アイドリングは、実は奥が深いです。
アイドリングにまつわるトラブルには、様々な要因が隠れています。
だから、これはまず、エピソード01です。
アイドリングとの戦いは、簡単に終わるものではなかったのです。
さて、まずは、時たまハンチングが出ているのがおかしいのです。
ハンチングというのは、アイドル中に回転が上がったり下がったりを繰り返す現象です。
何も触っていなくても、軽くブリッピングしているような感じになります。
まずはハンチングの原因として、Auxiliary Air Valveを疑ってみました。
Auxiliaryって、発音が難しいですね。
ネイティブの発音を聞いて文字に起こすと「オキジリアリ」となりますが、「ジ」のところが一番アクセントが強くて、真ん中の「リ」はとても小さいです。
だから、「オキジャリー」とか「オキジャリ」と書く人もいますね。
私は「オキジリアリ」と書かせてもらいます。
発音する時には、「オキ・ジリアリィ」と区切るとネイティブっぽくなりますよ。
ちなみに、このパーツを「エクストラ・エア・バルブ」と呼ぶこともあります。
こちらのほうが日本人慣れしやすい名称ですね。
オキジリアリというのは、「補助」という意味です。
よく、オーディオ装置とかにAUXって書いてある端子がありますでしょ。
あれはどうやら、オキジリアリの略らしいです。
私はずっと「オークス」とか「エーユーエックス」と呼んでいましたけれど、これからは「オキジリアリ」と呼ぶことにします(笑)
ある程度古いジャガーですと、オキジリアリ・エア・バルブの仕組みは、要するに自動チョークです。
水温に応じて、吸気のバイパスラインを開いたり閉じたりするものです。
水温が低いとバルブを開いて回転数を上げ、水温が充分に高くなると、バルブが閉じます。
ここに、さらにこのバルブをパスするバイパスがありまして、そのバイパスは手動でボルトを回すことでアイドリングの回転数を調整することができます。
電気的な駆動になっているキャブレターのチョークをイメージしていると、ちょっと発想が違いますね。
こいつがその、オキジリアリ・バルブの本体です。
EAC4438
真鍮色の部分が、エンジンブロックのウォータージャケットに刺さります。
左のパイプがエア・フィルターボックスへ。上のパイプがエア・インテークへ。
頭がこちらに向いているボルトは、アイドル回転数のアジャスターです。
どうでもいい話ですけれど、このアイドリング・アジャスト・スクリュー。なんと19mm角という極太のボルトです。
さすがはV12。アイドリング時でも大量の空気を吸っているんですね。
これが滅法高いパーツでして。あまり積極的に取り換えたいパーツではありません。
ここでもありがたいのが、さすがのJapthugさん。すばらしい研究をしてくださっていました。
http://jaglover.web.fc2.com/XJSmaintenance/engine/auxairvalve/auxairvalve.html
前期型用のEAC2273が高いのですが、EAC4438であればすこし安いのですね。
EBC1198というのもあるようなのですが、これは見つけることができませんでした。
互換性に関しては、誰も保証してくれないのですが、ここは一発、安いヤツにトライしちゃいます。人柱になりますよ~(笑)
で、EAC4438を取り寄せました。
もともとのパーツを取り外したところ。
この90度曲がっているホースがクセモノで、取り外しに難儀しますから、土台のボルトをとって、ゴムホースごとひねって外したほうが楽です。
この固定ボルトは、なぜかトルクスになっているので、工具の準備を忘れずに!
で、オキジリアリ・バルブを取り換えたところ・・・
ハンチングが酷くなりました(爆)
どのくらい酷いかというと・・・
下記の動画のような状況です。
アクセルに一切触っていない状態でこれです。
やばい・・・やっぱりパーツが互換しなかったのか?
いやまて。なんか音が変。
バルブのあたりから、「シューシュー」とすごい音がします。
これはもしや・・・
ホースのクリップを緩めてみますと、この通り。
硬化したゴムホースに亀裂が!
しかも、ホースを外してみたら・・・
あー、こりゃダメだぁ。
もう、ボロボロっす!
ちょっと力を加えただけで、このとおり割けてしまいました。
これじゃあ、余計な空気を吸ってしまって、スロットルを開いていないのにアイドル回転数がガンガン上がり、ECUが異常に気付いて燃料をカット。この繰り返しでハンチングが起きているというわけですね。
もしかして・・・もともとのアイドル不調も、バルブではなくホースのヒビが原因??
考えるのはよしましょう(笑)
・・・もう新品買っちゃったんだから・・・( ;∀;)
とりあえず、ゴムホースをブチルゴムのテープで補修します。
こんなふうに・・・
で、このように・・・
かっこ悪いけれど、まずはこんな応急処置です。
吸気の負圧は結構強いので、いずれこのブチルゴムもやられてしまうでしょう。
eBayで、ゴムホースを探します。
フロリダに在庫があったので注文。
しかし、待てど暮らせど届かない。
トラッキングしてみたら、アメリカのどこか知らないところに届けられていて、しかも、ちゃんと受け取られたことになっている!
販売店にクレームをいれて、もう一度送りなおしてもらいました。
その店には在庫が2点しかなかったから、危なかったです(;´・ω・)
やっぱり、このあたりの処理を代行してくれるセカイモンとかは便利ですね。
ていうか、最初からJapthugさんに取り寄せてもらうのが正解なんでしょうね。
ゴムホースを替えたところ、さらっとハンチングは収まりました。
もともと固くなってヒビが入っていたゴムホースから、微妙にエアを吸ってしまって機嫌が悪かったところに、バルブ交換時にヒビを悪化させてしまい、酷いハンチング状態にしてしまったのでしょうね。
いや、本当はこれ、作業中に気付くはずのところなのですが、私、いつもかなり暗いところで作業しているので、こういうの見落とすんですよね・・・。
さて、ハンチングはおさまったのですが、なんかまだ足りない気がいたします。
いまいちアイドリングがきれいじゃないというか。
信号待ちでしばらく止まっていると、だんだん振動が大きくなってきます。
ときどきポツポツと失火しているような?いや、失火というほどではないけれど、なんかおかしい。
アイドリングからアクセルを踏み込んだ時のレスポンスもちょっとダルすぎます。
ATのストール回転数くらいのあたりで、妙に回転数の上がりかたが遅いです。
今回交換したバルブのアイドリング・アジャストのボルトを完全に緩めきってしまうくらいでないと、アイドル回転数が700rpmに上がってきてくれない。
これはおかしいです。
走っているときには問題ないのですがね。
まだまだ、アイドリング不調に関連する原因が隠れているようです。
俺たちの戦いは、まだまだこれからだっっ!☆
(たち?)
写真追加。
これが最終的な組付け後の眺めです。
作業には、上空を斜めに走るステーが邪魔・・・
以上、2016年7月~8月にかけてのお話でした。