2012年05月28日
第5話 秋田編
第5話
今回は予定も立てられないまま「事件」により急に出発が決まり、慌ただしく出発し、「ホテル」に宿泊。とりあえず秋田に向かいますが、特に目標や目的があったわけでなく、秋田に向いました。
前置きなしで本題に。
第5話 秋田も!?
深夜3時過ぎに彼の自宅を飛び出し、「ホテル」についたのは4時。すぐに寝入ってしまったが、「緊張」ですぐに目が覚めてしまった。8時、彼女も起きていたようだった。背を向けていた彼女がこちらを向き
「十和田湖、行こう」「了解」
身支度を整え出発した。
しかし、私には気がかりなことがあった。まず、地図がない。北海道以外走ると思っていなかったので北海道のツーリングマップルしか持っていなかったのだ。
次に宿泊。青森県内での宿泊はねぶた祭り開催のため、殆どの宿泊施設は満室であると思われる。かといって、昨夜のような「ホテル」は私の精神的な負担が大きすぎる。
同室でもベッドは別でないと・・・。
一つ目の問題はすぐに解決した。
地図がないので、道路標識だけを頼りに十和田湖に向かって走っていたのだが、書店を発見。ちょうど開店の準備をしている最中で、東北のガイドブックを買い求めた。
そこでやっとルートを確認し、距離と時間の目安を立てて、知らない土地で走る不安の一つを解消できた。
二つ目の問題もある程度目安を立てた。十和田湖を経由して青森県を出て、秋田市へ向かえば、秋田市は県庁所在地であるし、ビジネスホテルくらい有るだろうと目論んでいた。
やっと本日の大腿の行動が決まると、気持ちに余裕が出た。
十和田湖につくと、乙女の像を目指し、そこで写真を撮った。二人で旅を初めて、初めて2ショット写真を撮影した。時間は昼前、近くの店に入り、昼食を済ませた。
食事がすみ、二人で順番にトイレに立った。そこで、彼女、私、店に大きな誤解が生まれた。彼女が席に帰ると、私がトイレに立ち、私が席に戻ると支度をして、店に「ご馳走様でした」と声をかけると「ありがとうございました。またお願いします」と返事があり、私たちは店を出た。
少し早目の昼食で、店を出るとき丁度昼時になり、店は注文をする客でかなり混雑していた。席を空けるためにも急いで食事を済ませ、彼女も私に目配せをしていた。
バイクに戻り秋田に向かうべく走り始めた。
能代について日本海に出たところで、長めの休憩を取った。すでに時刻は夕方の4時を過ぎていた。そこで、昼食時の清算をと思い、海を見ていた彼女に声をかけた。
彼女も財布を取りにバイクに戻り、そこで昼に発生した誤解が顔を覗かせた。
彼女は自分が席を外しているときに私が支払いを済ませたと思い、私は彼女が支払いを済ませたと思い、店は挨拶を返したのとは別の店員が勘定を受け取ったと思い込んでしまっていた。
そう。無銭飲食をしてしまったのである。
すでに店から200Km近く離れてしまっている。
二人で顔を見合わせ吹き出してしまった。購入したガイドブックを見ると、昼食をとった店が掲載されていた。電話番号が書かれていたので、彼女が公衆電話から電話を入れた。
彼女が笑いながら戻ると「次に訪れた時に御代をくださいと言ってました」と私に言った。
目的の秋田に残り50Kmほど。時間は17時を回ったところ。ガイドブックを見て、適当に宿泊施設に電話を入れてみた。
4件、5件・・・。どこも満室。ガイドブックにはビジネスホテルも記載されていたので電話を入れてみるが満室であった。
彼女がガイドブックを読み上げ、私がダイヤルしていたのだが、彼女が何やら記事を読みながら私に「今日、このガイドブックに掲載されている宿泊施設に泊まるのは無理ね」「なんで?」「今日はお祭りです」「祭り?ねぶたは秋田じゃやってないよ」「竿灯祭り」・・・。
