御無沙汰です!蒸し暑い季節が来てしまいましたね。。。
暑さと湿気にはめっぽう弱い“しまえる”は、この時期 筆も止まりがちですが・・・^^;
寒くてキリっとした冬のヨーロッパを振り返りながら、夏を乗り切ろうと思います!爆
だいぶ間が空きましたが、欧州自動車博物館巡りの旅 オートワールド編も、常設展示エリアはいよいよここを残すのみとなりました。
オートワールド パート4では2階部分のレースカー&スーパースポーツカーをレポートしていきます。このエリア、車両解説が名称と簡単なスペックしか記されていないのが残念ですが、興味深いレース車両が目白押しなので、分かる範囲で解説を追加してお届けします♪
1929年 - 1933年 アルファロメオ 1750 GS ザガート(Alfa Romeo 1750 GS Zagato):イタリア
オリジナルは、アルファロメオの1,752cc 直列6気筒エンジンを搭載した通称“6C”と呼ばれた戦前のGPレーサーです。“6C”とは6シリンダーの意味です。近年のアルファは“8Cコンペティツォーネ”や“4C”などで、またこの名称を復活させましたね♪
この当時、アルファロメオのレーシングチームを率いていたのが、あのエンツォ・フェラーリでした。彼のレーシングチーム“スクーデリア・フェラーリ”のクルマには、第一次世界大戦のイタリア空軍の撃墜王 フランチェスコ・バラッカのシンボルマークにちなんだ“カヴァリノ・ランパンテ(跳ね馬)”が貼られていました。
車両解説によると、この展示車両は1,750ccの4気筒エンジンを搭載したレプリカ車とのこと。名称に“6C”が含まれていなかったのは、このためですね^^;
このモデルがそうかどうかは解りませんが、“6C 1750 GS”は60年代にアルファロメオが“ジュリア”のシャシと1,750ccエンジンをザガートに供給し、ザガート自身が1750 GSのボデーを架装した再生産車も造られました。
1926年 ブガッティ タイプ35(Bugatti Type 35):フランス
エットーレ・ブガッティがGPのために開発した、2,300cc 直列8気筒エンジン搭載の戦前のGPレーサー。当時のレーシングカーは、ワイヤースポークのホイールが一般的でしたが、このタイプ35は世界で初めてアルミニウム製のスポークホイールを採用していました。
1952年 メルセデス・ベンツ 300SL ガルウィング プロトタイプ(Mercedes Benz 300SL Gullwing Prototype):ドイツ
“マルチチューブラー スペースフレーム”と呼ばれる細い鋼管を組み合わせた軽量高剛性フレームに、ボッシュとの共同開発によるフューエルインジェクションを組み合わせた3リッターSOHCユニットを搭載した“300SL”。
この展示車両は、市販モデルの300SL開発のために11台製作されたプロトタイプということで、外装デザインも至る所が市販車と異なっています。まず特徴的なのが、フロント周りの造形で、市販モデルの“荘厳な”顔つきに比べるとちょっと“すっとんきょう”な(笑)印象があります。
また、サイドの排熱孔も市販モデルに比べ機能優先な形状のように思えます。個人的に排熱孔はこっちの方がコンペティティヴでカッコイイなぁ~♪
ちなみに市販モデルの300SLはこちら↓
※2011年 メルセデスベンツ ミュージアムにて撮影
1953年 ポルシェ(ベック) 550スパイダー(Porsche 550 Spyder):ドイツ?
