウダが問うと、
「私はこの世界の人ではなく、月の都の者です。
ほんの少しの間のつもりが、ラウダさんとの生活が楽しくて、つい長居をしてしまいました。
私は8月15日の満月の夜に月に帰らねばなりません。
こればかりは自分の気持ちではどうなる事ではなく、当夜、月より使者が参ります。」
ラウダは受け入れ難く、何度もリナを説得したが、
リナは「月の王は槍で刺しても、鉄砲でも傷つかず、ミサイルにも耐えうる乗り物でやってきます。
どうか、私の事はお忘れ下さい。」
と泣くばかりであった。
8月15日当日の深夜、ラウダのアパートの前が昼間より明るく光った。
大空からUFOがやってきて、何人かの使者が降りて来た。
その中には月の都の王もいた。
その王が口を開いた。
「ラウダ、おまえは幼き者。少しばかりかぐや姫を置いたばかりに、姫の力でロト6で大金持ちになり
生まれ変わってしまった。何がBMW i8だ！アウディR8だ！何がアルト・ワークスだ！
かぐや姫は、その罪滅ぼしのためお前の元にいらっしゃったのだ。
その罪の期間は過ぎた。早く姫を渡しなさい。」
すると締め切っていた雨戸が総座に開き、リナ、いやかぐや姫は外に出て来る。
UFOに乗りこむ時、ラウダの方に振り返り、
「手紙をしたためてあります。寂しいと思った時にお読みください。」
と涙をぬぐいながら天の羽衣をまとい、UFOの中に乗りこんで行った。
天の羽衣を着たかぐや姫は、ラウダの事を愛しい、と思っていた事まで忘れてしまった。
天の羽衣を着た人は物思いがなくなってしまうのであった。
そしてUFOは空高く飛んで行ってしまった。
失意のラウダが部屋に入ると、2通の封筒があった。
1通には「いまはとて 天の羽衣 着る時ぞ 君をあはれと おもひいでぬる」と詠んであり、
もう1通には「不死の薬」が入っていた。
ラウダはひどく悲しみ、会社も辞め、車も手放し、近所の人に、
「どの山が天に一番近いか？」と尋ね、
「それは静岡県と山梨県にかかる山だ。」と聞き、
「会うことも無いので、こぼれ落ちる涙に浮かんでいるようなわが身にとって、
不死の薬が何になろう」と詠み、かぐや姫からの不死の薬と手紙を持ち、
日本で一番高い山の上で焼いた。
その由緒を謹んで「不死の薬を焼きに山に登った」ことから、その山を「ふじの山」と名付け、
現代にも受け継げられている・・・。
終わり。
なっげぇ～！！！