宿泊を考慮して秋田に向かったのに、東北3大祭りの秋田竿灯祭りをまったく視野に入れていなかったのだ。しかも、ねぶたと同時期に開催されていることなど知りもしなかった。
「お祭り、見に来たのでしょ。早く行きましょう。始まってしまいます」と満面の笑みで言った。彼女は、私がミスしたことを知りながら、状況を楽しんでくれていた。
秋田市内に入ると、祭りのため交通規制がされていた。会場近辺に駐車場は用意されているが、どこも満車である。バイクを降り、押しながら彼女と話していると、「東京からかい?」と声をかけてきた年配の方がいた。が、実は何を話していたのか理解できなかった。秋田弁で話されていたのだが、まったく私は理解できていなかった。しかし、彼女は「はい。お祭りを見学したいのですが、バイクを止めるとこがなくて」「○★★♯☆、×☆♯×☆。」
「ホント。おじいちゃんありがとう」この会話は今でも判明していない。
老人に案内されバイクを止めると、何やら首から下げるパスを貸してくれた。
そのパスを持って会場へ。竿灯祭りの見学はきちんと区画分けされた席が用意され、地元の方用にパスが用意されており、こられなくなったお孫さん用のパスを貸してくれたのだ。最前列。桟敷で見学することが出来た。
稲穂をイメージした竿灯を、おでこや腰に乗せ練り歩く。夜空に竿灯の淡いオレンジ色の光が煌々と輝く。美しくも怏々しい祭りであった。
パスを返し、今夜の宿泊をどうするか、彼女と相談すると、「昨日のようなホテルなら泊まれるでしょう」と簡単に言う。
「お風呂も、ベッドも広いですし、二人で割れば安いし、よい事ばかりでしょ」
確かに彼女の言うことも一利ある。しかし・・・。
仕方なく、その手のホテルを探しながら国道13号線を南下していると、山間に少し入ったところに「空」と光る「ホテル」が見え、彼女は指差した。
そこは所謂コンドミニアムタイプで、駐車場付の個別になった部屋が何棟かあるタイプであった。駐車場にバイクを止め、部屋に入ると、和室にダブルサイズの布団が敷いてあった。
「・・・」
荷物をバイクから外し、部屋に入り、彼女は風呂に湯を張りに風呂場に行き、戻ると昨日のように備え付けのお茶を私に入れてくれた。
お茶を飲みながら話していると風呂が沸き、彼女が風呂に入りに行った。
彼女は「一緒に入る」と笑いながら言う。完全に私をからかっていた。私も「そうね」と言い服を脱ぐふりをすると「バカ!」と言い、笑いながら風呂場に行った。
彼女が風呂に入っている間に、部屋着に着替え、布団に横になってガイドブックの地図を眺めて、明日以降どうするかを考えていた。
彼女が風呂から上がると、「お先に頂きました。どうぞ」と声をかけてく、私が風呂に入った。彼女も私が入浴中にガイドブックを読んでいたらしい。
風呂から上がると、「今日は何日?もう長い事時間を気にしてなかったから何日かわからなくなりました」大笑いしながら日にちを確認すると、彼女はガイドブックの東北3大祭りが紹介されているページを指差した。
「明日は仙台へ行きましょう」「なんで?」「東北3大祭り、すべて回れます」
明日は仙台七夕を見物するために仙台に向かうことになった。
キングサイズのベッドでは一緒に寝ていても「距離」を保てたが、布団はそうはいかなかった。
もういい!どうにでもなれ!私は彼女に背を向けていたが、仰向けに向きを変えた。
彼女はこちらを向いてすでに寝入っていた。流石に疲れていたらしい。
本州激走宮城編に続く
ブログ一覧 |
企画もの | その他
Posted at
2012/05/28 01:57:30
今、あなたにおすすめ