550Spyderについては、ポルシェミュージアム特別編でも解説しましたが、この展示車両の見どころは、ズバリ“ベック550スパイダー(Beck 550 Spyder)”であるところです!笑
ベック550スパイダーは、元シェルビー・アメリカンのエンジニアにして大のポルシェ エンスージアストであるチャック・ベックが、ポルシェ550スパイダーの鋼管スペースフレームを忠実に再現したシャシに空冷VWの部品を使って製造したキットカー(Kitcar)です。
この展示車両は、見たところベック オリジナルではなくレーシングスクリーンやPCD205mmの5穴ホイールなど様々なところに手が加えられていて、なかなか面白い個体です。
また、フロントのターンシグナルがあまり見ない形状のものに交換されているほか、
フューエルネック&キャップは鍵付きのフラットなタイプが採用されています。
このアングルで見るかぎり、シートはベック純正のままのように見えます。
そして、ここがこの個体のハイライトと言えるでしょう。
リヤカウルと一体のヘッドフェアリングとリヤカウルに開けられた冷却孔。ミラーもセブリングタイプを左に1個装着しています。
このような↑雰囲気抜群(笑)のオールド ル・マン スタイルのピットを模した展示エリアに置かれているため、詳細のディテールを接写できないのがちょっと心残りでした^^;
1954年 ジャガー Dタイプ(Jaguar D type):イギリス
ジャガーは市販スポーツカーXK120をベースに開発したレーシングカー“Cタイプ”の後継として、このDタイプを1954年に発表しました。エンジンは3.4リッター直列6気筒ユニットを搭載。1954年のルマンでは惜しくもリタイヤするも、翌1955年~1958まで3年連続優勝を成し遂げました。
Dタイプは純然たるレーシングモデルですが、このDタイプに公道走行に必要な大型ウインドスクリーンと幌、ラゲッジラックなどを装備したロードゴーイングヴァージョン“XKSS”も登場しました。
個人的には、この“Dタイプ”→“XKSS”へのコンバート方法と、“Porsche 550 Spyder”→“Beck 550 Spyder”の公道化が重なって見えてしまうのは自分がベック乗りだからでしょうか^^;
そんなDタイプでしたが、1957年に起きたブラウンズレイン工場の火災で製作治具一式を焼失するという不本意なカタチでの生産終了を余儀なくされました。
1965年 フォード ムスタング クーペ(Ford Mustang Coupe):アメリカ
ファルコンをベースにスペシャルティカーとして開発されたムスタングは、1964年に発表されると、たちまち大ヒットとなり、アメリカ国内にとどまらず欧州のモータースポーツシーンでも活躍しました。
アメ車は門外漢なので、あまり詳しい解説は出来ませんが、この展示車両は欧州のラリー選手権仕様になっていて、なかなかカッコイイですね♪
ムスタングのラリー仕様と言えば、クロード・ルルーシュの映画「男と女」のなかで、主人公のレーサーがこれとよく似た仕様のムスタングでモンテカルロラリーに勝利して、そのまま泥が付いたラリー仕様のムスタングでパリの恋人のところへ向かうシーンが印象的だったのを覚えています。
1969年 ランチア フルヴィア ラリー HF1600(Lancia Fulvia Rally HF1600):イタリア
ランチアは1963年のジュネーブショーで“アッピア”の後継車として“フルヴィア”を発表しました。エンジンは1920年代の“ラムダ”より伝統の挟角V型4気筒ユニットをDOHC化して搭載されました。
1971年 ビッザリーニ AMX / 3スパイダー(Bizzarrini AMX / 3 Spyder):イタリア
ビッザリーニAMX/3スパイダーは、アメリカンモータース社(AMC)のミッドシップスポーツカーとして、イタリア人の自動車エンジニア ジオット・ビッザリーニの設計で開発されましたが、結果的にプロジェクトは生産する前段階で終了を迎えました。
“ビッザリーニ”という名前は、あまり馴染みないかもしれませんが、実はフェラーリスタや年季の入ったティフォージ(←フェラーリの熱狂的なファン)にはお馴染みの名前でもあります。
ジオット・ビッザリーニといえば元スクーデリア・フェラーリのエンジニアで、あの伝説的な250GTOの開発にも関わった人物です。250GTO完成前の、エンツォと技術陣の対立による“お家騒動”を期にフェラーリを去ることになるのですが、その後も個人オーナーの所有するフェラーリ250GTB(SWB)をベースにワンオフ製作した対GTOマシン“ブレッドバン”でも有名です。
このビッザリーニAMX/3スパイダーは、AMC社のプロジェクトということもあってかパワーユニットは6.4リッター,560馬力のアメリカンV8が搭載されているようです。
1977年 ポルシェ 935/5(Porsche 935/5):ドイツ
1976年に911ターボをベースに、当時のFIA グループ5規格に則って造られたレーシングカー935ですが、この展示車両はヴァシェック・ポラック レーシングから1977年のワトキンスグレン6時間耐久レースに出場した個体だそうです。
1981年 BMW 530i(E12) バストス(BMW 530i(E12) BASTOS):ドイツ
それまでの1800/2000シリーズの後継車として開発されたBMW 5シリーズ。このE12型は、初代5シリーズとして現在まで続くBMW 5シリーズの礎を築いたモデルと言えます。この展示車両は、530iをベースにタバコメーカー“BASTOS”のスポンサーカラーを纏って、エディ・ヨーセン レーシングから1981年のスパ24時間耐久レースに出場した個体だそうです。
1988年 アルファ・ロメオ 75エヴォ(Alfa Romeo 75 EVO):イタリア
“75”は、2代目ジュリエッタの後継車として開発されました。デザインのトレンドとしては後継車の“155”も同様のウエッジシェープを用いたカタチですが、“75”はアルファロメオで自社開発された最後のモデル(155以降はフィアット傘下のため、フィアット車と共通のFFプラットフォームを使用)だけあって、トランスアクスルの採用やインボードブレーキなど機構面で独特のキャラクターを持っていました。
この展示車は、75をベースにしたレース車両“75 EVO”で、1988年のジロ・デ・イタリアにアレッサンドロ・ナニーニのドライブで出場した個体だそうです。アルファのカリカリでレーシィなツーリングカーは、やはり迫力があってカッコいいですよね♪
1999年 ヴァイヨン グラン・デフィ(Vaillante Grand Defi):フランス
聞きなれないメーカーですが、それもそのはずで欧州で人気のクルマ漫画「ミシェル・ヴァイヨン」に登場するクルマです。2003年製作の映画「ミシェル・ヴァイヨン」でも登場しています。
ちなみに、ベースになったのはフランスの“ホメル バルケッタ”というスポーツカー。重量945kgの車体にプジョー製の1,998cc,210馬力 直列4気筒ユニットをミッドシップに搭載しているようです。
2005年 ギレ ヴェルティゴ GT4(Gillet Vertigo GT4):ベルギー
ギレ社は、1994年にレーシングドライバーのトニー・ギレによってクルマ造りを始めました。ヴェルティゴはハンドメイドのライトウエイトスポーツカーで注文生産のカタチをとっていました。当初は、フォード・コスワース社の2リッター直列4気筒エンジンを搭載していたヴェルティゴは、その後アルファロメオ製3リッター V6エンジンを経て、最終的にはフェラーリ/マセラティ製の4.2リッター V8ユニットを手に入れました。
この展示車両は、FIA-GT選手権の2005年と2006年シーズンに出場したフェラーリ/マセラティ製エンジン搭載の最終ヴァージョン“ヴェルティゴGT4”だそうです。
この“ギレ ヴェルティゴ”自分も当初は存在を知らず、初めて知ったのはレースゲームの“グランツーリスモ3”に収録されていたのがきかっけでした。当時(収録車)はアルファロメオV6搭載モデルだったと思いますが、まさか後にフェラーリ製のエンジンまで搭載されていたとは知りませんでした。
相変わらずヴォリューム満点な展示車両たちですが、やはり広範囲にわたる競技車両のラインナップもモータースポーツの本場欧州ならではの自動車博物館の愉しみ方と言えますね♪
次回の欧州自動車博物館巡りの旅 オートワールド編は、いよいよお待ちかねのポルシェ展“FERDINAND PORSCHE THE HERITAGE FROM ELECTRIC TO ELECTRIC”の内容をレポートします!
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